【2013/10/25】東京・官邸前

「読んでますよ!」「内容がおもしろいので毎回楽しみにしています!」などの声もよく聞くようになったこのブログ。
今週もお届けします!
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写真:鳥.jpg
またもや台風が来ていました。
もう今日は確実に雨だよなぁ~と、仕事中何度も外を覗いてはため息…。
ま、でも今日は気合い入れて真っ赤なマニキュアぬってきたし、綺麗な緑色のレインブーツ履いてきたし…大丈夫でしょ!(何が?)
覚悟を決め、午後、ドデカミンストロング飲んで気合い入れ、会社出る前には同じ部署のUちゃんに「あのさー、この後、雨降らない様にしといてくれる~?」と命じ(←ムチャクチャ)…
来ました。
これでバッチリ!!(何がや)
…気分の問題です、はい、所詮、そんなもんですわ(-_-)
しかし会社を出て空を見上げると、雲はどんよりと重たいものの…雨を抱えたまま奇跡的に持ちこたえています。針でピシュ!って突っついたら、ドバーッッてきそうだや…と思いながら、急げ急げ!と官邸前へ向かいました~。
時折、ポツ…とくるものの、何とか降らないまま、財務省交差点まで来ました。今日は台風による悪天候を考慮して、官邸前エリアだけに絞り、時間も30分早く切り上げ7時半で終了とのこと。HPやツイッターなどでは「どうか、ご無理のない参加を…」と自粛気味に呼び掛けたそうです。
それでも…
金曜のこの場所には、約1100人の人達が、いつ降りだすか分からない不安定な空の下、原発反対の叫び声を上げていました。
急げ急げと小走りにガツガツ歩いて来たので、到着した時には、何気に汗だく…(@_@;)上着も脱いで長袖Tシャツを肘上まで腕まくりした格好で歩いて行くと、官邸前抗議が始まった時からずっと取材に来てくれている記者さんにバッタリ。私を見るなり笑いながら「寒くないですか?(笑)」。「いや何か急いで来たら汗だくで…」と言うと「風邪引かない様に気をつけて下さいよ。ホントに毎週毎週お疲れ様…」と仰るので「お互い様ですよ~」と笑うと「ホントにみんな頑張りますよね…」。空を見上げながら私が「雨ギリギリもってますね」と言うと「ホントに…。今日はどうなることかと思いましたよ」「天気くらいは味方してくれないとなぁ~。でも最近、奇跡的に大丈夫なパターンが多いんですよ」すると記者さんは「誰かが言ってました…みんながここで原発反対!原発反対!って叫んでると、雨も止まってくれるんだって…」…。「いよいよ天も味方し始めたんですかねぇ」お互い笑いながら、じゃあまた…と言って別れました。
グミ坂に差し掛かかった所では、年配のご夫婦がキョロキョロしながら歩いています。二人は、グミ坂の由来が書かれた看板(?)の前で立ち止まると、熱心にそれを読み始めました。初めて来たのかなぁ…。二人を追い越し、そのままグミ坂を登っていくと、いつもの様にたくさんの人達が元気にコールしていました。
こんな天気なのに…みんな凄いな。そう思いながら、舗道を上がって行きます。
こんな天気なのに…いや、こんな天気だからこそ…でしょうか。何だかみんな凄く生き生きした顔をしている様に見えます。コールもパワフル!!何か元気出る~!
