NO NUKES PRESS web Vol.001(2018/02/22) 

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NO NUKES PRESS web Vol.001(2018/02/22)
 
Lecture:山崎誠さん
(立憲民主党・副幹事長エネルギー調査会事務局長)
 
2018年は脱原発へのターニングポイントになりそうな予感の中、1月16日に阿佐ヶ谷ロフトAで、毎年恒例、首都圏反原発連合主催の新年会「GENPATSU ZERO! 反原発新年会2018」を開催しました。(http://coalitionagainstnukes.jp/?p=10453)
今年は、昨年末大きな励ましとなった、広島高裁の伊方原発運転差し止めの立役者で映画監督でもある河合弘之さんと、「原発ゼロ基本法案」に期待が集まる立憲民主党のエネルギー調査会事務局長で衆議院議員の山崎誠さんをゲストにお迎えしました。
山崎誠さん、河合弘之さんの順番でレクチャー(講演)を催し、参加者のみなさんは熱心に耳を傾けていました。会場には立憲民主党の菅直人元総理もおみえになりました。
ここに両氏のレクチャーの全文をお届けします!
*河合弘之さんのレクチャー全文はこちら→http://coalitionagainstnukes.jp/?p=10694
 
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【NO NUKES PRESS web Vol.001(2018/02/22)】Lecture:山崎誠さん@yamazakimakoto(立憲民主党・副幹事長エネルギー調査会事務局長)「原発ゼロ基本法案実現に向けて」 http://coalitionagainstnukes.jp/?p=10701

 
 
「原発ゼロ基本法案実現に向けて」
 
 
-自己紹介・3.11以前・立憲民主党のこと-

 みなさん、こんばんは。衆議院議員の山崎誠です。こういうところ(ライブハウス)で話すのは初めてなんですが、他ではないような良い雰囲気ですよね。でも、菅さん(菅直人衆議院議員、元内閣総理大臣)がいる前で話すのはいやなんですよね(笑)。この後の河合先生がまた最悪でして(笑)、河合先生のお話は本当に迫力あってすばらしいんですよね、私もいつも聞き惚れていますが。そういう方の前に私が話をするのは非常に僭越でお恥ずかしいのですが。

 ご紹介いただきましたように、いま立憲民主党に「原発をとにかく止める!」という仲間が結集しました。私ももとは民主党にいたのですが、前々回の選挙では落選したんです。なぜ落選したかというと、原発を止めたくて菅さんではないけれど「民主党では生ぬるい!」と、「みどりの風」というグループをつくりました。
 みんな知らないでしょうね、一瞬で消えてしまいましたが「みどりの風」というのをつくって、原発止めるという人は「日本未来の党」に集まれということで、そこに参加をして選挙を戦いましたが、選挙って怖いですよね。「あんな事故が起きて絶対に原発を止めないといけないよね」とだれもが思っているだろうと思って、一生懸命、原発ゼロを訴えたら選挙で大負けしました。全然相手にされなかったので、「日本未来の党」は解体しましたが。

 私は3.11原発事故の前から原発を止めたくて、上関原発というのを皆さんご存じですかね。原発建設計画が山口県でありますが、それを止めるという運動をお手伝いというか参加していて、3.11が起きて、原発止めなきゃというのが世の中全体の流れになっていって、その中で衆議院議員をやっていました。
 その後落選して、「環境エネルギー政策研究所」というところ、飯田哲也さんという再エネでは有名ですが、あの方の研究所にいて浪人時代は過ごしたりもして、ついこの間、奇跡的に立憲民主党が立ち上がったときに参加することができ、いまこうしてバッジをつけて皆さんの前でお話しすることができるようになっています。

 ただ、いま言ったように、原発・エネルギー政策をずっとやってきて、今回、立憲民主党は私も戻ったように、原発を止めたい人がみんなうまく集まったんです。菅さんも喜んで喜んで大変なんですよ(笑)。ほんとうにうれしそうで“よーしやるぞー!”となっていて、そんな風にみんな結集しています。なので、原発ゼロが本当に私たちの中では手が届きはじめた。これはいくぞ、と。
 この間、原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)の皆さんにも声をかけて、なんとか一緒にやれないかなということで、一緒に対話集会を仕込みました。この後も立憲民主党は、これからご説明します「原発ゼロ・自然エネルギー推進基本法案」を持って全国を回ります。そして、皆さんと対話集会をどんどん開いて国民の皆さんに支持される「原発ゼロ基本法」をつくって、今年の3.11の前に国会に提出することを目指しています。あまり時間がありませんが、そんな流れをやっているということを、今日、少しお話しをさせていただきます。
 
