【2014/4/11】東京・官邸前

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4月に入り、夜の抗議行動もようやく少し暖かくなってきました。
「情景が目に浮かぶ」「毎回感動して泣いてしまう」と大好評の、スタッフの方からのレギュラー・レポートをお届けします!
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今日は、再稼働を明記したエネルギー基本計画の閣議決定に対する抗議として、12時~13時に官邸前で緊急抗議が行われることになっていました。もちろん通常の官邸前抗議もあります。
遂に、原発再稼働に本気で走り出した政府。ありえない…。
今日の12時~13時の緊急抗議が決まったのを知ってから、何とか参加したく、昨日からどうやったら会社をサボれるかひたすら考えていました……(※これ読んでる会社のHちゃんUちゃんSさん、お願い聞き流して)
しかし朝イチの仕事もあり、休むのは難しい状況。とすると、あとは11時頃に早弁し、突然、はらいた起こして早退ってテしかないな…(早弁はしなくてもいいだろ、早弁は)
そんな必死の妄想も虚しく、結局緊急抗議には参加できず…(泣)会社に居ても気になって気になって仕方ありません。しかし、平日真っ昼間の緊急抗議にもかかわらず、たくさんの人が集まったとのこと。「悔しくて涙が出てきた」という声も聞きました。
福島の原発も全く収束してないというのに、どんどん原発再稼働へと向かって行ってる…。ワナワナワナワナ…((怒))
97回目を迎える金曜官邸前抗議。ワナワナしながら向かいました。(怒)(怒)
今日は官邸前につながるグミ坂の歩道エリアが私の担当だったので、まっすぐ官邸前エリアへ!昼間と夕方、二度の抗議という人もたくさんいるようです。
背の高~い外国人女性が1人、グミ坂を歩いてきました。抗議に並ぶ人達を真剣な表情で見つめています。私と目があうとニッコリと微笑み、小さくお辞儀をして通りすぎて行きました。
『脱原発』の脱の文字を赤で書いた、手書きのプラカードを片手で掲げたまま、塀に座って資料の様なものを真剣に読んでいるおじさん。
その近くにサッと入った若い男の子は、ポケットに手を突っ込み、ムッとした顔で前方を見つめています。
今度はそこへまた別のおじさんが入って来ました。リュックからガサゴソとプラカード出すと、胸の前に掲げて黙って立っています。
官邸前に向けての抗議スピーチが聞こえて来ました。
「16万人の福島の被災者を見捨てて、原発に回避するあなたの心は汚れています!」
「そうだ!!!」
と叫ぶ参加者の皆さん。
「原発なんて絶対反対です!」
「絶対反対だー!!」
6時半すぎからどんどん人が増えて来ました。と同時に、帰る方々もいます。入れ替わり立ち替わり…リレーしながら抗議は続いていきます。
来たとたんバッグからパンを出して、かじりながらコールするおばさんがいます。いや、ゆっくり食べてくださいよ…ホントに…(泣)
地下鉄入り口から若い男の子が二人、出てきました。おっ…初めてっぽいな~この二人。匂いで分かるぜ!(どんな匂いですか?)