鳶職の格好をした、金髪でロン毛のおじさんが、手作りの旗を担いで歩いて来ました。ダボダボのズボン、頭には手拭いを巻いてます。肩で風を切り(笑)颯爽と歩いて行きました。
台風の心配があるにも関わらず、続々と人が集まって来ます。グミ坂の最後尾は緩やかに伸びていってます。
『核の星、カネの星?それでも命の星、水の星』と書いたプラカードを掲げている男性は、青いウインドブレーカーをすっぽり着込み、寒そうに立っています。
その近くでは、やはり手作りのプラカードを持った女の子が、元気な声で力一杯コールしていました。
フライヤーとカンパ袋を持って立つとすぐ、一人の女性が「そのチラシ、11月の予定のかしら?200枚くらい頂きたいんだけど…」と、近づいて来ました。「毎月必ず、自分のマンション全部と、近くのマンションにポスティングしてて…」とても静かな口調でそう言うと、取り立ててニコリともせず、真剣な表情でフライヤーの束を受け取り、雨に濡れないように注意深く抱えながらペコリとお辞儀をして…帰って行きました。毎月必ず200枚のフライヤーをポスティング…。頭が下がる思いで、帰って行く彼女の後ろ姿を見つめていました。
そこへ「それ、新しい予定表?一枚もらっていいかい?」と、一人のおじさんが元気な声でニコニコとやって来ました。「この間、金曜に来たらやってなくてさ、びっくりしちゃったよ。ちゃんとコレ(チラシ)の予定表見とかないとダメだね(笑)」「あ、この間の金曜ですね!日曜にデッカイのがある時は、休みになること多いんですよ~。すみません!」「いやいや、いいんだよ、ちゃんとチラシ見てない俺が悪いんだからさ~。でもさ、その日、他のとこが抗議やっててさ。『これ、原発反対の抗議か?』って聞いたら『そうだ』って言うから、同じ原発反対なら何だっていいや、ってんで参加したんだよ。だから無駄足にはならなかったよ(笑)」おじさんはニコニコしながら話します。
この日はいつも大規模行動の時に協力団体になってくれてる「再稼働阻止全国ネットワーク」が主催で原発反対の抗議をしていました。毎週恒例の抗議が無い時に、何か問題が起こるといけないので、信頼できる「再稼働阻止全国ネットワーク」の方たちが、反原連の抗議に代わって原発反対の抗議を開催してくれたのです。
「我々、年金生活者にはさ、往復千円ちょっとかかる電車賃も、毎週毎週だとバカにならないからねぇ~」「いや、ホントですよ…」「ウチの家族には、そんなバカな事やめろって言われてんだけどさ、やめるわけにもいかないだろう…」おじさんはちょっと苦笑い。そして、安倍首相や原発の話を少しした後、「まあ、とにかく…頑張るしかないね!」笑顔でそう言い、帰って行きました。
もうすぐ7時半になります。最終コールが始まりました。
グミ坂の途中では、ドラム隊が入り、コールを盛り上げています。いつもパワーをくれるドラム隊の人達…ありがとう!
ふと見ると、ボクシングの素振りをしながらコールしているおじさんが…(笑)。いやホントに、両手をパンチするように前後にパパンと出しながらコールしてるのです!しかも、何だかサマになってるし…。ほとんど目をつむったまま、何かと闘っている様な雰囲気…。凄い…(^^;;でも、いいぞいいぞ~~。
その横では対象的に、じっと黙って座ってる男性が…。
みんながみんな、それぞれの在り方で集まってるこの抗議。
7時半になりました。いつもよりちょっと早めに終了です。なんとか雨には降られませんでした~。途中、ポツポツきたりしたものの、奇跡的に大丈夫でしたっ!
帰りにグミ坂を下っていたら、前から歩いて来たおじさんが、テノール歌手みたいなスペシャルいい声で「お疲れさーん」(←テノールで)と(^^;。不意打ちだったので、ソプラノ声で返す事ができず、「お疲れ様でしたー!」と元気に返して、ポツポツきはじめた官邸前を後にしました。
来週の金曜は11月です。恐ろしやー。これからまた、寒い季節がやって来ます。気温が下がってくるにつれ、何となく気持ちも落ちてくる…という人もいると思います。色んな事に左右されますもんね、気持ちって…。
私はツイッターやfacebookや…そういうものを全くやっとらんのですが、友達がツイッターで読んだからといって、元フジテレビアナウンサー山川建夫さんの言葉をメールして来てくれました。山川さんは、テレビ業界に嫌気がさして退社、東京から田舎へ移住したそうです。もう、100%原発大反対の人です。
『友人と話していて「この先、何年生きられるか分からないが・・」と言ったら、即座にピシャリと言われた。「そういう言い方はやめたほうがいい。300年位、生きるという気持ちでいなけりゃ駄目だ!米国の言いなりになって、こんな国にされた落とし前をつけてもらわなきゃ死ねないよ!」と。全くその通りだ。そう言えば、宇宙飛行士の秋山豊寛さんも、「私は120歳まで生きて、原発事故を起こした奴らを玄孫の代まで呪ってやる!」と仰っていた。そう簡単に許してなるものか!』
すげぇな…。でも、そうだよ、確かにそうだよな…って思いました。もう、私も、ゾンビみたいになって150歳くらいまで生きようと思います。
ゾンビなので、多分税金も安くなるのでは…
映画とかも、シルバー割引ならぬゾンビ割とかあるような気がします…
ゾンビファッションとか流行ったりしちゃって…
『当店ではゾンビの入店はお断りしています』とか貼り紙あったら悲しいけど…
(誰か止めて)
んじゃ、また来週~
来週は台風来ないで~!!!