 
-「富岡復興ソーラープロジェクト」「土湯温泉熱発電」市民のちからで
福島第一原発廃炉・汚染水の現在-

お手元に配った資料にない話題もたくさん出てきますが、気にしないで、今日は前を見ていただきたいと思います。
 まず、私が前職でやっていた「富岡復興ソーラー」という巨大プロジェクトのお話をします。(プロジェクターの資料を指す)90億円ぐらいのプロジェクトで、33メガワット(一般家庭約1万世帯分の電力)という太陽光発電です。富岡はご存じですよね。被災地です。このきれいな田んぼだったところが使えなくなったので、そこに太陽光パネルを置いて発電するというプロジェクトが動いています。もうすぐ完成です(2018年4月発電開始予定)。すばらしいのは、実は、被災地の皆さんが自分たちでやったんです。被災者の皆さんが立ち上がって、地権者の皆さんが集まって、巨大太陽光発電プロジェクトをやってるんです。
 市民のみなさんが立ち上がってエネルギーをわれわれの手につかむんだ、それが原発ゼロ、そしてその先の自然エネルギーの世界、というのが私たちの発想です。こういうプロジェクトを私は担当していたんですが、たとえばメガソーラーというプロジェクトを、被災地で市民の人たちが立ち上げたというのは、そんなにないんですよね。小規模なものはありますが、ここぐらいだと思います。
 ほかはどうかというと、例えば東芝などが、津波で流された大きな土地をダーっと借りて、メガソーラーをやるんですね。日立が被災地で風力発電をやりますとか。大企業が自然エネルギーをやること自体はいいのだけど、そうではなく、市民がみんなで立ち上げるということを、私は是非みなさんと一緒にやりたいと思っています。

 少し飛ばします。(プロジェクターの資料を指す)これは「土湯温泉」というところのバイナリー発電ですね。温泉熱を使って発電します。温泉は実は高い温度の温泉は水を入れて薄めるんですね。そんなバカなことをするのではなく、その熱を使って発電をして、少し冷えたものをそのまま温泉に使うという。これも地域のみなさんが、地域の中小企業なども協力して立ち上げています。こんなプロジェクトをいままで浪人中に応援してやっていました。

 それで昨年の10月2日に枝野さん(枝野幸男衆議院議員、立憲民主党代表)が新しい党をつくり、マニフェストをつくるスタッフが必要だろうと思って「手伝うよ」と言ったら、福山さん(福山哲郎参議院議員)に「お前すぐに出ろ(出馬しろ)」と言われて、そのまま東北に向かい東北を回っていました。
 私は今回、東北ブロックから立候補させていただいて、青森ですね、(プロジェクターの写真資料を指す)六ヶ所村の風車がここに立っています。六ヶ所村だって、いまは風車の村になっていますね。選挙で東北を回っている中、福島に行きました。(プロジェクターの写真資料を指す)そのときは枝野さんが駆けつけてくださって、福島のみなさんに原発ゼロの訴えをしました。枝野さんの顔が真剣ですよね。いつも真剣ですが、原発事故のときの官房長官ですからね。いろいろな複雑な思いもあって、こう言っては悪いですが逃げずにきちんと向き合おうということで来てもらって、一緒に演説をしてもらいました。

 それから、最近の話をしますと、議員になってから福島第一原発に行ってきました。菅さんも一緒でした。これですね(プロジェクターの写真資料を指す)、いま見学コースがあるんですが、ここで140マイクロシーベルトかな。すごいですよ。たぶん、200mぐらいプラントから離れているところなんですが、140マイクロシーベルト。東電の人は説明で「非常に安定してきて、廃炉作業も順調に進んでいます」と言うんですが、とても順調とはいえないですよね。
 これは、みなさんご存じの汚染水のタンクですが、きれいにはなっていますが、汚染水がまだ毎日140トンづつ増えているというんですね。「前は400トンだったから、ずいぶん減りました」と東電の人は言うけど、140トンですから。まだまだ、こういうタンクが増えているということで、トリチウムを今度は海に流そうという話もあります。これも、92.4マイクロシーベルトある、これはわれわれが視察していたときの数値ですが。
 
