首都圏反原発連合:ステートメント【3.11東京電力福島第一原発事故から13年・記憶を風化させないために】

Posted on by on 3月 3rd, 2024 | 首都圏反原発連合:ステートメント【3.11東京電力福島第一原発事故から13年・記憶を風化させないために】 はコメントを受け付けていません

首都圏反原発連合:ステートメント【3.11東京電力福島第一原発事故から13年・記憶を風化させないために】
 
 2011年の東日本大震災により引き起こされた、東京電力・福島第一原子力発電所の過酷事故から、13年が経ちました。震災でお亡くなりになった皆さまに哀悼の意を捧げると同時に、放射能汚染被害により住まいや故郷を奪われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
 
 原発事故から13年になろうとしている今年は、能登半島地震で幕を開けました。被災地の志賀原発はダメージを受けましたが、まるで福島での事故を忘れたかのように、状況の報道は十分ではありませんでした。発災時には報じられなかった志賀原発の被害は、使用済み核燃料の冷却が一時停止したこと、変圧器からの油漏れ、モニタリングポストの欠測、非常用発電機の停止などでした。
 
 加えて、地震により陸路が寸断され、誰がどう見ても原発事故時の住民の避難は不可能であることが可視化されたにも関わらず、原子力規制委員会は2月に「自然災害への対応は範疇外」とし、道路寸断や家屋倒壊の中での避難対策は自治体に丸投げする、という方針で検討を進めています。また、来たる9月には女川原発が、東日本大震災の被災地で初めての再稼働を予定しています。
 
 福島第一原発事故から12年が過ぎた昨年、何があったか振り返ってみます。国内では5月に『GX脱炭素電源法』が成立、原発政策を大改悪してしまいました。12月にはCOP28(国連気候変動枠組条約28回締約国会議)でパリ協定の目標の達成に向け、世界の原子力発電設備容量を3倍に増加させるという宣言文書に、日本含む22か国が署名しました。『GX脱炭素電源法』はこれに向け成立されたと言えるでしょう。
 
 このように、日本も、日本が従属する欧米社会も、福島第一原発事故を忘れたかのように、原発を推進する流れになってきています。一時期、事故に鑑みて脱原発の流れにもなりましたが、脱炭素政策において「原発はクリーンエネルギー」としたことにより、推進派がここぞとばかりに原発を推進していますが、原発はクリーンエネルギーではありません。また、原発事故は未だ収束しておらず、「福島復興のため」というまやかしを理由としたトリチウム汚染水海洋廃棄を開始し、環境を汚染し続けています。
 
 現在、自民党の裏金問題が話題になっていますが、これは脱税の問題も内包してるのと同時に、企業献金などによる「金権政治」という問題も含まれています。実際、原発を推進する自民党は原発関連企業から、第二次安倍政権の2013年以降、10年間で70億円もの献金を受けていることが国会で明らかにされました。どうりで脱原発の世論が高まっても政府は原発を推進するわけです。
 
 私たちは次世代に、福島第一原発事故が何を引き起こしたのか、繊細に語り継がねばなりません。ある著名な政治家は、「戦争を知らないやつが日本の中核になったとき、怖いなあ」「経験者が戦争の悲惨さを教えてやれ」と言いました。原発事故も同様で、風化させずに語り継ぎ、過ちを認めることによって、間違いを正すことができるのではないでしょうか?
 
 地震大国日本にも、世界のどこにも原発はいりません。地震のたびに国民が原発事故の心配をしないといけない状況であることは、国家運営として間違っています。核と人間は共存できません。未来に安全な環境を手渡すために、原発は禁止にするべきです。そのためにも福島第一原発事故を風化させてはいけません。原発も核燃料サイクルもNO! 以前と変わらず訴えていきましょう。
 
2024年3月4日 
首都圏反原発連合 - Metropolitan Coalition Against Nukes –
 
参考:

首都圏反原発連合:ステートメント【『GX脱炭素電源法』成立への抗議声明 】


 

首都圏反原発連合:ステートメント【COP28『2050年までに原発容量3倍』宣言に対する抗議声明】


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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