首都圏反原発連合:ステートメント【自公新政権・菅内閣発足に寄せて】

Posted on by on 9月 25th, 2020 | 首都圏反原発連合:ステートメント【自公新政権・菅内閣発足に寄せて】 はコメントを受け付けていません

首都圏反原発連合:ステートメント【自公新政権・菅内閣発足に寄せて】
 
 2020年9月16日、第2次安倍内閣が総辞職しました。7年8ヶ月もの長きにわたり政権を私物化し、民主主義、立憲主義を無視し、社会的知性を劣化させ続けてきた安倍総理のあっけない最後でした。同日、官房長官として安倍政権を支え続けてきた菅義偉新総理による、菅内閣が発足しました。
 
 「安倍政権を継承する」と自民党総裁選で宣言した菅総理ですが、一方で、政権の私物化など安倍内閣の体質とは異なるスローガンを掲げています。「既得権益」と「前例主義」を悪しきものとし「当たり前ではないことを変革する」、「国民のために働く内閣」と掲げ、政権運営をスタートさせました。
 
 新内閣の官邸人事において、私たちが最も心配していた原発推進の本丸・今井尚哉(たかや)前総理秘書官は退任となり、内閣官房参与に就任しました。官邸に残るとはいえ、安倍政権下で総理の寵愛・庇護のもと、今井氏が政策を私物化してきた状況は改善されるのではないでしょうか。
 
 身内に原発ムラの重鎮を持つ経産省出身の今井氏による原発推進政策は、既得権益と前例主義の権化です。また、福島原発事故を経て国民世論は脱原発に転じたにも関わらず、それを無視した「当たり前ではない」政策でした。地方に押し付けられた危険な原発は、一刻も早くやめるのが当たり前なのです。
 
 「改革」を掲げる菅政権は、安倍政権下で劣化したエネルギー政策を抜本的に見直すべきです。「超党派議員連盟・原発ゼロの会」の発起人のひとりである河野太郎氏が、新政権の中核である行政改革担当相に就任しました。河野大臣は行政だけではなく、エネルギー政策に関する業界の改革を断行すべきです。
 
 安倍政権は終わったが「安倍政治」は続くという警戒感がある中、菅内閣の独自性をだせるかどうか、政権は岐路に立っています。また、野党も大きく再編し次期総選挙に政界がざわめく中、私たちは新政権に脱原発を実行するポテンシャルと力があるかどうかを観察し、今後の行動を検討したいと思います。
  
 今日現在、菅内閣のエネルギー政策の方針は発表されていません。今後の動向を注視し原発推進を維持する構えであれば、徹底的に抗議を続けます。原発事故から10年の節目のいま、既得権益と前例主義を排し当たり前を実現してゆく「国民のために働く政府」による、脱原発の英断を希求します。
  
2020年9月27日 
首都圏反原発連合 – Metropolitan Coalition Against Nukes –
 
 
 
 
 
 
 

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