@Thoton氏訴訟のご報告と傍聴のご案内

Posted on by on 7月 15th, 2015 | @Thoton氏訴訟のご報告と傍聴のご案内 はコメントを受け付けていません

2013年12月、@Thoton氏(TwitterアカウントID)は、国会前で特定秘密保護法制定の抗議に参加する制服を着た女子高生を撮影してTwitterに写真をアップしました。「黒タイツが」などのコメントや、同じ写真を繰り返し何度もアップしていたため、未成年者に対するネット上のセクシャル・ハラスメントととらえた大勢のTwitterユーザーがこれを批判し、反原連メンバーからも批判を受けると、「反原連は公安からお金をもらって参加者の動画を提供している」「ミサオはリンチの首謀者」等と事実無根のデマをツイートしました。(その前より反原連についてのデマを何度もツイートしていました)これを名誉毀損だとして抗議しましたが交渉が決裂したため、2014年6月、首都圏反原発連合メンバーMisao Redwolf(ミサオ・レッドウルフ)が原告となって、東京地裁に訴訟を提起しました(担当:神原元弁護士)。

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【ご報告/2016年9月5日】

<進捗>
2016年1月27日に下された第一審の判決の一部を不服とし東京高等裁判所に控訴しましたが、7月14日の法廷の判決では双方の控訴棄却、すなわち第一審の判決と変わらずという結果になりました。これを不服とし、最高裁判所へ上告手続きをいたしました。裁判の日程につきましては、決定次第お知らせいたします。

<経緯>
●2014年5月14日に提起した本訴訟の内容については、このページの下部に掲載してあります。
●第一審判決文→2016_01_27判決文.pdf

第一審判決の要旨:
当方(原告:Misao Redwolf)の提起した本訴については、Thoton氏による名誉毀損が認められ、Thoton氏に22万円の賠償金の支払いと当該ツイート3件の削除が命じられました。他方、Thoton氏の反訴については、当方に5万5000円の賠償金の支払いと当該ツイート4件の削除が命じられました。全面勝訴ではありませんが、22万円と5万5000円という賠償金額からわかるように、当方の8割勝訴といえる判決でした。

●控訴状→2016_02_08_控訴状.pdf 
●控訴理由→2016_04_04_控訴理由.pdf

ツイート文:


【@Thoton氏訴訟のご報告】第二審判決は双方控訴棄却でした。これを不服とし最高裁に上告しました。参考<控訴理由書>→http://coalitionagainstnukes.jp/wp-content/uploads/2016/09/2016_04_04.pdf http://coalitionagainstnukes.jp/?p=6821

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【ご報告/2016年7月4日】

<進捗>
2016年1月27日に下された第一審の判決の一部を不服とし、2月16日に東京高等裁判所に控訴状を提出、6月2日の法廷で第二審は結審いたしました。次回はいよいよ判決になります。関心を持たれた皆様への傍聴をご案内いたします。

<経緯>
●2014年5月14日に提起した本訴訟の内容については、このページの下部に掲載してあります。

●第一審判決文→2016_01_27判決文.pdf
●控訴状→2016_02_08_控訴状.pdf
 
 
<傍聴のご案内>
日時:2016年7月14日(木)13:20
場所:東京高等裁判所 817号法廷
地図<傍聴のご案内>

見学・傍聴案内 傍聴の手引(裁判所)



ツイート文:→【@Thoton氏訴訟のご報告】第二審(控訴審)結審の日程が決まりました→7月14日(木)13:20@東京高等裁判所817号法廷 控訴状→http://coalitionagainstnukes.jp/wp-content/uploads/2016/02/2016_02_08_kouso.pdf pic.twitter.com/RKh3tRmGcp http://coalitionagainstnukes.jp/?p=6821

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【ご報告/2016年5月22日】

<進捗>
2016年1月27日に下された第一審の判決の一部を不服とし、2月16日に東京高等裁判所に控訴状を提出しました。第二審の結審の日程が決まりましたので、お知らせいたします。

