首都圏反原発連合:ステートメント【福島第一原発事故から8年・金曜官邸前抗議開始から7年】

Posted on by on 2月 19th, 2019 | 首都圏反原発連合:ステートメント【福島第一原発事故から8年・金曜官邸前抗議開始から7年】 はコメントを受け付けていません

首都圏反原発連合:ステートメント【福島第一原発事故から8年・金曜官邸前抗議開始から7年】
 
 東日本大震災の被災者と、福島第一原発事故の被害者の皆さまに心よりのお見舞いを申し上げ、亡くなった方々に哀悼の誠を捧げます。
 
 2019年3月11日、福島第一原発の事故から丸8年になります。しかし、事故の収束はいまだ成らず、4万人もの人々が住み慣れた家に帰還することができないままです。それにもかかわらず、安倍首相は東京オリンピック誘致のために「原発の汚染水はアンダーコントロールされている」と世界に虚偽を発信し、地元の人々の不安をよそに、多数のモニタリングポストの撤去を進めています。しかし、実際には福島第一原発敷地内のトリチウム汚染水の処分方法も決まらず、廃炉までにどのくらいの時間がかかるか見当もつかない状況です。
 
 『エネルギー基本計画』を改悪し、原発と核燃料サイクルを推進する安倍政権ですが、昨年には政府の目玉政策である原発輸出が全て頓挫。老朽原発の運転延長を目論むも再稼働は困難で、2019年度中の原発再稼働はゼロになる見通しです。もんじゅの廃炉も決まり核燃料サイクル政策は暗礁に乗り上げ、アストリッド計画もフランスが凍結。しかし、アメリカと次世代型高速炉の開発に乗り出しており、「核燃料サイクル」という実現不可能な虚構を維持しようとしています。また、新小型原発の開発も、虚構のシステムを維持するものでしかありません。
 
 広島、長崎に原爆を投下された世界唯一の被爆国であり、未曾有の福島第一原発事故を起こした日本は、軍縮不拡散の国家です。しかし、昨年自動延長された日米原子力協定では、アメリカから唯一プルトニウムの保持を許されており、これは軍縮不拡散に反し国際的に批判されています。原子力の技術を保持する潜在的核抑止力を主張する政治家もいますが、それは米ソ冷戦時代の負の遺産でしかありません。廃炉技術者を養成し、一刻も早く全原発と核関連施設を閉鎖する。次世代に負の遺産を残さないことが、いまを生きる私たち大人の使命であると言えます。
 
 首都圏反原発連合(反原連)の主軸の活動である、毎週金曜に首相官邸前・国会正門前で開催している『再稼働反対!首相官邸前抗議』(金曜官邸前抗議)は、2019年3月末に開始から丸7年になります。2012年初夏には抗議参加者は20万人に達し、同年8月に、反原連のメンバーが当時の野田首相と官邸内で面談。その後民主党政権が「2030年代原発ゼロ」を決定するなど、この抗議は圧倒的脱原発世論を可視化しました。時間の経過とともに参加者は減っていますが、いまだに様々な人々が脱原発を訴える、無党派市民の有機的な受け皿になっています。
 
 金曜官邸前抗議は、脱原発運動のピーク時には多くの人々が強い「怒り」をぶつけていましたが、時間の経過とともに、脱原発の強い「意志」を示す、力強く落ち着いた抗議となっています。国民意識から大きく乖離した安倍政権は原発推進をしていますが、実質的には原子力産業は八方塞がりになっています。しかし現状を顧みず、幻を見据えるだけで、政府はエネルギー政策を変えようとしません。反原連はここを正念場ととらえ、市井の人々の意思表示の場として、金曜官邸前抗議や様々な活動を継続すべく、今後も努力をしてまいります。
 
 経産省と原発を有する電力会社とメーカー、原子力ムラと繋がる官邸。圧倒的脱原発世論を無視し、権力の座から既得権益者の利益を守る原子力政策。それを正すことは、権力の不実な構図を覆すことでもあります。また、世界的に再エネが主流となり、企業もRE100をスタンダードとしてゆく中で、このままでは日本はビジネスチャンスを失っていくことでしょう。福島第一原発事故以降、7原発11基(福島第一原発を含まず)が廃炉を決め、多くの地方自治体や企業が再エネに取り組んでいます。政府の政策障害にもかかわらず、社会は脱原発に向かっているのです。
 
2019年2月21日 首都圏反原発連合 - Metropolitan Coalition Against Nukes –
 
 
 
 
 
 
 
 

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