【2014/04/25】東京・官邸前からのレポートです。

原発再稼働反対!
99回目の官邸前抗議行動のレポートです。
次回100回目は
2014年5月2日(金)18:00〜20:00 予定
です!
詳細はこちら
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黄色いビオラ.jpg
今日は有給休暇で会社はお休みしたものの、あれやこれやの所用で朝から大忙しっ(会社にいる方がのんびりしとる気が…)
夕方、有楽町に居たのでそのまま歩いて官邸前へ向かうことに。
交通会館脇を通りすぎ、高架をくぐってビックカメラ前の交差点に出ると、左手の方から何やら声が…。あれ?と思いながら交差点を渡ると、九州電力東京支店前で、Tさんが原発反対の抗議をしているじゃありませんか!周りには抗議のプラカードを持った人達も何人か立ってます。官邸前抗議でお見かけする方もチラホラ…。人通りの多い九電前の舗道。サラリーマンを中心に大勢の人達が、その前を通りすぎて行ってます。3.11以降、独自のスタイルでずっとデモや抗議を続けているTさん。(私もこれから官邸前へ行ってくるよ!)九電ビルに向かって叫んでいるTさんの声を背中に受けながら…有楽町のビル街を抜けて、私も官邸前へと急ぎました。
財務省の交差点を渡って行くと、向かい側から『たんぽぽ舎』の冊子を熱心に読みながら歩いてくる、茶髪のOLさんとすれ違いました。春らしい綺麗なイエローグリーンのカーディガンを着ています。あっ、いいなぁ!あの色。私もイエローグリーンのカーディガン欲しいなぁー。(全然関係ない話)
交差点を渡りきったいつもの寄せ書きエリアでは、たんぽぽ舎の方がその小冊子を配っていました。今日はおじさん元気だぞ…「読んでくださ~い!読んでくださ~い!」と叫んどる(笑)
今日もまた到着次第、官邸前エリアのスタッフを頼まれていたので、グミ坂へと急ぎました!
いつもの人達がいつもの場所で抗議をしているのを、「今日も皆さんやってるなぁ~!」と、何となくホッとした気持ちで眺めながら、グミ坂を登って行きます。
18時の抗議開始から地下鉄出口前に立っていたスタッフのAさんと交代!「今日はそんなに寒くないよ~」「ですよね、良かった~」「先週はもう…酷かったよね(笑)」「全くガタガタ震えてましたよ(笑)」そんな会話を交わしながら、カンパ袋を受け取りました。
時間は既に19時。
この時間から急に参加者さんが増えていきます。そして帰る方々も。一番、入れ替わりの激しい時間です。
リュックをしょった大学生ぽい男の子が上がって来ました。男の子はこの辺一帯の地図をしばらく見ると、グミ坂をゆっくり下って行きました。
大きな荷物を担いだおじさんが、階段を上がってきました。出口からグミ坂に出て私を見ると「お疲れ様です」と言って頭を下げられ、グミ坂を先頭の方へ歩いて行きました。
その後に上がって来たご婦人も、私に「ご苦労様」と、軽く会釈。
ご苦労様、お疲れ様…ここ抗議の場で、何べんも何べんも、言ったり言われたりしてきた言葉…。
九電前でTさんと一緒に抗議してた男性が地下鉄出口に現れ、急ぎ足でグミ坂を登って行きました。九電前の抗議を終え、そのままこっちに来てくれたんだなぁ…。
サラリーマン風の男性が「すいません、6月の大抗議のチラシありますか?100枚位欲しいんだけど…」と近づいてきました。「ありがとうございます!」と一束手渡すと「ありがとう。配るからね!」と笑顔で受け取り、地下鉄乗り場へ入って行きました。
グミ坂では、官邸に向けての抗議スピーチが続いています。官邸前抗議に今日初めて参加したという札幌からの女性は、原発による健康被害の恐ろしさを訴えていました。