<経緯>
●2014年5月14日に提起した本訴訟の内容については、このページの下部に掲載してあります。
●第一審判決文→2016_01_27判決文.pdf
●控訴状→2016_02_08_控訴状.pdf
 

<傍聴のご案内>
日時:2016年6月2日(木)10:00
場所:東京高等裁判所 817号法廷
地図<傍聴のご案内>

見学・傍聴案内 傍聴の手引(裁判所)



ツイート文:→【@Thoton氏訴訟のご報告】第二審(控訴審)結審の日程が決まりました→6月2日(木)10:00@東京高等裁判所817号法廷 控訴状→http://coalitionagainstnukes.jp/wp-content/uploads/2016/02/2016_02_08_kouso.pdf pic.twitter.com/RKh3tRmGcp http://coalitionagainstnukes.jp/?p=6821

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【ご報告/2016年3月20日】

<進捗>
2016年1月27日に下された第一審の判決の一部を不服とし、2月16日に東京高等裁判所に控訴状を提出しました。第二審の日程が決まりましたので、お知らせいたします。

<経緯>
●2014年5月14日に提起した本訴訟の内容については、このページの下部に掲載してあります。
●第一審判決文→2016_01_27判決文.pdf
●控訴状→2016_02_08_控訴状.pdf
 

<傍聴のご案内>
日時:2016年4月19日(火)13:30
変更されました→
2016年5月12日(木)10:00
場所:東京高等裁判所 817号法廷
地図

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ツイート文:→【@Thoton氏訴訟のご報告】第二審(控訴審)日程が決まりました→5月12日(木)10:00@東京高等裁判所817号法廷 控訴状→http://coalitionagainstnukes.jp/wp-content/uploads/2016/02/2016_02_08_kouso.pdf pic.twitter.com/RKh3tRmGcp http://coalitionagainstnukes.jp/?p=6821

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【ご報告/2016年2月16日】

2月8日に、東京地方裁判所での判決の一部を不服とし、また、昨今増えているインターネットでのトラブルに関する裁判での良い判例の道筋をつくるために、東京高等裁判所に控訴状を提出しました。

控 訴 の 趣 旨
1 原判決中第2項を次のとおり変更する。
 「被告は,原告に対し,別紙被告投稿記事目録記載の各記事を削除せよ。」
2 原判決第3項及び4項を取り消す。
3 被控訴人の請求を棄却する。
4 訴訟費用は、第1、2審とも、被控訴人の負担とする。

進捗につきましては、引き続きご報告させていただきます。

*控訴状をご覧いただけます(赤字クリックでダウンロードできます)。
2016_02_08_控訴状.pdf


ツイート文:→【@Thoton氏訴訟のご報告】地裁での判決の一部を不服とし、2月8日、控訴状を東京高等裁判所に提出しました。控訴状PDF→http://coalitionagainstnukes.jp/wp-content/uploads/2016/02/2016_02_08_kouso.pdf pic.twitter.com/QS2lIANL1J http://coalitionagainstnukes.jp/?p=6821

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【ご報告/2016年2月2日】

2016年1月27日、被告、被告代理人ともに欠席の中、東京地裁から判決が言い渡されました。

当方(原告:Misao Redwolf)の提起した本訴については、Thoton氏による名誉毀損が認められ、Thoton氏に22万円の賠償金の支払いと当該ツイート3件の削除が命じられました。他方、Thoton氏の反訴については、当方に5万5000円の賠償金の支払いと当該ツイート4件の削除が命じられました。
全面勝訴ではありませんが、22万円と5万5000円という賠償金額からわかるように、当方の8割勝訴といえる判決でした。

しかし、判決の内容に納得のいかない箇所があり、また、昨今増えているインターネットでのトラブルに関する裁判での良い判例の道筋をつくるために、続けて控訴の手続きを進めたいと思います。