【2013/10/18】東京・官邸前

ユーモアと感動に満ちたドラマを楽しみにしている読者が急増中!
今週もぜひお読みください!
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写真:水草.jpg
今日は金曜です。(知ってます)
友人が「アッというまにもうキンカンって歌でも作るか~」ってアホな事いい出すほど、ホントにあっという間にもう金曜になりました(^^;
えらいこっちゃ…
いつものように日比谷公園を通り抜け、経産省脇の舗道を登って行きました。日比谷公園、霞ヶ関、永田町……風景は、そこかしこに、まだほんのりとNO NUKES DAYの余韻を抱えています。スタッフさんや、参加者の皆さんも、きっとそう。抜けきれない疲れと一緒にそんなものを抱えつつ…あぁ、今日も容赦なく始まる(笑)金曜官邸前抗議(^^;
でもアレだよね…。例えば、日曜にNO NUKES DAYがあったんで疲れてるだろうから、今週金曜はお休みしましょうか~って反原連の方々が言ったとしても…みんな集まって来ちゃうんだろうなぁって思う。はっきり言ってもう、そんなレベルですよ、ホントに。毎回色々めんどくさい準備をしながら、この場を用意してくれてるのは反原連の方々ですが(ありがとうございます!)、参加者の皆さんはもう自らの意志で来て下さってる感じ。場を提供する側と、それに感謝しながら自らの意志で集まる人達。それが一年以上も途絶えることなく続いているという凄さ。
財務省の交差点前にいるとドラム隊がジャンジャカ音を響かせてやって来ました。そのままむかささんのコールに加わります。元気よく演奏しながら通りすぎて行くドラム隊を、プラカードを抱えて歩いていたおばさんは、嬉しそうにニコニコしながら振り返って見つめていました。
久しぶりに、ド先頭に来てみました(笑)。いつも抗議中は、カンパ袋を受け取ったりする為だけにササッと行って戻るだけなのですが、今日はしばらく目の前に立って眺めていました。
何だか、すごく新鮮…
コールが始まりました。太鼓の音と共に叫ぶコーラーと参加者の方々。先頭のドラムメンバーは全身を使って、力一杯、音を叩き出しています。《首相官邸》は、目の前。みんなの声を、思いを、太鼓の音にのせて官邸にぶつけているかの様…。何て言うか…純粋で力強く、そして、あったかい音です。
ここから、この場所から始まったんだよな…首相官邸前抗議。
色々な思いが頭を過ります。
コールする参加者の皆さんの真剣な顔。何の迷いも無いかのように見える…強い眼差し。本当は色々迷いだってあるさ、そんな単純なもんじゃないよ。でも、続けている、続いている…ずっと。
勇気付けられる雰囲気でした。ずっと変わらず、たったひとつの思いだけでここまで来ているんだと言うことを再認識させられるような空気でした。
風が冷たくなってきました。寒そうにしている参加者の方々も見えます。これからまた、寒さとの闘いが始まるのです。
国会前でもコールが始まっていました。スタッフの女性陣がステージ脇に並び、国会議事堂に向かって、誘導棒を振り上げてます!カッコいい~!