着物姿の女性が二人、地下鉄出口に現れました。わわっ!カッコいい!「えっと…向こうだっけ?」と話ながら、二人はグミ坂をシナシナと下って行きました。
その後ろから、今度はチビッ子を二人連れたママがやって来ました。お兄ちゃんの方は、真剣な顔で物珍しそうに周りを見ています。ママが女の子の方にマスクをさせようとして近づくと、女の子は嫌だ嫌だと言って、でもニコニコと嬉しそうにその場でくるくる回り始めました。それを微笑みながら見つめる参加者の方々。女の子にやっとマスクを付けると、チビッ子二人はぴょんぴょん元気に跳びはねながら、ママと一緒にグミ坂を下って行きました。
グミ坂を歩いてきた1人のおじさんが、カンパ袋を見ると、「あ、カンパか…。カンパするよ、ご苦労さん!」と言って近づいて来ました。「あ、すみません!ありがとうございます~」と頭を下げると、おじさんは照れた様な笑顔をして、ポケットから財布をガサゴソ取り出します。財布を開くと、あ…という顔。おじさんは申し訳なさそうな顔をし、「…ごめん…細かいのないや…一万円札一枚しか入ってなかった…」と。私が「いやいや、いいんですよ~お気持ちだけで。ありがとうございます!」と言うと、おじさんは更に照れた様に「次回…次回必ず…」と言って頭をかきかき、笑顔で地下鉄乗り場へ降りて行きました。
私が来る前からずっとそこに立って抗議しているご婦人は、両手を上げて、うーんと伸びをしています。疲れますよね、ホントに…。
先頭の方からコールに合わせて、「再稼働反対!再稼働反対!」と叫びながら歩いてきたおじさんは、そのまま「再稼働反対!」言いながらカンパ!ありがとうございます!そしてまた、そのままコールしながら地下鉄乗り場へと降りて行きました。
今日も8時でサッと抗議が終わりました。参加者の方々は、次の用事か、または家路へと、その場を離れていきます。
私はカンパ袋と誘導棒、そして余ったチラシを抱え、グミ坂を先頭ブースの方へと登って行きます。今日はスタッフではなかったお手伝いの女子が、グミ坂を登りながら素手で煙草の吸い殻や小さなゴミを拾い拾い歩いています。もちろん、抗議の方々の吸い殻ではありません。それでも毎回…こうして、何のためらいもなく、素手で拾って歩くスタッフの女の子達。
先頭ブースの近くでは、やはり、抗議後半だけ来て、必ず後片付けを手伝っているお手伝いの子が、コードをグルグル束ねていました。「長いの~巻いても巻いてもまだまだ続くの~」と笑ってます。最初の頃は束ねるのが上手く出来なくて大変だったよね。今じゃササッと、手際よく出来ちゃうね…。
先頭ブースでは反原連の方々がスピーカーや何かの大きな道具をまとめています。私が「お疲れ様で~す」と近づいて行くと、みんな口々に「うす!」「お疲れさんです!」手際よく荷物を片付けてまとめ、貸し倉庫まで運ぶ車を待ちます。
警察官の方々もポールやコーンを束ねたり、バタバタ動いています。311以降、仕事が増えたよね。原発反対のデモや抗議が始まったもんね…。
日もすっかり落ちた永田町に国会議事堂だけが、白く浮かび上がっていました。
官邸前抗議、今日はなんと99回目だったそうです。
みんなの…原発やめてほしいという思い。99回分の思い…。
来週は遂に100回目。
届け…、思い…
また、来週~!
キャンドル.jpg

【2014/4/18】東京・官邸前レポート

「情景が目に浮かぶ」「毎回感動して泣いてしまう」と大好評の、スタッフの方からのレギュラー・レポートをお届けします!
暖かくなったかと思ったら、急に寒波ががおそってきて、春の装いには本当に寒い夜でした。
次回は4月25日(金)です!
