首都圏反原発連合:ステートメント【福島第一原発事故から9年・金曜官邸前抗議開始から8年】

Posted on by on 2月 14th, 2020 | 首都圏反原発連合:ステートメント【福島第一原発事故から9年・金曜官邸前抗議開始から8年】 はコメントを受け付けていません

首都圏反原発連合:ステートメント【福島第一原発事故から9年・金曜官邸前抗議開始から8年】
 
 東日本大震災の被災者、福島第一原発事故の被害者の皆さまに心よりのお見舞いを申し上げ、亡くなった方々に哀悼の誠を捧げます。
 
 2019年3月11日に発生した東日本大震災により引き起こされた、福島第一原発の事故から9年もの月日が経ちました。しかし、目の前にある現実は原発事故から一切学ばない安倍政権の愚策で、いま現在も原発は稼働しています。事故を収束することもできず、放射能汚染のために家に戻れない多くの人々が、いまだに避難生活を強いられています。国民はこの惨事から原発はいらないと気づいたにも関わらず、現政権は圧倒的な脱原発世論を無視し、愚かなエネルギー政策を推し進めているのです。
 
 しかしこの間、世論を反映し原発の再稼働の地元同意が難しくなり、原発メーカーの不況や原発輸出の頓挫など、原発産業は経済的にも立ち行かないことが可視化されてきました。加えて昨年には、関西電力の賄賂事件が明るみになり、原発が維持されている悪しき裏側の仕組みが広く認知されました。ほとんどの国民には続ける理由は一切無く、一部の既得権益者のために維持、優遇されているだけの、危険で効率の悪い原発産業は一刻も早く終焉を迎えるべきです。原爆を投下された世界唯一の被爆国である日本こそ、世界的に脱原発をリードしてゆくべきです。
 
 今年の3.11は、新型コロナウイルスの感染拡大の記憶と共に思い出されることでしょう。クルーズ船対策の初動から、政府の後手後手で的を得ない対応を見るにつけ、原発事故の時に安倍政権ではなくて本当によかったと、多くの人々が思い至っています。東京五輪誘致のために「原発事故はアンダーコントロール」と嘘をつき、事故や放射能汚染を隠蔽しているかのように見える安倍政権に、感染拡大から国民の健康を守る能力があるとは思えません。事故を起こせば健康を害する可能性のある原発を推進し続けていることが、それを強く物語っています。
 
 私たち首都圏反原発連合(反原連)が毎週金曜に首相官邸前・国会正門前で開催している『再稼働反対!首相官邸前抗議』(金曜官邸前抗議)は、2020年3月末に開始から丸8年になります。2012年初夏には抗議参加者は20万人に達し、同年8月に、反原連のメンバーが当時の野田首相と官邸内で面談、その後民主党政権が「2030年原発ゼロ」を決定するなど、この抗議は圧倒的脱原発世論を可視化しました。時間の経過とともに参加者は減っていますが、未だに様々な人々が脱原発を訴える、無党派市民の有機的な受け皿になっています。
 
 脱原発運動のピーク時には多くの人々が強い「怒り」をぶつけていましたが、時間の経過とともに、脱原発の強い「意志」を示すかのような、力強く落ち着いた抗議となっています。今日現在、コロナウイルス感染拡大防止のために抗議は中止としていますが、今後も市井の人々の意思表示の場として、金曜官邸前抗議や様々な活動を継続すべく、努力をしてまいります。夏に予定されている東京五輪に、福島原発事故や被害者の存在を打ち消されないよう、声を上げ続けていきましょう。
 
 新型コロナウイルスの感染拡大の防止のために、各地の3.11関連の行事が中止、延期されています。私たち反原連も苦渋の決断をし、3月8日に予定していた国会前集会を延期しました。事故から10年目に向け集うことはできませんが、9年前の原発事故のリアルな記憶を呼び起こし噛みしめ、次世代のために脱原発への思いをそれぞれが新たにしましょう。廃炉技術者を養成し、一刻も早く全原発と核関連施設を閉鎖する。子どもたちに負の遺産を残さないことが、私たち大人の使命です。2020年が「原発廃炉時代」の幕開けとなるよう、尽くしましょう。
 
2020年3月11日 
首都圏反原発連合 - Metropolitan Coalition Against Nukes –
 
 
 
 
 
 
 

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