首都圏反原発連合:ステートメント 【菅政権のエネルギー政策と世耕弘成参院幹事長の発言について】

Posted on by on 10月 31st, 2020 | 首都圏反原発連合:ステートメント 【菅政権のエネルギー政策と世耕弘成参院幹事長の発言について】 はコメントを受け付けていません

首都圏反原発連合:ステートメント【菅政権のエネルギー政策と世耕弘成参院幹事長の発言について】
 
 10月26日の衆議院本会議での所信表明演説で、菅義偉首相は「省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立します」と言及しました。再エネの推進は歓迎しますが、原発については容認できません。再エネに関して、28日の国会で梶山経産相が野党の質問に対し「発送電の問題については、再エネ事業者が適切に利用できるように制度を改定する」と答えました。安倍政権では発送電の問題など、再エネ普及を妨げる動きがありましたが、自民党内の再生可能エネルギー普及拡大議員連盟が推進を押し上げているものと推測します。
  
 菅首相が所信表明で、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げたことを受け、自民党の世耕弘成参院幹事長(元経産相)は27日の記者会見で、「CO2(二酸化炭素)を出さずに大量のエネルギー供給ができる電源は原子力」「まだ政府の方針にはなっていないが、もっと新しい技術を取り入れた原発の新設といったことも検討を進めていくことが重要だ」と、記者会見で言及しました。これは脱炭素を原発推進に利用する古典的な手法であり、悪質な見解であることは言うまでもありません。福島第一原発事故も収束できない国家が、寝ぼけたことを実現しようとは呆れ果てます。
 
 世耕氏は、関西電力の賄賂事件に関係しているとも言われ、なおかつ、安倍前首相の側近といわれています。安倍政権は、2014年には、民主党政権が脱原発を採用し策定したエネルギー基本計画を「原発は重要なベースロード電源」と改悪し、日本社会を原発推進に引き戻しました。圧倒的な脱原発の国民世論や世界的潮流に反し、安倍前首相の寵愛を受けた今井尚哉前総理秘書官が、原発推進や海外への原発輸出などを目論み、エネルギー政策を私物化してきたのです。関係性において、世耕氏は安倍・今井路線を継承したいのでしょうが、今井氏でさえ政権支持率を気にして遠慮した新設をアピールするとは、寝言は寝て言えと言い放ちたいところです。
 
 来年7月に策定される予定の第6次エネルギー基本計画に向け、経産省で議論が始まっていますが、菅首相の所信表明で原発を止めないことを宣言した以上、原発を維持する計画になる可能性は高いと思われます。原発を手放したくない理由として、自民党内に核武装を希求する議員たちがいることも考えられますが、終戦から75年、日本に原発が導入されてから半世紀以上、社会と時代の価値観は変容しています。菅政権は、21世紀の社会的価値観のパラダイムシフトに原発は不要であることを認識し、「当たり前ではない」エネルギー政策を「改革」し、1日も早く脱原発を決定するべきです。私たちはそれを希求し、声を上げ続けます。
 
2020年10月31日 
首都圏反原発連合 – Metropolitan Coalition Against Nukes –
 
 
 
 
 
 
 

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