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=4142
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昨日は上着がいらない位のポカポカ陽気かと思えば、今日はグーンと温度が下がって凍える様な寒さ!…まったく、体がついていけませんよ~。
今日はまたまた微妙な雨予報。会社を出て空を見上げると、今にも振り出しそうな鉛色の空。ギリギリもつかな~、頼むよ~と空を仰ぎ、地下鉄乗り場へ降りて行きました。
電車に乗っていると、既に到着している官邸前抗議のスタッフ達から「本気で寒いよ!!」「半端ない寒さ!」「さみーっっ!」と脅しの様なメールが次々と…(ぶるぶる)
霞ヶ関で降りて外に出ると、目の前を緑色の傘が横切って行きました。傘にはマジックで『子供を守れ!』『命が大事だ!』『NO NUKES!』などと書いてあります。小柄なお婆さんがその傘をさし、経産省脇の坂を1人で登って行きました。
いや…ホントに寒いっ!!何だこりゃ…まるで真冬の寒さ!寒くなるとは言ってたけど、こんなに寒くなるなんてーっ(泣)
ううう…と、既に弱腰になって(はえーよ)横断歩道に立つと、隣に、ビニール袋に自分のバッグを入れ、カッパをきっちり着込んだご婦人が1人やって来ました。信号が青に変わると、元気よくさっさと歩いて行かれます。雨なんて関係ないわって感じ…。
…まったく、ちと寒いくらいで、うーうー言ってる私は何なんじゃ…(>_<)しっかりせいや!
時々、「気のせい?」程度の水が頭の上から落ちてはくるものの、雨は何とか持ちこたえています。しかし気温はぐんぐん下がっている感じ。抗議に並ぶ参加者の方々も本当に寒そう!
グミ坂に、マスクしてフードかぶって、ポケットに両手突っ込んで、足踏みしながら立っている男の子がいます。
どっかの社長のような雰囲気の、背広をきちんと着こなした初老の男性は、姿勢よくビシッと立ち、小さな声でコールしていました。
バッグから新聞を出して、あーだこーだと話し出す男性二人。すると、近くに立っていた別の男性が何気に反応し、会話に加わります。今度は三人で、あーだこーだ話が始まりました。
見ず知らずの人達が自然に話が出来る、独特の空気があるんですよね、こういう抗議の場には…。
大学生みたいな若い男の子が二人、「マジ、さみーな…」って言いながら立ってます。薄着な彼らは肩をすぼめ、コールが始まっても、あまり声は出さず、時々ちょっと口元をボソボソと動かしていました。いやホントにさみーよなっっ!
お!小さな黄色いメガホンを持って、元気にコールしてるおじさん発見!あれ…黄色いメガホンには『のどごし生』ってシールが貼ってある…(^^;(笑)
今日は、久しぶりにECDさんがコーラーに参加しています!久々にグミ坂に響くECDさんのコール!体を揺らしながら…全身から絞り出す様なコールです。「原発いらない!!今すぐやめろ!!」声に力がこもります。「原発ゼロを撤回するな!撤回するな!!」
今日はドイツやベラルーシから福島視察に来た、被曝や原発問題のアクティビストの方々も抗議に参加していました!グミ坂を下って行きながら、参加者の方々にニコニコと笑顔でエールを送っています。時には拳を上げたり、手を振りながら…。参加者の方々も手を叩いたりして元気にエールを返していました。
グミ坂の終わり付近の人気のない場所で、毎週必ず、丸い太鼓の様なもの(何て言うんだろ…あれ)を叩き続ける年配の女性がいらっしゃいます。時には二人で、元気にお経の様なものを唱えながら、淡々と叩き続けています。最初見た時、ちょっと特異な雰囲気を感じてしまいました。でも、この方、いつもとても柔らかい表情で太鼓を叩いているのです。そして、目の前を誰かが通る度に、必ず、頭を下げられるのです。毎週毎週、その方のそんな姿を見ているうちに、最初に感じた印象は全く変わり、「いつもありがとうございます…」という気持ちで私も頭を下げ挨拶する様になりました。
国会の方へ行くと、いつもの『文字起こし』のお兄さん(編集注:こちらに紹介されています)が、おにぎりを頬張っていました。最初の頃は足を止める人もほとんどいなくて、いつも薄暗い中にポツンといたお兄さん。最近は読みふけったり写真を撮る人も多く、お馴染みとなってる常連さんもいるようです。良かった良かった!(涙)(保護者かよ!)
