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首都圏反原発連合:ステートメント 【福島第一原発のトリチウム汚染水の処分方法について】
Posted on by 反原連 on 10月 31st, 2020 | 首都圏反原発連合:ステートメント 【福島第一原発のトリチウム汚染水の処分方法について】 はコメントを受け付けていません
首都圏反原発連合:ステートメント【福島第一原発のトリチウム汚染水の処分方法について】
福島第一原発の廃炉作業で発生し敷地内タンクに保管されている、放射性物質トリチウム(三重水素)を含むALPS処理水の処分方法について、これまで経産省と安倍前内閣は海洋放出が一番安いという試算から、これを念頭に議論を進めてきました。しかし、菅内閣は10月27日に予定していた処分方法の決定を断念し、来月以降に延期すると報道されました。延期の理由は、政府に書面で寄せられた約4000件の意見のうち、安全性や合意プロセスへの懸念が圧倒的多数であったためと伝えられています。
寄せられた意見にあるように、トリチウムが及ぼす環境や人体への影響についての懸念はぬぐえません。タンクに保管されているトリチウムの量は、福島第一原発稼働時に海に流していた一年間の量の400年分に相当することもあり、誰でもわかるように科学的に安全性が立証される必要があります。合意プロセスについても、小委員会では海洋放出ありきで議論が進められてきたようにみえます。また、もっとも大事なことですが、魚連をはじめとした地元でも圧倒的に反対が強いことからも、海洋放出は許されません。
経産省と安倍前内閣が、海洋放出による「風評被害」しか扱ってこなかったことにより、問題が矮小化されてきましたが、多くの国民はトリチウムが安全だという東電や政府のプロパガンダを信用していません。また、タンクの設置場所が切迫していることを理由に海洋放出を急いでいますが、敷地北部の中間貯蔵用の土地など、周囲には活用できる可能性のある場所はあります。オリンピックに向け、原発事故は収束していると演出してきた安倍内閣ですので、タンクをこれ以上増やしたくないとも考えたのでしょう。
低リスクの処分方法として、これまで有識者や市民団体が、トリチウムの半減期以上の期間のタンク保管の継続や、モルタル固化などを提案してきましたが、これらの提案は見過ごされてきました。先日、海洋放出について韓国から警告があったように、これは日本国内だけの問題ではありません。政府はトリチウムによる健康被害の実例など専門家の見識をきちんと聞き、海洋放出を見直し、タンク保管の継続、またはモルタル固化方式に切り替えるべきです。私たちは引き続き、「トリチウム汚染水を海に流すな!」と訴えていきます。
2020年10月31日
首都圏反原発連合 – Metropolitan Coalition Against Nukes –