折り畳みの椅子に座って、寒そうに丸まりながらじっとスピーチを聴いているお婆さんがいます。その娘さんかな?、一緒に来ている女性が「次に吉良さんがスピーチするみたいよ」とか「コールが始まるわよ」と、細かく話し掛けています。お婆さんは黙って頷いてます。
「寒い?帰る?」
お婆さんは首を横に振りました。
ちょっと離れた場所では塀に座ったまま、うつらうつら居眠りをしているおばさんも…。時折、ハッと目を覚まし、コールに合わせて手を叩いたり、声をあげたりしています。
国会前の信号が青になり、参加者の方々と一緒に私も横断歩道を渡り始めました。すると、横断歩道の真ん中で、急に、男の子を連れたお母さんが立ち止まりました。そして、その男の子の頭を、両手でクイッと国会議事堂の方へ向け「ほら…見ておいて…ここが国会議事堂よ…。」と静かに言いました。男の子は「ふうーん」と言って、すぐに駆け出して行きました。お母さんはとても真剣な表情でした。単に、子供に国会議事堂を見せておきたいという感じには見えませんでした。どんな思いを持って、男の子にあの建物を真正面から見せたのでしょう…。
参加者の男の子が、以前、こんな事を言ってました。
『…昨日は官邸前にたくさんの人が集まって良かった。とはいえ、何の達成感もなく、また今日も普通に1日が始まる。あの連中が原発再稼働をあきらめ、すべてを廃炉にするというまで、これを繰り返すだけ。』
本当にそうなのです。ずっとこれを繰り返してきました。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』の中で、サムがこんな事を言います。
『心に深く残る物語の中に入り込んだ気がします。暗闇と危険に満ちた物語。明るい話になり得ないので結末を聞きたくない…。悪いことばかり起こった世界が元に戻ります?
でも…この暗闇も、いつかは消え去ってゆくでしょう。暗闇の日々にも終わりが…。新しい日が来ます。そして太陽が、より明るく輝く…。
そういうのが心に残る意味の深い物語です。
子供の時は分からなくても…なぜ心に残ったのか、今は、よく分かる気がします。物語の主人公たちは決して道を引き返さなかった。何かを信じて…歩み続けたんです。
何を信じればいい?
この世には、命を懸けて戦うに足る…尊いものがあるんです。』
私達も、引き返さず、進んで来ました。
大丈夫…、きっときっと、心に残る物語になるでしょう。
これからどんどん寒くなるので、皆さん風邪引かない様に…(>_<)
また来週~!

10/13 NO NUKES DAYレポート【後編】

1013 No Nukes Day 原発ゼロ☆統一行動 -福島を忘れるな・再稼働を許すな-
の後編をお届けします!
前編はこちら
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サウンドカーが戻ってきました。相変わらず凄い盛り上がりです!もう、アレですよ、街を練り歩くライブハウスですよ!カッコいいわぁ~。サウンドカーが西幸門に近づいてきた時でした。公園の中で、小さな子供を二人連れた若いパパが、アツシさんのコールに合わせ「原発いらない~っ!!」と拳を振り上げて叫んだのです。突然、大きな声を出したパパに、子供達はビックリ。でも、すぐ嬉しそうにキャッキャ、キャッキャとパパの周りを跳びはねてます。
(パパは君たちの為に叫んだんだよ…素敵なパパなんだよ)
サウンドカー梯団がゴールし、みんなが広場に上がって来ました。その中に、黒づくめのハードなファッションの男衆5人組が。みんな、顔もキリリとしてて、カッコいい!!その人達、ふと、私を見ると、チョー爽やかな笑顔で「お疲れ様ですっ」と頭を下げ、颯爽と歩いていきました。…ぎょえー、カッチョよすぎやわー。
デモ隊のゴールとなる西幸門ですが、霞門を出発したデモ隊の通過地点でもあります。西幸門近くの舗道では、デモ隊が来るのを待ち構え、途中から飛び入り参加する人達がたくさんいました。
しかしながら、後から後からゴールしてくるデモ隊。この時は、まさか30梯団にも膨れ上がってるなんてつゆ知らずでしたが、若干…イヤな予感…いや、まちがえた、嬉しい予感が…(^^;;;デモ隊全部を迎え入れるの…何時に終わるんだろ……………
しかし、ゴールしてくる人達を見てると、ホントみんないい顔してる…。一応、カンパ集めの為にここにはいるけど、デモ隊を迎えるたびに『お疲れ様…ありがとうございます…』って気持ちになってさ…ちょっと気を抜くとク~ってなってウルッてきてググッてなるんだよね…。(何言ってんだか分かんねーよ)
次のデモ隊が入って来ました。あれ?わたしと同じTシャツ着てる女の人がいる~。今日わたしはダラクさん作の原発全滅Tシャツを着てました。思わず、自分のTシャツを引っぱりながら「おそろい!」と言うと、その人も、あっ!て顔して「おそろい!」(笑)
西幸門にいると、チラチラ聴こえてくる色々な『訛り』。今日、本当に全国から人が集まってきたということが、ヒシヒシと感じられます。「今日の飛行機で帰るの?」とか「いつまでこっちに?」や、「夜行バスに間に合う様に帰るよ」という様な会話が耳に入って来ます。
遠いところから本当にご苦労様です…ありがとうございます…。
デモ出発から2時間近く経ちました。しっかし、デモ隊止まらんな~。いくらなんでも、もうそろそろ終わるべ…。
そこへ、反原連のスタッフさんが。「デモ隊って、もう全部出ました?」と聞くと、涼しい顔で「まだですよ。あと1時間くらいかかるんじゃないかなぁ~」は!?まだ、そんなにあるんかいっ!!!待ってる参加者の方々もたたた大変だ!!!
