首都圏反原発連合:ステートメント 【九州電力玄海原子力発電所3号機の再稼働について】

Posted on by on 3月 24th, 2018 | 首都圏反原発連合:ステートメント 【九州電力玄海原子力発電所3号機の再稼働について】 はコメントを受け付けていません

首都圏反原発連合:ステートメント
【九州電力玄海原子力発電所3号機の再稼働について】

 九州電力玄海原発3号機の再稼働に強く抗議します。
玄海原発3号機は、東日本大震災前に定期検査で停止して以来、約7年3カ月ぶりに再稼働しました。
再稼働に先立ち、3月20日に佐賀地裁(立川毅裁判長)は、玄海原発3、4号機の再稼働差し止め仮処分申し立てで、運転差し止めを認めない決定をしました。
2017年12月の広島高裁決定は、阿蘇カルデラの巨大噴火のリスクがあるとして、約130㎞離れた四国電力伊方原発3号機の運転を禁じています。
玄海原発3、4号機の再稼働差し止め仮処分申し立てでの焦点も同様に、阿蘇カルデラの巨大噴火の可能性を懸念したもので、阿蘇カルデラから160㎞圏内の原発が審査対象となっていて玄海原発もほぼ同じ距離にあるにも関わらず、立川毅裁判長は「重大な被害が生じる具体的な危険は認められず、九電の安全確保策は合理的だ」と判断しています。
 玄海原発周辺には有人の離島が多数あり、事故時に避難することは物理的に不可能とされますが、その点は考慮されていない不当な判断です。

 首都圏反原発連合は、玄海原発3号機の再稼働について以下の理由で反対します。

1.福島第一原発事故の教訓を学んでいない
福島第一原発事故の収束も見えていないなかでの再稼働はもってのほかで、事故のリスクを過小評価した再稼働といえます。更に、福島原発事故では避難ができず多くの方が被ばくしました。玄海原発から30㎞圏にある4市(壱岐市、平戸市、伊万里市、松浦市)には多くの有人離島を抱えた自治体が避難することは困難として、玄海原発の再稼働に反対していますが、九州電力はその声を無視しています。
2.プルトニウムを混ぜたMOX燃料は危険である
玄海原発3号機は、プルトニウムを混ぜたMOX燃料を使いますが、ウランの放射線の毒性とプルトニウムの放射線の毒性を比べれば、プルトニウムは約20万倍危険だとされています。また、使用済みMOX燃料はウラン燃料に比べて発熱量が高く、数十年間は原子力発電所の敷地から動かせなくなり、その間の自然災害を含めたリスクが考慮されていません。
3.加圧水型原子炉の危険性
玄海原発3号機は加圧水型原子炉で、格納容器内で水素爆発する危険性が非常に高い原発です。冷却機能が失われて水素が空気と反応すれば水素爆発し、格納容器が爆発すれば、ほぼ100%の放射性物質が外に出ます。福島第一原発事故では5%から10%の放射能が外に出たといわれていますが、その比ではありません。しかも、高圧高温なので、いったん炉心溶融が起これば配管が破れやすくなり、冷却機能喪失からメルトダウンまでの所要時間が沸騰水型に比べて圧倒的に短いことは、同じ加圧水型のスリーマイル島原発事故で証明されています。

 九州電力による玄海原発3号機の再稼働に対し強く抗議するとともに、即刻運転停止を要望します。

2018年3月23日
首都圏反原発連合– Metropolitan Coalition Against Nukes –
 
 
 
 
 
 
 
 

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