今日はエネルギー基本計画についての各新聞の反応です。先週あっさりと原発ゼロを撤回し、再稼働容認のエネルギー政策を打ち出した安倍内閣。
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Y新聞の反応を読みながら「無責任な脱原発って何だよ…」と、私がブーブー文句言うと、お兄さんはいつもの涼しげな表情で「原発大歓迎な人たち、たくさんいますよ」。そして「あれじゃ足らんから作れとかね…」
「ま~ったく、頭大丈夫かって言いたいですよ!」と私が更にブーブー言うと、
「ねぇ…ホントに」
するとそこへ1人のおじさんが、こんにちはと足を止めました。お兄さんとは顔馴染みな様子。おじさんは鞄の中から、ぶ厚い紙の束を取り出しました。なんと…『エネルギー基本計画』の全文をダウンロードして持ち歩いてるそうなのです!
「これ読んでおいた方がいいですよ。僕は電車の中で読んでるけど、腹立ってくるよ…。」
そして、おじさんは
「もう、病気みたいなもんだね。お金になるから手放せないんだよ、原発を。」
「だって、爆発したら自分だって死ぬんですよね。自分が死んでもいいってことですかね?」と私が言うと、おじさんとお兄さんはサラリと…
「自分だけは死なないと思ってんだよ。大丈夫だって。麻痺してんだよな。ま、ホント病気みたいなもんだよね。どーしょもない。」
あぁ…目眩が……
今日は雨予報だったので、いつも軽食や飲み物を提供してくれているゲリラカフェはお休みのようです。
国会前エリアの一歩手前の窪地で、いつも楽器を持って抗議を盛り上げてくれてる『み』ちゃんと『あ』ちゃんが、プルプル震えながら暖かい飲み物を飲んでいました。「も~~、さむっさむっ寒すぎ…」。いやいや、既に真冬の様な寒さの永田町。只今の気温、9℃という恐ろしい情報も……。わたしも手がかじかんで、レポートを携帯にメモる事が出来ないほど(>_<)二人のそばにしゃがみこみ、私も暖かい飲み物を貰いました。あ~ちょっと生き返ったぁ…。
「今日はゲリラカフェ、いないんだね。あのタルト食べたかったなぁ~」と私が呟くと『み』ちゃんが、
「ゲリラカフェのタルトは砂糖や動物性のもの使ってないじゃん。それで、あんなに美味しいって、ホント凄い。」
「ねー。一度食べてから大ファンだよ。やみつきになる。」
「でもさ、あれだけの量を作ってさ、それをひとつひとつラップにくるんで、ここまで運んでくるって…相当大変だよね。本人達は『修行だと思ってやってる』って言ってたよ。」しかも代金はカンパ制です。
『修行だと思ってやってる』…その言葉が何となく心に残りました。
太鼓のご婦人、文字起こしのお兄さん、ゲリラカフェ…その他、ここに来てる全ての人。みんな自分が出来る事を淡々と続けています。
あきらめないことです
あきらめたらおしまい
《まどみちお》
あきらめないよ、私も続けていくよ…
また来週~!
花とライト.jpg

【2014/4/11】東京・官邸前

4月に入り、夜の抗議行動もようやく少し暖かくなってきました。
「情景が目に浮かぶ」「毎回感動して泣いてしまう」と大好評の、スタッフの方からのレギュラー・レポートをお届けします!