そこへ「ご苦労さん。カンパするよ~」とプラカードを下げたおじさんがやって来ました。ありがとうございます!とお礼を言った後、「まだデモ隊、全部出てないそうですよ。あと1時間くらいかかるとか…」と言うと「ええっ!すげぇなぁ!」とビックリした後「でも嬉しい悲鳴だね…良かったなぁ」と、ニッコリ。
そうなんだよね…。みんな誰もが、たくさん人が集まればいいなぁ~って、期待と不安でいっぱいだったんだよね…。
4時半を過ぎました。まだまだ続いてるデモ隊…。ちと腹へったなぁ~そういやぁ、朝、食べたきりだったなぁ…。
そう考えると、ますますお腹がグ~………
そこへ、官邸前にいつも抗議に来ている顔馴染みの参加者さんがデモ隊と共にゴールして来ました。「わ!お疲れ様です!長時間待たされましたよね…ホントお疲れ様です~」と声をかけると、彼女はニコニコ笑いながら「やっとゴール出来ましたよ~」。そして「いつもありがとう。少ないけどカンパを…」と言い「この後は国会ですね~。後半戦もガンバらなくちゃ!」と、笑顔で去って行きました。が、しばらくすると慌てた様子で戻ってきて「忘れてた、別のカンパを…」と、チョコレートを3つ差し出してくれました。「あ!ありがとうございます!」と言うと「お腹すきますよね~、お疲れ様です」と言い、彼女は再び元気に国会の方へ歩いていきました。
日が短くなったので、4時半を過ぎるとどんどん暗くなってきます。西幸門にいたスタッフさん達は、まだまだゴールしてくるデモ隊の人達の足元を心配し始めました。日が落ちて暗くなると、広場に上がる階段の段差が危険です。年配の参加者さんも多いので、なおさら心配です。スタッフさん達はデモ隊がゴールしてくる度に「段差があります!!足元注意して下さい!!!」と、大声で叫んでいました。
17時40分頃、まだデモ隊は全部ゴールしていませんでしたが、私は国会前へ向かう事に。
西幸門を出ると、デモ隊がぞろぞろと歩いてきました。国会前へ向かう舗道を歩いていた人達が、みんな一斉に手を叩いたり叫んだりして励まします。すると、そのデモ隊の最後尾にいたスタッフの男の子が「この隊列が最終グループです!」。すると、沿道から一斉に「おおお!!」と拍手と歓声。そして舗道を歩いていた一人の男の子がデッカい声で…
「お疲れいっ!!!」
するとスタッフの男の子も…
「ありがとうっ!!!」
…泣けました。
何てことない光景かもしれません。でも、今日は本当にこういう光景を何度も目にしてきました。みんながみんな、今日ここに集まった見ず知らずの人達を、励まし、労り、支え様としている光景を…。
これが、この…原発を無くそうとしている人達の、最大の強みでしょう。他人を思いやれる力を持っているというのが…。
暗くなった道を国会へ向かって歩いていると、抗議を終えて帰って来る人達とすれ違います。「これ、何千人とかって話じゃねーだろ。すげぇ人だよ…」そんな言葉が飛び込んできました。ホント…いったい何人になるんだろう、今日の参加者。
国会前へ着くと、もう既に長い列が出来ていて、みんな整然とした様子で、黙ってスピーチを聴いています。その真剣な表情…。仄かなライトの光に浮かび上がる皆さんの表情は、思わず背筋が伸びるような…圧倒される空気がありました。
夜になって気温もぐっと下がってきました。
いつものゲリラカフェ、キヨシローエリアも頑張ってます。お馴染み自転車隊もいます。ゼロノミクマくんも来ています。
国会前からちょっと離れた場所では、歌を歌いながら原発反対コールをする、小さな輪が出来ていました。
窪地ではドラム隊を囲んで大盛り上がり!ちょうどわたしが通りかかった時は、お囃子のようなリズムで、そして次第に原発やめろのコールに。みんなが声を張り上げ叫んでいる間も、どんどん人が集まって来ます。一人のTシャツ姿の男の子は、まるで音に導かれるように、全身でリズムとりながら歩いてきて輪に加わりました。
その近くの塀には、小さな子供とパパが座って、おにぎりを食べています。
そこへ、小さな自転車に乗った子供自転車隊が(笑)
ファミリーエリアではふるさとが始まっています。塀に座ってる人達も歌い出します。優しい声でした。誰かの為に…歌っている声でした。