進捗につきましては、引き続きご報告させていただきます。

*判決文をご覧いただけます(赤字クリックでダウンロードできます)。
2016_01_27判決文.pdf

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速報【ご報告/2016年1月27日】

東京地裁は、Thoton氏が反原連についてデマを流したことを認定し、名誉毀損として、Thoton氏に22万円の賠償を命じました。他方、Thoton氏の反訴に対して55000円の賠償が認められました。

*詳細に関しては後日報告いたします。

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【ご報告/2015年10月15日】
 
10月14日の法廷で(被告は欠席)、本訴訟は結審いたしました。次回はいよいよ判決になります。2014年5月14日に提起した本訴訟の内容については、このページの下部に掲載してあります。関心を持たれた皆様への傍聴をご案内いたします。

<傍聴のご案内>
日時:2016年1月27日(水)13:10
場所:東京地方裁判所 615号法廷 
地図
内容:判決
見学・傍聴案内 傍聴の手引(裁判所)
 


ツイート文:→【@Thoton氏訴訟のご報告と傍聴のご案内】10月14日の法廷で(被告は欠席)、本訴訟は結審いたしました。次回は判決になります。<傍聴のご案内>日時:1月27日(水)13:10 場所:東京地方裁判所 615号法廷 http://coalitionagainstnukes.jp/?p=6821

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【ご報告/2015年8月26日】
 
8月26日は結審の予定でしたが、昨夜、@Thoton氏から新たに書面が提出されたことと、本日、@Thoton氏本人が欠席したために、結審はできませんでした。本日は、Misao Redwolf本人が、5分間の陳情を行いました。次回の予定は下記になります。
 
<傍聴のご案内>
日時:2015年10月14日(水)10:00
場所:東京地方裁判所 705号法廷 615号法廷(*2015年9月27日修正) 地図
内容:結審
見学・傍聴案内 傍聴の手引(裁判所)
 


ツイート文:→【@Thoton氏訴訟のご報告と傍聴のご案内】8月26日に結審の予定でしたが、前夜に先方が書面を提出、また、本人欠席の為、結審は次回に延期になりました。次回→日時:10月14日(水)10:00 場所:東京地方裁判所 615号法廷 http://coalitionagainstnukes.jp/?p=6821
 
 
●2014年8月26日のMisao Redwolfの陳情を掲載します。
 
 1年にわたる本訴訟については、裁判官の皆様には大変お世話になっております。また、本日は発言の時間をくださり、ありがとうございます。
   
  私は2006年から脱原発の市民運動に取り組んでおり、2011年の福島原発事故以降は、それまでにもまして更に力を入れて取り組んでまいりま した。とりわけ、2011年秋に自分が呼びかけて立ち上げた「首都圏反原発連合」が主催する、毎週金曜の首相官邸前抗議においては、2012年6月から参加者人数が急増しマスコミも多く取り上げ、当時「社会現象」と呼ばれるほど注目され、また、野田首相と官邸内で面会を果たすまでとなり、 それまでよりも多くの人々が、首都圏反原発連合のことを、それに伴い「中心的メンバー」として私の顔と名前を知ることになりました。また私は、首都圏反原発連合のスポークスマンとして、マスコミからも多くの取材を受けてまいりました。
 
  2006年に市民運動に参加した頃から、一環として信頼関係を重視して活動してまいりましたが、首都圏反原発連合に対する多くの人々からの期待を受け、更に活動に関する様々なことに気を配り、抗議に参加する多くの人々との信頼関係を大事にしながら、本日まで活動を続けております。抗議やデモの場においては、お子様連れや高齢者や車椅子のかたも安心して参加できるよう、怪我やトラブルがないよう、常時ボランティアの弁護士さんや医療従事者にも来ていただき、私をはじめスタッフ全員で細心の注意を払いながら運営していることは、「安心して参加できるデモ」と、新聞やテレビなどマスコミなどに多く取り上げられていることからも、社会的に一定の評価をいただいていることは周知の事実です。
 