 
-経済産業委員会にて
系統マネージで2030年までに再エネ導入比率40~50%は可能-

 昨年の12月1日に、私は経済産業委員会で質問をしました。
 「系統接続」というのが問題になっているんですね。いま自然エネルギーをやろうというとき、さっき言ったような市民が立ち上がって1~2メガの発電所をやりますといったときに、系統につなげないんですよ。系統は東京電力だとかの大手電力会社が押さえているんですが、それをどんどん開放して自然エネルギーにつながなければいけないはずなのに、「空いてないんです、空き容量ゼロなのでつなげません」と言うんですね。
 だけど、実際に見てみると実はガラガラなんですよ。最大でも20%ぐらいしか使わないのに、再エネが入ろうとすると「待て待てダメだ」というんですね。なぜかというと、「緊急時のために空けておかなければいけない」と。そもそも電力会社の系統は2系統あるんですが、片方しか使っていないんです。なにか事故があったときにスイッチして、もう片方に行くようにというような管理をしているので、50%ぐらい空いていてもこちらは使わせないというのが、いま問題になっています。
 さらにひどいのは、原発が優先なんです。残りを再エネに充てればいいのに、再エネには、いま一杯なのでダメですと言っているんですね。要するに、いろいろな理屈があって安定した給電のために、空き容量を取っておかないといけないんだということを言うんです。

 私はこれについて質問しました。いま「エネルギー基本計画」には、「再生可能エネルギーを2030年までに22~24%を目標にする」と書いてあるんです。そして、「原発は20~22%」と書いてあります。この数字の意味は、実はすごく重要ですよね。私は別にこれに賛成しているわけではないが、いま現在でもこの数字の考え方は正さないといけないと思っています。
 どういうことかというと、「この2030年の22~24%というのは上限ではないですよね」ということ。わかりますか。「上限ではなくてこの数字を、この導入を視野に普及拡大させるんですよね」と確認したら、「はい」と言いましたから。これは大きい収穫ですよ。
 実を言うと、経産省の一部、再エネを入れたくない人たちは「2030年に24%入れればいいんだろう」という、要するに上限のような扱いにしているんです。「2030年に24%入ればいいんだから、いまは少し抑えておいても全然問題ありません」と。だけど、そうではないんだ。これは上限ではなくて、数値を超えるものを視野に入れるんだったら、「いますぐに系統をマネージして再エネをつなげよ」と言えるじゃないですか。それを私は言いたかったのね。

 それと、もう一つ「原発は、これは目標ではありません」と確認した。「できるだけ原発依存を下げるのが目標、というか本当の趣旨です」という確認をとりました。「20%、22%を動かさなくてもいいんだよね、そこまでやる必要はないんだよね」ということを経産産業委員会で確認したら、「そうだ」と言ったんですよ。
 私は、これは大事だと思うんです。再エネはどんどん入れられるのに、使える系統を使わないで再エネが伸びないというのはおかしいぞ、と。30年まで20何パーセントじゃないんだと。いま、これを直せば40%、50%いくかも知れないということを、経済産業委員会で質問しました。まだまだ、この辺はわかっていないかも知れないけど、私はこれを次の通常国会でも突いていこうと思っています。 

 (プロジェクターの写真資料を指す)おもしろいんですよ、これが私でここに実は世耕さん(世耕広成参議院議員、経済産業大臣兼内閣府特命担当大臣、原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)が座っていて、ここに若い人たちがいるじゃないですか。この人たち、私に質問取りといって「どんな質問をするんですか?」とヒアリングしてきて、いろいろ議論をして質問を組み立てていくんですけど、そのスタッフの皆さんなんです、経産省の役人の方です。
 それがおもしろくて、私が「再エネがこうでこうで、こうですよね、現場ではこうですよね」という質問をすると、この彼なんか本当にうなずいてくれるんですよ。「そうだ、そうだ」と。私はすごくうれしかったんですよ。この人たちは私の前では、そんなに言わないですよ。経産省の立場で話をするんだけど、結構わかってくれている。間違いなく、わかっているんですよ。そうですよね、世界ではこんなに再エネが普及されていっているのに、わからないはずがないですよね。だから、私はこの人たちにすごく期待しています。この彼がうなずいているところをカメラで撮ってほしかったんだけど。そんなこともありましたね。
 
