首都圏反原発連合:ステートメント 【安倍晋三氏の総理大臣辞任に際して】

Posted on by on 8月 31st, 2020 | 首都圏反原発連合:ステートメント 【安倍晋三氏の総理大臣辞任に際して】 はコメントを受け付けていません

首都圏反原発連合:ステートメント【安倍晋三氏の総理大臣辞任に際して】
 
 2020年8月28日、日本のみならず世界中がコロナ災害に見舞われる中、安倍晋三氏が総理大臣を辞任すると発表しました。2012年末に総選挙で民主党が大敗し、第2次安倍政権が発足してから約7年半続いた国難から、ようやく1歩脱却できたといえます。
 
 安倍内閣が最初に犯した大罪は、民主党政権下で打ち出した段階的原発ゼロ政策を撤回したことです。2014年4月、エネルギー基本計画において「原発は重要なベースロード電源」とし、圧倒的脱原発世論を無視し、原発を維持・推進することを閣議決定しました。
 
 私たちはその様を見て、この政権が独裁政権たる可能性を示唆し、原発をなくすためには安倍政権が大きな障壁であることを理解しました。そこで、すぐに、ほかの様々なイシューで活動するグループや団体に声をかけ「安倍政権NO!★実行委員会」を組織し事務局を担い、デモや集会などで訴えてまいりました。
 
 安倍政権の悪政はエネルギー政策に留まらず、様々な問題を起こしました。森友・加計問題や桜を見る会問題、黒川問題など、法律に触れるレベルの疑惑も追求され続けてきましたが、それでも政権は倒れませんでした。しかし、コロナ災害において、政権の実力が問われ、支持率の低迷が続いたという経緯の中での、辞任表明になりました。
 
 この政権の問題は、政治運営にありました。お友達や既得権益者を常に優遇する政策に、多くの有権者は取り残され、社会的、経済的格差が生じました。民主主義を無視しながらもマスコミを取り込み、うまく国民を騙し政権を維持してきましたが、コロナ災害についてはごまかすことができなかったということなのではないでしょうか。
 
 原発問題においては、政権発足時から安倍氏に影のように寄り添い「影の総理」と言われる、今井尚哉・内閣総理大臣秘書官兼内閣総理大臣補佐官の存在なくして語ることはできません。親族に原発ムラ関係者を持つ経産省出身の今井氏により、政権において原発が推進されてきました。この今井氏は、2012年の大飯原発再稼働の折にも、暗躍したと言われています。
 
 この7年半の間に、私たちは大変なエネルギーを費やしてきました。志半ばでお亡くなりになった方々も多くおられます。その方々と共にこのひとときの安堵の時間を送れないのは残念ではありますが、ようやく原発をなくすための、民主主義にとっての大きな障壁が崩れたことは、喜ばしいことです。
 
 しかし、すっきりと気持ちが晴れることはなく、原発、エネルギー政策を改善するためには何をすべきか、コロナ災害下で行動の制限がある中で自分たちに何ができるのか、引き続き考え、実行していきたいと思います。福島第一原発事故から10年目に、この失われた7年半をこれからどう取り戻してゆくのか、新内閣発足、野党再編の混沌とした中で、また新しい戦いが始まります。
 
2020年8月31日 
首都圏反原発連合 – Metropolitan Coalition Against Nukes –
 
 
 
 
 
 
 

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