  @Thoton氏(陳述書は被告の実名になっていますが、ここでは@Thoton氏と表記します)の私に対するツイッター上での発言、「反原連は公安警察からカネをもらって、デモ参加者の動画を提供していたのですね」「あなた方は憲法違反の公安警察の活動に抗議しないばかりか、参加者の動画データを彼らに提供してますよね?」、「あの集団リンチも彼女が命じたのかもしれませんね。」などは事実無根であり、先に申し上げたように、積み重ねている参加者との信頼関係や、社会的信用を害するものであり、繰り返し同様の発言を私に向けて行うことにより、私の社会的印象を貶めようとする意図さえ感じます。
 
  自分は、脱原発の運動、首都圏反原発連合の活動に多くの時間を費やしており、まさに身を捧げていると言っても過言ではありません。それは、原発をなくし、子供達に健全な環境を残すために、多くの脱原発を望む人々が集まれる抗議の場を維持する必要性、責任があると考えているからです。勿論、@Thoton氏の発言のようなことは一切ないばかりか、公平公正に取り組んでおり、後ろめたいことなど一切ございません。
 
  本訴訟で訴えている一連の発言をはじめ、他にも多くなされてきた@Thoton氏の私に対するデマ、誹謗中傷は、私の社会的信用を損なうものであり、名誉毀損に他ならないことを、強く訴えたいと思います。また、今回の被害者が自分ではなく、もしも他の人が受けていた場合、その人の性格や状況によれば、場合によっては自殺にまで追い込むことも可能な類の発言であったとも実感しています。
 
   私だけではなく、ネット上でのこのようなデマや誹謗中傷に苦しむ人々が多くいることからも、本訴訟の判決がそれらの人々の救いの導きになることを望みます。人の心を傷つけ、社会的信用を失墜させるこのような行為に、また、場合によっては、人ひとりを自殺に追いやることもできうるこのような言葉の暴力を、社会から排除しなければいけません。

 裁判所におかれては、何卒、公正な判決を下されるよう、お願いいたします。
 
 
 
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【@Thoton氏訴訟のご報告と傍聴のご案内/2015年8月26日】
 
 2013年12月、@Thoton氏(Twitterハンドルネーム)は、国会前で秘密保護法制定に抗議に参加する女子高生を撮影してネットにアップ、反原連メンバーから批判を受けると、「反原連は公安からお金をもらって参加者の動画を提供している」等とツイートしました。これは名誉毀損だとして抗議しましたが、交渉は決裂。

 2014年6月、首都圏反原発連合メンバーMisao Redwolf(ミサオ・レッドウルフ)が原告となって、東京地裁に訴訟を提起しました(担当:神原元弁護士)。同年12月、@Thoton氏は、反原連の批判が名誉毀損だとして反訴を提起。

 本裁判は、本年8月26日に結審の予定です。

 本件については情報非公開で進めてまいりましたが、結審を前に公開することといたしました。

<傍聴のご案内>
日時:2015年8月26日(水)10:15
場所:東京地方裁判所 705号法廷 地図
内容:結審
見学・傍聴案内 傍聴の手引(裁判所)
 


ツイート文:→【@Thoton氏訴訟のご報告と傍聴のご案内】昨年6月、首都圏反原発連合メンバーが原告となり東京地裁に訴訟を提起しました。情報公開と共に、結審の傍聴をご案内します。日時:8月26日(水)10:15 場所:東京地方裁判所 705号法廷 http://coalitionagainstnukes.jp/?p=6821
 