 
-「ベースロード電源」なんて日本だけ
世界は自然エネルギーからスタート-

地域をとにかく元気にするエネルギーということで、いま自然エネルギーがどんどん伸びていますよね。いま世界では、風力発電と太陽光を足した設備容量が、原発設備容量の2倍になりました。もう原発は伸びてないし、自然エネルギーはどんどん伸びていきます。まだまだ、どんどん伸びますので、原発の世界は終わっているんですよね。残っているのは日本のほか数国だけ。
 値段も、(プロジェクターの資料を指す)これは太陽光パネルの値段です。青い線が。これがパネルの普及ですね。ガーっと安くなって200分の1です。どんどん価格が安くなっています。風力も同じですよ。世界はもう自然エネルギーなんですよね。
 世界はエネルギーをどうマネージしているかというと、自然エネルギーをベースというかスタートに置くんです。(プロジェクターの資料を指す)日本では、原子力発電、石炭火力発電を「ベースロード電源」とか言うんですが、世界はもう「ベースロード」なんていう言葉は使いません。ここに太陽光、風力、水力、バイオマスをおいて、それで足りない部分をどう補うかというふうに考えます。
 日本の場合は、しばらくは、例えば天然ガスも火力発電も入れると思いますが、それもなくても大丈夫なように世界は動いています。逆転の発想ですね、全然違うんですよ。いま「エネルギー基本計画」が見直しになっていますが、その点はぜひ正さないといけないなと思っています。まだ「ベースロード電源重要です」みたいなことを言いそうなので注視しています。

 そんな世界の中で、たとえば、これはデンマークの例なんですけど、1980年代は大型火力発電所がバンバンとあって、いまの日本と同じですよね。(プロジェクターの資料を指す)これは2012年の図ですが、コージェネレーションという地域でバイオマス発電をやる発電所、それから風力発電所がこのように全国にバーっとできて、分散型でひとつひとつを市民が運営している。市民がお金を出し合って、自分たちの会社をあるいは組合をつくって発電をやるから、電力とかエネルギーを、ほんとうの意味で市民のみなさんが手にしているという世界ですよね。
 そうやることによって、いままで地域外に流れていた電気代や灯油代やガス代というものが、地域に循環していく。自然エネルギーにすると、太陽光発電で電気をつくった場合は、それを買ったお金は地域の発電会社に落ちてきて循環します。地域が元気になるエネルギーシフトというのは、こういう原理なんです。専門家もいろいろ計算をしていて、地域への経済的貢献効果が2~3倍あるといわれています。私はこれをやりたいんですよね。

 原発、化石燃料の世界から自然エネルギーの世界に、社会全体が大企業で中央独占の電力会社に支配されているような世界から、小規模、地域が自立して市民一人ひとりがエネルギーに責任をもつ、作って使う、そんな社会に大きくシフトするんだ。これが、原発ゼロであり自然エネルギーの活用の意味なんですね。
 
 
-原発ゼロは21世紀の環境調和・分権型システムへの社会変革
いますぐ原発ゼロは可能・あとは政治判断のみ-

 さて、今日の本題に入ります。
 「原発ゼロは未来への社会変革なんだ」ととらえて、私たちは提案していこうと思っています。原発ゼロ、省エネ、再エネへのシフトは、20世紀の重厚長大、中央集権型のシステムから、本当に21世紀にふさわしい新しい時代の環境調和・分権型の社会システムへの、社会の大きな変換なんだと思います。
 ただ、原発を止めることをすごく後ろ向きに捉えている方もいます。「原発を止めてほんとうに大丈夫かな」とか「町が真っ暗になってしまうんじゃないか」など考えている方がいると思いますが、ぜんぜん違うんだと。「社会を変えるんだよ」と。そのためのきっかけに私は原発ゼロが一番いいと思っているんですよ。原発を止めて再エネにしたとたんに、さっき言ったような社会が動き出しますから。
 