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今日は、再稼働を明記したエネルギー基本計画の閣議決定に対する抗議として、12時~13時に官邸前で緊急抗議が行われることになっていました。もちろん通常の官邸前抗議もあります。
遂に、原発再稼働に本気で走り出した政府。ありえない…。
今日の12時~13時の緊急抗議が決まったのを知ってから、何とか参加したく、昨日からどうやったら会社をサボれるかひたすら考えていました……(※これ読んでる会社のHちゃんUちゃんSさん、お願い聞き流して)
しかし朝イチの仕事もあり、休むのは難しい状況。とすると、あとは11時頃に早弁し、突然、はらいた起こして早退ってテしかないな…(早弁はしなくてもいいだろ、早弁は)
そんな必死の妄想も虚しく、結局緊急抗議には参加できず…(泣)会社に居ても気になって気になって仕方ありません。しかし、平日真っ昼間の緊急抗議にもかかわらず、たくさんの人が集まったとのこと。「悔しくて涙が出てきた」という声も聞きました。
福島の原発も全く収束してないというのに、どんどん原発再稼働へと向かって行ってる…。ワナワナワナワナ…((怒))
97回目を迎える金曜官邸前抗議。ワナワナしながら向かいました。(怒)(怒)
今日は官邸前につながるグミ坂の歩道エリアが私の担当だったので、まっすぐ官邸前エリアへ!昼間と夕方、二度の抗議という人もたくさんいるようです。
背の高~い外国人女性が1人、グミ坂を歩いてきました。抗議に並ぶ人達を真剣な表情で見つめています。私と目があうとニッコリと微笑み、小さくお辞儀をして通りすぎて行きました。
『脱原発』の脱の文字を赤で書いた、手書きのプラカードを片手で掲げたまま、塀に座って資料の様なものを真剣に読んでいるおじさん。
その近くにサッと入った若い男の子は、ポケットに手を突っ込み、ムッとした顔で前方を見つめています。
今度はそこへまた別のおじさんが入って来ました。リュックからガサゴソとプラカード出すと、胸の前に掲げて黙って立っています。
官邸前に向けての抗議スピーチが聞こえて来ました。
「16万人の福島の被災者を見捨てて、原発に回避するあなたの心は汚れています!」
「そうだ!!!」
と叫ぶ参加者の皆さん。
「原発なんて絶対反対です!」
「絶対反対だー!!」
6時半すぎからどんどん人が増えて来ました。と同時に、帰る方々もいます。入れ替わり立ち替わり…リレーしながら抗議は続いていきます。
来たとたんバッグからパンを出して、かじりながらコールするおばさんがいます。いや、ゆっくり食べてくださいよ…ホントに…(泣)
地下鉄入り口から若い男の子が二人、出てきました。おっ…初めてっぽいな~この二人。匂いで分かるぜ!(どんな匂いですか?)
二人はキョロキョロしながら周りを見渡し、とりあえず…って感じで、出口近くの抗議の列に加わりました。しばらくそこに立っていましたが、「ちょっと回ってこようぜ」と言うと、グミ坂を前の方へ、ゆっくりした足取りで上がって行きました。
グミ坂ではまた抗議スピーチが始まります。「あなたが首相やめるか原発やめるか、どちらかにしてください!」
すると斜め前に立っていたおじさんがボソッと呟く様に…でも、相当な怒りを含んだ言い方で「辞めちまえ早く…」。
次のスピーチの方が「安倍、よく聞けー!」と言うと、またボソッと「よく聞けよバカヤロー…」。
グミ坂を上がって行った、さっきの男の子二人組が戻って来ました。二人はちょっと興奮した様子で「若い奴多いよなあ!すげえなぁー!」と言いながら、また抗議の中に加わりました。
毎月、南三陸町にボランティアに行ってるという女性が官邸に向かってスピーチし始めました。
「この間は、初めて南相馬にボランティアに行きました。綺麗なおうちがそのまま…誰も居ない街に立っているんです…。」
女性の声は僅かに震えていました。
ペパーミントグリーンのコートを着た女の子がやって来て、抗議の列に入ります。綺麗な色だなあ~。ちょっとホッコリ(^^)うふふ
若い男の子が片手を握りしめて近づいて来ました。「カンパします」片手に握り締めた小銭をソ~ッとカンパ袋に入れると、ペコリとお辞儀をして帰って行きました。それと入れ替わる様に、スケボー持った男の子が地下鉄出口から出てきて抗議の列に入ります。
その後ろから、また若い男の子が1人、地下鉄出口から出て来ました。周りをゆっくりと見渡し、グミ坂を前の方へと歩き出します。ちょっと歩いたところで立ち止まり、また引き返して来ると、おずおずした様子で私に近づいて来ました。そして、
「あの、すみません…これって…どっから入ったらいいんですか?」
「え…?抗議…の事ですか?」
「はい」
「あ、どっから入っても大丈夫ですよ!お好きな場所にどうぞ!」
すると男の子はホッとした顔で、「ありがとうございます」と笑顔を見せると、キョロキョロと辺りを見回し、それでもどうしたらいいか分からない感じで、今、出てきた地下鉄入り口の側にそっと立ちました。
最終コールが始まりました!今日はいつも国会周辺でドラムを叩いてくれてる「み」ちゃんが、体調不調にも関わらず、最終コールに合わせてグミ坂で太鼓を叩いてくれてます。いつもと違う音が響き渡るグミ坂。決して大きな音ではないのですが、心臓の鼓動の様に…静かにドコドコ鳴り響く太鼓。いい感じだなぁ~。ありがとう「み」ちゃん~!!
