【2014/4/18】東京・官邸前レポート

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「情景が目に浮かぶ」「毎回感動して泣いてしまう」と大好評の、スタッフの方からのレギュラー・レポートをお届けします!
暖かくなったかと思ったら、急に寒波ががおそってきて、春の装いには本当に寒い夜でした。
次回は4月25日(金)です!
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=4142
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財務省交差点.jpg
昨日は上着がいらない位のポカポカ陽気かと思えば、今日はグーンと温度が下がって凍える様な寒さ!…まったく、体がついていけませんよ~。
今日はまたまた微妙な雨予報。会社を出て空を見上げると、今にも振り出しそうな鉛色の空。ギリギリもつかな~、頼むよ~と空を仰ぎ、地下鉄乗り場へ降りて行きました。
電車に乗っていると、既に到着している官邸前抗議のスタッフ達から「本気で寒いよ!!」「半端ない寒さ!」「さみーっっ!」と脅しの様なメールが次々と…(ぶるぶる)
霞ヶ関で降りて外に出ると、目の前を緑色の傘が横切って行きました。傘にはマジックで『子供を守れ!』『命が大事だ!』『NO NUKES!』などと書いてあります。小柄なお婆さんがその傘をさし、経産省脇の坂を1人で登って行きました。
いや…ホントに寒いっ!!何だこりゃ…まるで真冬の寒さ!寒くなるとは言ってたけど、こんなに寒くなるなんてーっ(泣)
ううう…と、既に弱腰になって(はえーよ)横断歩道に立つと、隣に、ビニール袋に自分のバッグを入れ、カッパをきっちり着込んだご婦人が1人やって来ました。信号が青に変わると、元気よくさっさと歩いて行かれます。雨なんて関係ないわって感じ…。
…まったく、ちと寒いくらいで、うーうー言ってる私は何なんじゃ…(>_<)しっかりせいや!
時々、「気のせい?」程度の水が頭の上から落ちてはくるものの、雨は何とか持ちこたえています。しかし気温はぐんぐん下がっている感じ。抗議に並ぶ参加者の方々も本当に寒そう!
グミ坂に、マスクしてフードかぶって、ポケットに両手突っ込んで、足踏みしながら立っている男の子がいます。
どっかの社長のような雰囲気の、背広をきちんと着こなした初老の男性は、姿勢よくビシッと立ち、小さな声でコールしていました。
バッグから新聞を出して、あーだこーだと話し出す男性二人。すると、近くに立っていた別の男性が何気に反応し、会話に加わります。今度は三人で、あーだこーだ話が始まりました。
見ず知らずの人達が自然に話が出来る、独特の空気があるんですよね、こういう抗議の場には…。
大学生みたいな若い男の子が二人、「マジ、さみーな…」って言いながら立ってます。薄着な彼らは肩をすぼめ、コールが始まっても、あまり声は出さず、時々ちょっと口元をボソボソと動かしていました。いやホントにさみーよなっっ!
お!小さな黄色いメガホンを持って、元気にコールしてるおじさん発見!あれ…黄色いメガホンには『のどごし生』ってシールが貼ってある…(^^;(笑)
今日は、久しぶりにECDさんがコーラーに参加しています!久々にグミ坂に響くECDさんのコール!体を揺らしながら…全身から絞り出す様なコールです。「原発いらない!!今すぐやめろ!!」声に力がこもります。「原発ゼロを撤回するな!撤回するな!!」
今日はドイツやベラルーシから福島視察に来た、被曝や原発問題のアクティビストの方々も抗議に参加していました!グミ坂を下って行きながら、参加者の方々にニコニコと笑顔でエールを送っています。時には拳を上げたり、手を振りながら…。参加者の方々も手を叩いたりして元気にエールを返していました。
グミ坂の終わり付近の人気のない場所で、毎週必ず、丸い太鼓の様なもの(何て言うんだろ…あれ)を叩き続ける年配の女性がいらっしゃいます。時には二人で、元気にお経の様なものを唱えながら、淡々と叩き続けています。最初見た時、ちょっと特異な雰囲気を感じてしまいました。でも、この方、いつもとても柔らかい表情で太鼓を叩いているのです。そして、目の前を誰かが通る度に、必ず、頭を下げられるのです。毎週毎週、その方のそんな姿を見ているうちに、最初に感じた印象は全く変わり、「いつもありがとうございます…」という気持ちで私も頭を下げ挨拶する様になりました。
国会の方へ行くと、いつもの『文字起こし』のお兄さん(編集注:こちらに紹介されています)が、おにぎりを頬張っていました。最初の頃は足を止める人もほとんどいなくて、いつも薄暗い中にポツンといたお兄さん。最近は読みふけったり写真を撮る人も多く、お馴染みとなってる常連さんもいるようです。良かった良かった!(涙)(保護者かよ!)