二人はキョロキョロしながら周りを見渡し、とりあえず…って感じで、出口近くの抗議の列に加わりました。しばらくそこに立っていましたが、「ちょっと回ってこようぜ」と言うと、グミ坂を前の方へ、ゆっくりした足取りで上がって行きました。
グミ坂ではまた抗議スピーチが始まります。「あなたが首相やめるか原発やめるか、どちらかにしてください!」
すると斜め前に立っていたおじさんがボソッと呟く様に…でも、相当な怒りを含んだ言い方で「辞めちまえ早く…」。
次のスピーチの方が「安倍、よく聞けー!」と言うと、またボソッと「よく聞けよバカヤロー…」。
グミ坂を上がって行った、さっきの男の子二人組が戻って来ました。二人はちょっと興奮した様子で「若い奴多いよなあ!すげえなぁー!」と言いながら、また抗議の中に加わりました。
毎月、南三陸町にボランティアに行ってるという女性が官邸に向かってスピーチし始めました。
「この間は、初めて南相馬にボランティアに行きました。綺麗なおうちがそのまま…誰も居ない街に立っているんです…。」
女性の声は僅かに震えていました。
ペパーミントグリーンのコートを着た女の子がやって来て、抗議の列に入ります。綺麗な色だなあ~。ちょっとホッコリ(^^)うふふ
若い男の子が片手を握りしめて近づいて来ました。「カンパします」片手に握り締めた小銭をソ~ッとカンパ袋に入れると、ペコリとお辞儀をして帰って行きました。それと入れ替わる様に、スケボー持った男の子が地下鉄出口から出てきて抗議の列に入ります。
その後ろから、また若い男の子が1人、地下鉄出口から出て来ました。周りをゆっくりと見渡し、グミ坂を前の方へと歩き出します。ちょっと歩いたところで立ち止まり、また引き返して来ると、おずおずした様子で私に近づいて来ました。そして、
「あの、すみません…これって…どっから入ったらいいんですか?」
「え…?抗議…の事ですか?」
「はい」
「あ、どっから入っても大丈夫ですよ!お好きな場所にどうぞ!」
すると男の子はホッとした顔で、「ありがとうございます」と笑顔を見せると、キョロキョロと辺りを見回し、それでもどうしたらいいか分からない感じで、今、出てきた地下鉄入り口の側にそっと立ちました。
最終コールが始まりました!今日はいつも国会周辺でドラムを叩いてくれてる「み」ちゃんが、体調不調にも関わらず、最終コールに合わせてグミ坂で太鼓を叩いてくれてます。いつもと違う音が響き渡るグミ坂。決して大きな音ではないのですが、心臓の鼓動の様に…静かにドコドコ鳴り響く太鼓。いい感じだなぁ~。ありがとう「み」ちゃん~!!
8時になりました。
お疲れ様でした~と、みんな帰り始めると、さっき「何処から入ったらいいですか?」って聞いてきた男の子が、またおずおずと近づいてきました。そしてちょっと恥ずかしそうな笑顔で「あの…カンパします」と言って、慣れない手つきでカンパしてくれました。
「わ!ありがとうございます!…初めてのご参加ですか?」
男の子は更に恥ずかしそうな笑顔をし
「はい…初めて来ました」
「ありがとうございます!お疲れ様でした~」
と言うと、男の子はペコリと頭を下げ、
「お疲れ様でした。あの…これからも宜しくお願いします…」
と言って、もう一度お辞儀をし、地下鉄入り口に入って行きました。
帰り道、経産省の交差点まで歩いていくとビッグイシューの販売員さんがいつもの場所に立っていました。あ、新しいの買わなきゃ!と、購入ついでに抗議前に食べようと買っといたオレンジタルトを販売員のお兄さんに「どうぞ~」と渡し、横断歩道まで歩いていくと、原発反対のプラカードを抱えた抗議帰りのご婦人が、やはりビッグイシューを片手にニコニコしながらこっちを見ています。私が側まで歩いていくと笑顔で、
「ビッグイシューも値上がりして300円から350円になったのよね。」
「あ、そうみたいですね~」
「でも、値上がりした分、販売員の方に入る収入も増えるんですって。良かったわ…。」
ご婦人はそう言うと、ニコッとし…交差点を渡って行きました。
選挙では自民党が圧勝。都知事選でも自民党候補者の圧勝。原発ゼロの政策はあっさりと撤回され、いよいよ原発再稼働へ向けて、強引とも言えるスタートを切り始めています。
どこをどう見ても…
『最悪』
しかし…
負ける気がしません。
能天気すぎでしょうか…?
私はこれでも…どちらかっつーと能天気な方では無いはずなんですが、原発に関しては、どういうわけか…負ける気がしないのです。
後から後からこんだけ不利な状況に追い込まれてんのに…。単にニブイだけなのか、アホなだけなのか…。
でも本当に悲観的にはならないのです。いや、なりたくてもなれないのです。
『奇跡は起こる。希望の光は消すことはできない。』
今日、偶然聴いた…しかも、生で聴いた歌の一部分です。今日この言葉を聴いたっていうのも、単なる偶然ではない気がします。
「負けて負けて負けて…そして最後に勝つ」
必ず…
では、また来週~!!
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