その隣の舗道では、沢山の人達がズラリと並んで、国会ステージから聞こえてくるスピーチを真剣な表情で聴いています。もう、道路に普通に座ってる人達もたくさんいます。
19時になりました。長い長い1日が終了です。私は数名のスタッフさん達と共に、本部近くの舗道に立ち、帰る参加者の皆さんを見送りました。「長い時間ご苦労様でした、お疲れ様でした」と言っていると、みんな「お疲れ様~」「頑張りましょう」と、帰って行きます。
一人の若い男の子が、NO NUKESマガジンをちょっと多めに頂いてもいいですか?と、近づいて来ました。「どうぞどうぞ。ありがとうございます!」と言って渡すと「僕、今日、4回目位の参加なんです。金曜日の抗議もなかなか仕事で参加できなくて…」「いえいえ、いいんですよ、時間が合うときに参加していただければ」と言うと「でも、フライヤーやマガジンは配ってます。出来る事をやろうと思って…」。「いや、そういう地道なことが大切なんだと思います。コツコツしぶとくね…(笑)」「はい、そうですね。コツコツしぶとくですね(笑)」。頑張りますと言うと、男の子は笑顔でお辞儀をし、帰って行きました。
3.11後、原発を無くしたいと立ち上がった人達は、笑いながら泣きながら、時にはケンカしながら、一生懸命大地を作り、耕してきました。途中で抜けていった人もいます、また戻ってきた人もいます、そして新しく加わった人も…。それを、遠くからじっと見てた、同じ想いの人達もいました。
色んな事があって…たくさんの涙や笑顔や汗が、全て肥料となった豊かな大地の上に、今日、遠くからじっと見守っていた人達の何人かが、初めて足を踏み入れました。そして…たくさんの種を落としていってくれたのです。種はすぐに元気よく芽を出し始めました。
今日ここにこうして大人数で集まったからといって、明日すぐに原発がなくなるわけではありません。
でも、耕し続けるんです、大地を…。
『原発の無い世界』の大地を…造っていきましょう。
必ず…必ず…
この大地は広がっていきます…
NO NUKES DAY…みんなみんな本当にお疲れ様でした!
ありがとうございました!
また…!
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10/13 NO NUKES DAYレポート【前編】

1013 No Nukes Day 原発ゼロ☆統一行動 -福島を忘れるな・再稼働を許すな-
のレポートをお届けします!
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この絵は金曜の朝、イラストレーターの友達Takakoちゃんから、メールに添付されて送られてきた絵です。その日は官邸前抗議はお休み。日曜の『NO NUKES DAY』に向けて、反原連の人達は最終準備や調整にバッタバタだったと思います。
私も何だかソワソワしていました。天気は大丈夫そうです。あとはどれくらい人が集まるか…。何しろ、事故から2年7ヶ月が経ち(…まだ2年7ヶ月ですが)、今、原発は全て止まっている。秋晴れ三連休の中日だし…。アレコレ色んな思いが私の頭を過っていました。
しかーし…
NO NUKES DAY 当日は、奇しくもこの絵の様に、太陽の光が燦々と降り注ぐ中、たくさんの新しいチカラの芽が、ニョキニョキと生まれた様な日になりました。
日比谷図書館.jpg
私が日比谷公園に着いたのは午後1時頃。2時出発のデモには、まだ1時間もあるというのに、既に日比谷図書館周辺はスッゴい人!一瞬、「あり?…時間まちがえた?」と、不安になったほど、デモの出発を今か今かと待つ人達の熱気で溢れ返っていました。
公園の入り口では『希望の牧場・ふくしま』の方たちが、パンフレットの配布をしていました。もう…ホントに、福島に取り残された生き物達の悲劇は…考える度に涙が出ます…。会釈をしながらパンフレットを受け取り、スタッフの集合場所へと向かいました。
私はいつもの如く、当日プログラム配布&カンパ隊。集合場所で、いつものデカいカンパ袋と当日プログラムを受け取り、スタッフ全員で一日の流れを確認すると、さぁぁ~出動!長い一日の始まりです!