今日はエネルギー基本計画についての各新聞の反応です。先週あっさりと原発ゼロを撤回し、再稼働容認のエネルギー政策を打ち出した安倍内閣。
読売新聞.jpg
Y新聞の反応を読みながら「無責任な脱原発って何だよ…」と、私がブーブー文句言うと、お兄さんはいつもの涼しげな表情で「原発大歓迎な人たち、たくさんいますよ」。そして「あれじゃ足らんから作れとかね…」
「ま~ったく、頭大丈夫かって言いたいですよ!」と私が更にブーブー言うと、
「ねぇ…ホントに」
するとそこへ1人のおじさんが、こんにちはと足を止めました。お兄さんとは顔馴染みな様子。おじさんは鞄の中から、ぶ厚い紙の束を取り出しました。なんと…『エネルギー基本計画』の全文をダウンロードして持ち歩いてるそうなのです!
「これ読んでおいた方がいいですよ。僕は電車の中で読んでるけど、腹立ってくるよ…。」
そして、おじさんは
「もう、病気みたいなもんだね。お金になるから手放せないんだよ、原発を。」
「だって、爆発したら自分だって死ぬんですよね。自分が死んでもいいってことですかね?」と私が言うと、おじさんとお兄さんはサラリと…
「自分だけは死なないと思ってんだよ。大丈夫だって。麻痺してんだよな。ま、ホント病気みたいなもんだよね。どーしょもない。」
あぁ…目眩が……
今日は雨予報だったので、いつも軽食や飲み物を提供してくれているゲリラカフェはお休みのようです。
国会前エリアの一歩手前の窪地で、いつも楽器を持って抗議を盛り上げてくれてる『み』ちゃんと『あ』ちゃんが、プルプル震えながら暖かい飲み物を飲んでいました。「も~~、さむっさむっ寒すぎ…」。いやいや、既に真冬の様な寒さの永田町。只今の気温、9℃という恐ろしい情報も……。わたしも手がかじかんで、レポートを携帯にメモる事が出来ないほど(>_<)二人のそばにしゃがみこみ、私も暖かい飲み物を貰いました。あ~ちょっと生き返ったぁ…。
「今日はゲリラカフェ、いないんだね。あのタルト食べたかったなぁ~」と私が呟くと『み』ちゃんが、
「ゲリラカフェのタルトは砂糖や動物性のもの使ってないじゃん。それで、あんなに美味しいって、ホント凄い。」
「ねー。一度食べてから大ファンだよ。やみつきになる。」
「でもさ、あれだけの量を作ってさ、それをひとつひとつラップにくるんで、ここまで運んでくるって…相当大変だよね。本人達は『修行だと思ってやってる』って言ってたよ。」しかも代金はカンパ制です。
『修行だと思ってやってる』…その言葉が何となく心に残りました。
太鼓のご婦人、文字起こしのお兄さん、ゲリラカフェ…その他、ここに来てる全ての人。みんな自分が出来る事を淡々と続けています。
あきらめないことです
あきらめたらおしまい
《まどみちお》
あきらめないよ、私も続けていくよ…
また来週~!
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