8時になりました。
お疲れ様でした~と、みんな帰り始めると、さっき「何処から入ったらいいですか?」って聞いてきた男の子が、またおずおずと近づいてきました。そしてちょっと恥ずかしそうな笑顔で「あの…カンパします」と言って、慣れない手つきでカンパしてくれました。
「わ!ありがとうございます!…初めてのご参加ですか?」
男の子は更に恥ずかしそうな笑顔をし
「はい…初めて来ました」
「ありがとうございます!お疲れ様でした~」
と言うと、男の子はペコリと頭を下げ、
「お疲れ様でした。あの…これからも宜しくお願いします…」
と言って、もう一度お辞儀をし、地下鉄入り口に入って行きました。
帰り道、経産省の交差点まで歩いていくとビッグイシューの販売員さんがいつもの場所に立っていました。あ、新しいの買わなきゃ!と、購入ついでに抗議前に食べようと買っといたオレンジタルトを販売員のお兄さんに「どうぞ~」と渡し、横断歩道まで歩いていくと、原発反対のプラカードを抱えた抗議帰りのご婦人が、やはりビッグイシューを片手にニコニコしながらこっちを見ています。私が側まで歩いていくと笑顔で、
「ビッグイシューも値上がりして300円から350円になったのよね。」
「あ、そうみたいですね~」
「でも、値上がりした分、販売員の方に入る収入も増えるんですって。良かったわ…。」
ご婦人はそう言うと、ニコッとし…交差点を渡って行きました。
選挙では自民党が圧勝。都知事選でも自民党候補者の圧勝。原発ゼロの政策はあっさりと撤回され、いよいよ原発再稼働へ向けて、強引とも言えるスタートを切り始めています。
どこをどう見ても…
『最悪』
しかし…
負ける気がしません。
能天気すぎでしょうか…?
私はこれでも…どちらかっつーと能天気な方では無いはずなんですが、原発に関しては、どういうわけか…負ける気がしないのです。
後から後からこんだけ不利な状況に追い込まれてんのに…。単にニブイだけなのか、アホなだけなのか…。
でも本当に悲観的にはならないのです。いや、なりたくてもなれないのです。
『奇跡は起こる。希望の光は消すことはできない。』
今日、偶然聴いた…しかも、生で聴いた歌の一部分です。今日この言葉を聴いたっていうのも、単なる偶然ではない気がします。
「負けて負けて負けて…そして最後に勝つ」
必ず…
では、また来週~!!
帝国ホテルの花壇.jpg

【2014/4/4】東京・官邸前

3年目に入った毎週金曜日の首相官邸前抗議。
「情景が目に浮かぶ」「毎回感動して泣いてしまう」と大好評の、スタッフの方からのレギュラー・レポートをお届けします!