 
●2014年5月14日に提起した訴状より抜粋して、本訴訟の内容をお知らせします。
 
1 当事者
 
 原告は首都圏反原発連合(Metropolitan Coalition Against Nukes、以下「反原連」という)の中心的メンバーである。
 反原連は、脱原発を目的として首都圏でデモなどを主催しているグループや個人が集まり、2011年9月に立ち上がったネットワークである。2012年3月11日には、「3.11東京大行進 – 追悼と脱原発への誓いを新たに」を主催し、大規模なデモ行い、さらに、国会議事堂を追悼と抗議のキャンドルで包囲するアクションを主催の「3.11再稼働反対!全国アクション」と協力し行いました。約14,000名の人々の参加を得た。さらに、2012年4月からは大飯原発再稼動問題に対して首相官邸前抗議行動を呼びかけ、ほぼ毎週1000名以上の参加者で抗議行動をしている。
 原告は、「ミサオ・レッドウルフ」の活動名で知られ(なお、芸名やペンネームであっても、対象者が特定できれば当然名誉毀損は成立しうる。東京高裁平成13年7月5日判例時報1760号93頁など)、反原連の中心的メンバーとしてマスコミに取り上げられており、反原連のメンバーであることが社会的に知られている。とりわけ、原告は、平成24年9月3日、反原連の中心メンバーとして当時の野田首相に面会し、原発再稼働反対を訴えたことはあまりに有名であり、現在でもインターネットで、面談の様子を見ることができる。なお、原告は、「@MisaoRedwolf 」なるツイッター・アカウントを管理しており、発言を行っている。
 被告は、「@Thoton」なるツイッター・アカウントを有する者であり、脱原発運動に対するコメント等をツイッターに定期的に書き込み、7,000人あまりのフォロアーを有する者である。被告は、かねてから反原連が主催する官邸前抗議行動に批判的なスタンスに立ち、とりわけ2012年8月頃よりくり返し反原連を非難するツイート(ツイッターによる、ネット上の書き込み)を掲載していた。
 
2 本件不法行為
 
(1) 被告は、2013年12月7日から同月11日にかけて、別紙記載目録①記載のとおり、「デモ主催者の反原連が(公安調査庁にデモ参加者に関する)情報を提供しているのでしょう」、「反原連は公安警察からカネをもらって、デモ参加者の動画を提供していたのですね」「早くゲロしろよ。公安警察の手先なんだろ。参加者の動画データをいくらで売ったの?そのカネで酒飲んで旨かった?」等と、あたかも反原連のメンバーらがデモ参加者の写真等を公安警察に情報を提供し、見返りとして金銭を受領していたかのごとき、事実に反する一連のツイートを行った。
 この際、被告は、「 @MisaoRedwolf 初日も次の日もどんだけJKの写真あげてんだよ。」という原告のツイートを引用して、「あなた方は憲法違反の公安警察の活動に抗議しないばかりか、参加者の動画データを彼らに提供してますよね?」と述べているだけでなく、(別紙記載目録①、記載④)、「ミサオ率いる反原連」(上記目録記載⑰)という表現を引用して、「その目的は「反原連が抗議参加者の動画データを公安警察に提供した」という疑いをごまかすためです」等と記載しているから、被告のいう「あなた方」「反原連」あるいは「反原連のメンバー」には原告が含まれており、被告の上記一連のツイートは、一般の読者の普通の注意と読み方を基準にすれば、原告を含む複数の人物がデモ参加者の写真等を公安警察に情報を提供し、見返りとして金銭を受領していたとの事実を摘示するものというほかない。
 また、前記のとおり、原告が「反原連」の中心的なメンバーであることは社会的に周知されているから、「反原連は公安警察からカネをもらって、デモ参加者の動画を提供していたのですね」という発言は、原告を含む「反原連」がそのような行為を行ったとの事実摘示であり、公安警察からカネをもらってデモ参加者の動画を提供したメンバーには当然原告が含まれるから、原告の社会的評価そのものを低下させる発言であることは明らかである。
 そうすると、別紙記載目録①記載の一連の記載は、原告の「品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価」(最高裁昭和61年6月11日判例時報1194号3頁)を著しく低下させ、原告に対する名誉毀損であり、民法上、不法行為を構成する(不法行為①)。
 