霞門.jpg
私は、デモ隊出発となる霞門周辺で当日プログラムの配布を開始!年配の方々、ベビーカーを押したママ、子供を連れた若い夫婦、学生っぽい子達、カップル、オッシャレ~な男の子や女の子、外国人の方々…まあ、とにかく、色々な人が後から後からゾロゾロと霞門へ入って来ます。今日はホントに何というか…年配の方から若者、赤ちゃんまで、各年齢も、ひととおり揃ってるでしょ!って感じです。みなさん、これからデモに参加するんだという意気込みのようなもので、キラッキラッしてました(ホントに)。
今回、初めて参加するという人もかなりいた感じ…。「あの~、原発のデモって…ここでいいんでしょうか?」と、恐る恐る聞いてくる人や、中には「すみません、私、一般人なんですけど、一般の人はどこに入ればいいんでしょうか?」と言う人も。「大丈夫です、みんな同じですよ、お好きなところにどうぞ」と言うと、ホッとした顔で「ああ~、そうなんですね、良かった…」。
と言っても、何だか想定外の物凄い人数で、既にデモの梯団も何がなにやら…混沌とした雰囲気(^^;
ワーワーバタバタと、当日プログラムを配布してると、背広をパリッと着た、ダンディーな雰囲気のおじいさんが、杖をつきつき、ゆっくりと歩いてきました。「私にもそれ、一枚頂けるかな?」と、ニコニコしながらプログラムを受け取ると、西幸門の角の塀に腰掛け、出発を待つデモ隊を、何とも言えない表情でじっと見ていました。
出発時刻の2時を過ぎました。が、まだデモ隊はスタートしません。スタッフさんの声が響き渡ります。「大変お待たせしてすみません!公会堂の方の集会が押してしまい、出発が遅れています!もう間もなくスタートできると思いま・・・あ、OK?・・・え、まだ!?OKなら合図してくれる?え~もう少しお待ちください!」・・・ホント、あっちもこっちも大変(^^;
15分くらい押して、やっと第一梯団がスタート!すると、周りにいる人達から一斉に「ワーッ!」と歓声と拍手!!いやぁ~とにかく凄い盛り上がり!
そして延々と続くデモ隊・・・
延・・・・・・・・・・々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もう、人が多すぎて収拾がつかない状態・・・
30梯団?・・・だったとか・・・
最終梯団が、霞門をスタートしたのは17時15分頃だったとか・・・
つまりですな、後ろの方の梯団のみなさんは、3時間以上!も、待たされたわけですよ(涙)。「いつになっても出られねぇじゃねーかっっ!!!」ってキレるおじさんも・・・
そりゃそーだ・・・
ホントにホントにすみません・・・(泣)
スタッフの男の子も頭を下げて回っていたそうです。
私は、第一梯団が出発して一時間位たった頃、デモ隊を迎えるために、ゴールとなる西幸門に移動しました。霞門は、まだまだ人でごった返しています。
霞門を出ると、ベビーカーを押した若い夫婦が声を掛けてきました。「すみません、原発反対のデモはもう出ちゃいましたか?」「あ、スタートはしましたが、まだまだ続いてますよ!大丈夫です、余裕で入れます(笑)」「良かった…。あ、ファミリーエリア?とかいうのは出発しちゃいました…?」「ああ、出ちゃいましたわ。でも、お子さん連れの方もまだまだ沢山いらっしゃいますから、この後、どこに入っても心配ありませんよ!」ベビーカーを覗くと、小さな子供がすやすやと気持ち良さそうに眠っています。「分かりました!参加してきます!」二人はそう言って、出発を待つデモ隊の人混みの中へ入って行きました。