 原発ゼロは、政治決断だと思っています。できない理由はないんですよ。実際に、もう原発がなくてもみんな暮らせていたし、経済がぐちゃぐちゃになったわけでもないですよね。
 いますぐ原発ゼロは可能です。原発ゼロを政治が決断するかどうかの問題です。政治が決断すれば、社会や経済はその場で変わっていくんですよ。先ほどの系統接続の問題だって、原発が動くといっているから系統をとっているんですよ。もう、原発終わりと決めたら、その分がバッと空くんだからそこにバーンと再エネが乗ってきますよね。そうしたら20~30%グワーっと伸びるんですよ。
 日本企業も同じですよ。東芝だって日立だって、原発終わりと決まったら、じゃあ再エネ、蓄電池一生懸命やらなきゃ、いろいろなエネルギー技術やらないと、となるんです。絶対にそれで経済は発展するし、伸びる。だから私は政治が決断することがまず何よりも必要で、そのためになんとか今回、「原発ゼロ基本法案」を含めてこれを世に問うて、政治がきちんと決断できるような状況をつくりたいと思っています。政治の決断はいますぐできるわけです。いますぐやればいいんです。

 後のプロセスは、私はていねいにやりたいと思っているんです。ていねいに時間をかけて。というのは、たとえば原発立地自治体があるじゃないですか。みなさんはどうお感じかわかりませんが、私は少し言葉は悪いが、あの地域の方々も被害者だと思うんです。原発依存の経済にずーっと入り込んでいます。原発で働いた方が普通に働くよりも1.5倍ぐらい給料もらえるとか、そういう生活をずっとやってきているわけだから、抜けられないんですよ。
 私は、原発止めますと政治が判断して、そういう方々がどうやって自立していくのかというのは、時間をかけてていねいに議論したいと思います。膝詰めで、責任を持って。10年、20年かかるかもしれない。でも、それをきちんとやり遂げ決断すれば、社会は先ほど言ったように動くし、その後のフォローは時間をじっくりかけてやっても全然おかしくないし。

 使用済み核燃料の問題とかもそうです。やらなきゃいけない、でも時間をかけてゆっくりやらないとダメなんです。普天間とか辺野古の問題も、鳩山さん(鳩山由紀夫衆議院議員、元内閣総理大臣)の方針は、私は正しかったと思います。ただ、そのプロセスをもっとじっくりとやればよかったんですね。5年かけて、10年かけてやると宣言して。少なくとも県外といってやればできたと思うんです。でも、来年とかと言ってしまうとダメなので、私はそういうことだと思います。
 
 
-立憲民主党の「原発ゼロ基本法案」の骨格
再稼働は原則認めない・原発の新増設は必要ない-

 いまわれわれがやろうとしている「原発ゼロ基本法案」の大きな骨格について。
 「一日も早い原発ゼロ」と言っています。では、原発ゼロとはどういう状況なのかと、きょうもエネルギー調査会で議論していたんですが、再稼働はしません。いまあるものはとにかく一刻も早く止めます、ということです。
 それから、私が思っているのは廃炉の決定です。廃炉決定には少しプロセスがあります。いまお話をしたような、たとえば立地自治体の方々にきちんと納得してもらう。原発はもう終わりだよと。だけど、その後の地域はこういう風に支えていくからね、という話をするとか。あるいは、これはいろいろあると思いますが、電力会社も原発をもっていて国策だけどやっていたわけだから、原発が止まったことによるインパクトを少し補償してあげないといけないかななど、そんな交渉も含めて廃炉までには若干の時間がかかりますが、全部の原発をまずは動かなくして、廃炉決定をしてあげるというのが原発ゼロ。これを1日も早くということを言っています。

 期限については、2030年とか、そういう数字を出すべきなのか、あるいはもっと別の言い方ができないかなと、いま頭を絞っています。
 それから省エネ、再エネはどんどん進めていきます。2050年にとにかく自然エネルギー100%という話もあるので、そういうものに向けて。
 大前提としては、東京電力・福島第一原発事故の収束と被災者支援ですね。被災者の方々が、まだまだ苦しんでいますよね。健康被害などもまだまだこれから問題になりそうです。そうしたことをキチッと責任をもってやることも、われわれが言っている原発ゼロの大きな柱です。
 それから、今お話しした原発関連自治体の支援です。これもキチッとやらないとなりません。