(2) また、被告は、同年12月11日1時25分、原告を指して、別紙記載目録②記載のとおり、「 @yura47gmailcom ミサオ…自分に意に沿わない人物を子分たちに「非国民」と攻撃させてた」という記載を引用して、「そんな人なのですか。じゃあ、あの集団リンチも彼女が命じたのかもしれませんね。怖くなりました。やはり、皆さん、関わらないほうが正解かも。」と、あたかも原告が暴力事件を引き起こしたかのような、事実に反する記載を行った。
 なお、ここにいう、「ミサオ」も、「反原連というミサオを中心とした団体」(同日0時31分、甲14号証13頁)等、直近の被告の引用する発言を見れば、原告を指していることが明らかである。
 別紙記載目録②記載のツイートは、原告の社会的評価を著しく低下させ、原告に対する名誉毀損であり、民法上、不法行為を構成する(不法行為②)。
 
(3) 以上のとおり、別紙記載目録記載①②の一連の発言は、原告の名誉を毀損するものであるから、被告は、原告に対し、不法行為に基づく損害賠償責任を負う。
 
3 本件に至る経緯と、被告の言動に公益性がないこと
 
(1) 被告は2012年8月頃から反原連に対する批判的なツイートを行ってきたが、本件一連のツイートを行ったのは、直接には、以下の経緯からであった。
 
(2) 2013年12月5日と同6日の両日、国会周辺で秘密保護法に反対する抗議デモ等が行われた。その際、参加者に女子高生がいたため、被告は、「国会議事堂前にケータイを持ったJK(女子高生)が!」(5日15時2分)、「国会前に押しかけて騒いでいるJK」(同23時18分)、「この2人のJKは黒タイツでした」(同32分)、「(国会議事堂前に来たのに黒タイツJKいねーぞの書き込みに対し)せっかく来たのに、これじゃお気の毒ですね。明日は今日より沢山来ますよ」(同36分)、「デモ隊の先頭で『絶対廃案』を叫ぶJK」(6日17時18分)、「拡声器で絶叫、JK軍団、国会前で『廃案』叫ぶ」(同18時11分、同29分)等としたキャプションをつけて、女子高生の写真をネットに多数掲載した。
 これに対して、ネット上では「秘密保護法に居ても立ってもいられなくて抗議にきた女子高生の写真を嬉々としてUPしてるおっさんの無神経なことよ」とする批判があり、原告も「初日だけでなく次の日も、どんだけ特定のJKの写真あげてんだよ。お前の本性丸出し」、「というかね、たいやきのJK問題に関しては、黒タイツ云々的な会話からしてわかるでしょうよ」とする批判を行った。
 被告のネットへの書き込みはデモに参加する高校生の肖像権やプライバシーを侵害するものであったし、「黒タイツ」云々は不真面目で卑猥な言動であったから、原告がこれを批判するのは当然であった。
 
(3) これに対し、原告の言動に腹を立てた被告が、これに対する反撃として行ったのが、本件一連のツイートである。
 そのことは、被告が、「初日も次の日もどんだけJKの写真をあげてんだよ。お前の本性丸出し。変態野郎!」という原告のツイートを引用し、これに対する反論として、「あなた方は憲法違反の公安警察の活動に抗議しないばかりか、参加者の動画データを彼らに提供してますよね?」(記載目録①、記載④)と発言していることや、「私を「変態」と公然と侮辱するなど、私に対する誹謗中傷を繰り返し、名誉を毀損しているのは、この方 → @MisaoRedwolf とその仲間のほうです。騙されないように。 他の方とも多くのトラブルを抱えているトラブルメーカーです。この人を信用しないで下さい。」、「ミサオ氏がカウンターMMさんのツイート内容に反論するのではなく、リツイートした私に対して『変態野郎』『特定の女性を狙ってずっと撮影していた』等と誹謗した、あるいはデマを流したことがヒートアップしたきっかけだったと思っています。」(同23時48分、甲14号証1頁)と発言していること、さらに、「反原連Misaoed Rwolfが誹謗、Thotonが見限る」とするサイトを引用して、「第三者の見方はこう」(同23時37分、同号証同頁)等と発言してることからも明らかである。
 