西幸門へ向かって歩いていると、年配のご夫婦がゆっくりゆっくり歩いているのに追いつきました。ご主人の方は、杖を付いていて、ちょっと脚が不自由な感じ。おぼつかない足どりで、杖をつきながらゆっくりと歩いているご主人の背中には、真っ白い紙に『原発も原爆もいらない』と手書きで書かれたプラカードが…。片手もちょっと不自由そうなその人は、それでも何らかの意思表示をしたくて、自らの背中に手書きのプラカードを背負ったのでしょう。お二人はそのまま、私と同じ西幸門まで歩いていき、デモ隊が通る道路側に面したベンチに座ると、それからしばらくの間、デモ隊が通る度に、一生懸命手を振ったり拍手をしたりしていました。
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デモ隊の第一梯団のドラムの音が、霞ヶ関のビルに反響して聴こえてきました。第一梯団が戻って来ました!西幸門に居た人達は、デモ隊に向かって大きく手を振り歓声を上げ、拍手をして迎えます。いつも官邸前最前線でドラムを叩いてくれてる三人衆と眼で(お疲れ様)と微笑み合い、私も笑顔で第一梯団を迎えました。
後から聞いた話ですが、今回のデモコースは、もちろん東電前をバッチリ通過するコース。どの梯団も東電前に来ると、コールも音も、自然と怒りで倍増してたそうです。
さてさて、西幸門では、次々にデモ隊がゴールしてきました。短いコースとはいえ、昼間から公園内で出発を待ってた人達にとっては、既に長時間の闘い。てか、何か暑いし…(^^;ゴールしたとたん、みんな、広場のあちこちに座り込んでいます。
そんな中、仕事(?)とはいえ、無情にも「カンパお願いしまーす!」と叫び出す私…
鬼や…(-_-)
悪魔の様な微笑みでカンパ袋を持って徘徊してると、噴水の所に座ってたオッシャレ~なカップルの男性の方が「カンパします」と駆け寄って来てくれました。そして「お疲れ様、これからも頑張りましょう」と…。はい!ありがとうございます!と言いながら、女性の方にも向かってお辞儀をすると、笑顔で手を振ってくれました。
すると、後ろから別の女性が駆け寄って来て「すみません、あっちに疲れて立てないんだけど、カンパしたいっておじいさんがいるから行ってあげて!」と。見ると、けっこうなお歳のおじいさんが疲れ果てた笑顔でこっちを見ています。「わあ…お疲れ様でした~」と駆け寄ると、おじいさんは、ふあっふあっと、声にならない息を漏らし、それでもとびきりの笑顔でニッコリと微笑んで下さいました。
小さな女の子が近づいてきました。はい!と言ってカンパ袋にお金をチャリン!「ありがとう」と言って女の子の戻っていく方を見ると、若いママが恥ずかしそうに「少なくてすみません!」と笑顔でお辞儀をしていました。
今日はデモ隊を迎えてる時も、カンパをお願いしてる時も、とにかく、目が合うと自然とみんなニコニコ会釈。何だかまるで昔からの知り合いのようです。何だろう…。連帯感とはちょっと違う。仲間意識とかでもない。何か、無条件に信頼しあえる空気というか…。無防備…まではいかないけど、それに近い、不思議な安心感が漂っていた時間でした。
次のデモ隊が来ない僅かな間を狙って、日比谷図書館内のトイレに行こうと、カンパ袋を持ったまま向かいました。1階のトイレが混んでいたので、4階まで上がっちゃえ!と思い、エレベーターを待っていました。地下から上がってきたエレベーターに乗ると、中には若い派手めなカップルがエレベーターのボタンを押しながら、無表情な顔で立っていました。思いきりカンパ袋をさげ、腕には反原連の腕章を付け、リュックにはNO NUKESのバッチ、手にはNO NUKES DAYの当日プログラムを抱えた、いかにも…な私の姿を、二人は無表情なまま、無言でじっと見ていました。2階のランプがつきました。若いカップル二人はエレベーターを降りる時、私にペコリとお辞儀をして…降りていきました。
後編へつづく