今回はこんな名言も。
「あのね、私達の中にも悪魔がいるの。『ほっとこう』って悪魔がいるの。でも、ほっといちゃダメなの。絶対ダメなのよ」
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桜吹雪.jpg
 2月に新たに会社が引っ越したビルの横は、見事な桜並木になっています。思い切りオフィス街な立地ですが、この季節だけは別世界な美しさ!殺風景な街並みをふんわり優しく包み込む様に、淡いピンクの花が、ビルの谷間を埋めつくします。
 今日、昼休みに外に出ると、桜並木の道に桜吹雪が舞っていました!うっわーっ!きれい~!!ピカーンと晴れ渡った空から、花びらが風に乗ってひらひら…降ってきます。道路や停めてある車にも花びらが降り積もり、桃色の世界になっていました。
 桜なんて毎年見ているのに、もう何十回も見ているのに…毎年同じようにウキウキする。毎年、感動する。凄いなあ…。そして桜って…幸せな花だなあ。
 今日は雷だ竜巻だ!と、とんでもない天気予報だったせいか、人数もちょっと少ない感じです。長い闘いになってきてるせいか、参加者の方々も、無理せずしぶとく続けていけるよう、体調や気候と相談しての参加になってきました。いや、そらそうでしょ。三年目に突入だからね。毎週毎週…だからね。
 今日はまず官邸前エリアへ。久しぶりにド頭の先頭集団に来てみました~。
 グミ坂に並ぶ人達の中には、雨を懸念してレインコートを着ている方がけっこういます。みんな、わざわざ、雨が降るかもしれないっていう夕方、ここへ来てんだよな…。
 青いウインドブレーカーを着た若い男の子は腰に手を当て、仁王立ちしながら一生懸命叫んでいます。その横では、年配の女性が手書きのプラカードを胸に掲げ、じっと黙って立っています。腕組みしながら、ちょっとめんどくさそうに声をあげる男性も。いや、めんどくさいよ、こんなこと。早く抗議なんてやめたいよね。
 官邸前エリアはスピーチはほとんど無く、ずっとコールを続ける抗議スタイルです。何回も何回も…同じ言葉を何度も何度も繰り返し叫んでいるだけなのに、なんつうか…飽きないんですよね、これが。普通、退屈だよね。おんなじ事、何回も叫んでるだけなんだもん。でもきっと1回1回違うんだよね。ここに来て声を上げている人達にとっては、同じ言葉でも1回1回が違う気持ちなんだろうな…。
 国会前の方へ行ってみました。
 黒いオーソドックスなゴム長靴をはいた老夫婦が、塀に座っておにぎり食べながらコールしています。おにぎりをほおばりながらも「原発いらない!」と叫ぶお二人(^^;首からはプラカードをさげています。
 カバンを持った会社帰りのサラリーマンの男性が1人、眉間にシワをよせ、ムッとした表情で黙って国会を見つめていました。
 1人で来た感じの女の子が、みんなからちょっと離れた場所で、バッグを抱えるように持ち、立っていました。コールが始まっても声はあげず、黙って立っています。でも彼女、凄く明るい表情をしていました。しっかりとした表情でみんなの方をじっと見ていました。
 またまた財務省の交差点の方へ戻って来ました。いつもの寄せ書き集めの方達が今日も呼び掛けています。今日は、川内原発と大間原発への寄せ書きです。最近、書いてなかったな~ってんで「書きま~す!」と近づいていきました。大きく広げられた模造紙には既にたくさんの言葉が。
寄せ書き①.jpg
寄せ書き②.jpg
『No More フクシマ 故郷を失う苦しみをくりかえすな』
『福島の私の実家には、今、敷地内に除染土の仮置きコンテナがおかれています。絶対に再稼働を許してはいけません。』
思わず…
「ホントだよ、絶対ダメだよ」
と呟くと、寄せ書き集めをして下さってるご婦人が
「そうよ、絶対ダメよ!」
「ですよね」
と私が答えるとご婦人は
「本気だから私…。本気でやらないとダメなのよ」
そして、
「あのね、私達の中にも悪魔がいるの。『ほっとこう』って悪魔がいるの。でも、ほっといちゃダメなの。絶対ダメなのよ」
するとそこへ、1人のおじさんがやってきました。おじさんはニコニコしながら、
「核の花はいつか散る!」
と言います。
「そうね~、散るわね!必ず!」
するとおじさんはまたニコニコと…
「既に我々は勝っている」
思わず私も
「そうですよ、勝ってますよ!」
と言うと、おじさんはニッコリ。ご婦人が更に元気な声で、
「頑張ろっ!…頑張るしかないもん!」
「はい!頑張りましょう!」
私も笑顔でその場を離れました。
官邸前エリアでは最終コールが始まっていました。雨が上がってから風が強くなってきています。しかも冷たい!
また冬に逆戻りしたかのような寒風吹きすさぶ中、みんな身を縮めるようにして一生懸命コールしていました。時折、風に乗って桜の花びらも飛んできています。
桜は毎年毎年、みんなに注目され、歓ばれます。咲いた咲いた!綺麗だ!って騒がれ、テレビや雑誌やインターネットでバンバン紹介されます。
けど、その足元には、必死で頭をあげて咲く小さな花もあります。
ここ、金曜官邸前抗議の場にも…目立たないたくさんの花達が、一生懸命咲いています。
本当に本当に、綺麗な花達です。
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