(4) このように、被告は、自分が女子高生の写真をネットにあげたことを原告に批判され、これに対する反撃として、本件一連のツイートを行ったのである。その発言には公益を図る目的はあり得ず、いかなる抗弁も成立しない。
 
4 原告の言動が名誉毀損であるとの主張も成り立たないこと
 
(1) なお、被告は、原告の「変態野郎」、「特定の女性を狙ってずっと撮影している」、「抗議にくる女子高生や特定の女性を見る目がおかしい」との発言が名誉毀損だと主張する可能性があるので、予め反論しておく。
 
(2) まず、これらの発言は、被告を名指ししたものではなく、「デモの現場で女子高生の写真を撮影している男性」を批判するものであるから、一般の読者の普通の注意と読み方を基準にすれば、被告の行為を批判するものではなく、被告の社会的評価を低下させるものではない。
 もっとも、「抗議にくる女子高生や特定の女性を見る目がおかしい」との発言だけは、「ソトンの、」とされており、これは「@Thoton」なるツイッター・アカウントを有する者を指したものであるとの推察も可能である。しかし、この場合でも、「ソトン」は、被告の保有するツイッター・アカウントに過ぎず、一般読者は、これを現実の被告と結びつけて考えることはできないのであるから、これも、被告の社会的評価を低下させるものではない。
 
(3) また、仮に何らかの理由で、これらの発言が被告に向けられたものと推知されたとしても、被告のネットへの書き込みはデモに参加する高校生の肖像権やプライバシーを侵害するものであったし、「黒タイツ」云々は不真面目で卑猥な言動であったから、原告がこれを批判するのは当然であり、「公共の利害に関する事実に係りもつぱら公益を図る目的に出た場合には、摘示された事実が真実であることが証明されたときは、右行為には違法性がなく、不法行為は成立しない」とする法理(最高裁昭和41年6月23日民集20巻5号1118頁)又は、「他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。」(民法720条1項)とする正当防衛の法理により、違法性を欠く。
 
(4) よって、原告の言動が名誉毀損であるとの被告の主張も成り立たない。
 
5 交渉経緯
 
(1) 原告は、2014年1月14日付けで、被告に対し、前記一連の発言を取り消すよう、書面にて求めた。書面は1月16日、被告に到達した。
 
(2) 被告は、1月16日、原告代理人との会話の中で、「私も悪かったが、反原連も私に対して酷い暴言を吐いている」等と述べたため、原告は、1月30日、さらに書面で、反原連がなした暴言とは何か、明らかにするよう求めた。その書面は、2月2日、被告に到達した。
 
(3) その後、被告から、何の連絡もなく、原告はやむなく本訴を提起することとした。
 
6 原告の損害
 
 原告は、首都圏反原発連合の中心メンバーであり、脱原発運動の中心として社会的評価と信用を得、官邸前等の毎週金曜日に1000人を超える人々を集めて政府の原発政策に抗議を行っているところ、被告は、原告を含む反原発連合のメンバーがお金をもらって公安警察に参加者の情報を渡したとか、原告が暴力を指導した等と虚偽の情報を流して原告の社会的評価を低下させたものである。そして、被告は「被告のツイッターのフォロアー(読者)が7000人を超えるものであり、その被告が、原告と原告が中心となっている運動の評価と信用を貶める発言をしたことから、運動に対する影響も大きいと考えられ、原告の精神的苦痛は極めて大きい。
 
 
 
 
 
 
 
 

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