 放射性廃棄物・プルトニウムの管理と処分について。使用済み核燃料、あと、プルトニウムが残っているんですね。これをどうするか。これも、いまいろいろなアイデアがあるので、とにかく固定化して兵器に転用できないようにした状況でキチッと管理する、という方針を打ち立てたいと思っています。
 これは、議論がいろいろありますが、原発関連事業の国有化。今の電力会社から切り離して、国がやれば全部いいわけではないですが、国が管理しながら原発を止めるんだという方針を、きちんと固めていくのはいいのではないか。
 究極というか最終目標は、世界の原発ゼロ、非核化です。ここまでいかないといけないのではないかと思っています。

 「原発ゼロ基本法案」の大前提としての、「原発ゼロの方針」「ゼロの一日も早い実現」「再稼働は原則認めない」。この「原則」というのが河合先生に怒られて「すぐに条件なしで止めろ」と言われたんですが、一応、われわれはまだ原則を付けています。もしも緊急事態が、再エネ・省エネが進んでいないときに起きたとして、たとえば石油・ガスの輸入が半年以上、一年近く止まってしまったというような本当に困ったときには動かす、そのとき動かすとしても地域の避難計画がきちんとできて、これなら事故が起きても大丈夫という状況ができたら認めるよ、と言っているので、実際にはないです。政治家がこんな中途半端なことを言ってはいけませんが、こんな状況はほとんどないと思っています。(*注:2月22日正式決定した法案では、この例外規定は削除されました。https://cdp-japan.jp/news/1531

 それから、建設中の発電所を含む原発の新増設は認めない。いま作りかけているのも全部止めたいというのがあります。
 核燃料サイクル事業は中止。使用済み核燃料については、全量、直接処分という。これも結構大きいんです、直接処分というのは。六カ所村のサイクル事業をとにかく止めないといけないので、それを言いたいと思っています。
 これも先ほど言いましたが、大手電力会社の経営から切り離すというのは、これは遠回しな言い方をしていますが、国有化のような形がとれないかということです。
 また、原子力発電所の輸出禁止もどこかで入れていきたいと思っています。

 あとは再エネですね。最終的には脱炭素社会の実現、パリ協定の目標達成、先進国として本当に責任を果たすということで、河野さん(河野太郎衆議院議員、外務大臣)もこの間「再エネが遅れている」と発言をしていますが。河野さんが自民党で「脱原発だー!」と言ってくれればいいんですが、なかなか言ってくれないので、まずわれわれが外堀を埋めていきたいと思っているところです。
 
 
-楽しいアイデア・ソーラーウインドシャアリング-

 ほかにも、こんな楽しいアイデアがあります。
 私が提案したいのは、「ソーラーウインドシャアリング」です。畑の中に風力発電所をつくるんです。農業と風力、ここがおもしろいんです。
 実は風車は昔は高かったんです。いまも高いは高いんですが、この価格がいまは2割ぐらい安くなったんです。2割安くなるとどうなるかというと、今までは風速6mぐらいのところでないと風車は建てられなかったんです。わかりますか。風速6mの風が吹かないと発電量が得られないのでダメだったんですけど、2割価格が安くなるとどういうことが起きるかというと、風力5mのところでも設置できるようになるんです。
 そうすると、いままで風が6m吹くところはどこかなと探していると、山の上だったんですね。山の上でないと風力6mというところがないので、尾根伝いに風車を建てていたんですが、5mでいいよとなると畑でも5m吹いているよ、となるんです。そうすると、畑の中に建てることができて、発電と農業というような組み合わせができるようになる。いろいろな夢が広がります。
  
 もっと語りたいですが、お時間なので止めますが、そんなことを立憲民主党で菅さんとともにやっていきますので、どうかご支援ください。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

(2018年1月16日:Asagaya/Loft Aにて)
 
 
山崎誠 <プロフィール>
1962年 (昭和37年) 11月22日東京都練馬区生まれ。立憲民主党衆議院議員。エネルギー調査会事務局長、副幹事長。上智大法学部卒業、青山学院大学大学院修了、横浜国立大学大学院博士後期課程単位取得退学。建設会社、エンジニアリング会社勤務を経て、2006年3月より横浜市議2期。2009年8月衆議院選に立候補、初当選1期。落選中は「全国ご当地エネルギー協会」他で再生可能エネの普及拡大に取り組んだ。2017年10月衆議院選挙、立憲民主党東北ブロック比例で当選2期目。現在、内閣委員、経済産業委員、東日本大震災復興特別委員会筆頭理事。

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