カテゴリー: 日記

  • 【2014/10/10】東京・官邸前

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    10月10日(金)の「再稼働反対!首相官邸前抗議!」のレポートをお届けします!
    次回は10月17日(金)です!
    詳細はこちら
    *************
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    朝からソワソワしていました。
    今日は金曜日、いつも通り官邸前抗議の日。しかし今日はそれだけではありません。奇しくも抗議開始の午後6時、ノーベル平和賞が発表されるのです。
    そうです…今年はこれに憲法第9条がノミネートされているのですっ!
    もし、9条がノーベル平和賞をとったら、現政権には相当な大打撃。そうなると、原発問題にだって多大な影響があるはず…。
    欲しい!ノーベル平和賞!!くださいっ!!!
    午前中はそれほどでもなかったのに、3時を過ぎたあたりから何だか勝手に心臓がドキドキ。もう~ソワソワしちゃって落ち着きません。
    あと3時間、あ、2時間切った…うわあぁぁ…。
    とても仕事どころじゃありません。
    落ち着け、自分!!!
    ノーベル平和賞専用のホームページではカウントダウンが始まり、いやが上にも盛り上がります。今までこんなにノーベル賞の発表を真剣に待ち望んだことがあったでしょうか?いえいえ、ありません。というか、自分の受験の合格発表の時より緊張してる気が…(いいのかそれで…?)
    あぁ、この間の大飯原発住民訴訟の時は全く期待してなかったから、もっと気楽に待てたのになぁ~…
    はっっ!期待しちゃいかんのか!期待しなかったから奇跡が起きたのか!?よし、もう考えない様にしよう、気にしない気にしない…もう気にしない…あと1時間か…(無理)
    定時で会社を飛びだし、心の鎮静化を図るためとりあえず歩き出しました。ううう、30分切ってるぞ。おそろしや~…くれ、くれ、ノーベル平和賞、9条に決まってくれ~~~!!
    あと10分!心臓が口から飛び出しそうになった時、ふっと空を見上げ天を仰ぎました。すると…
    あーっ…!
    そこに広がっていたのは真っ赤~な夕日!もう、それはそれは綺麗な、悲しいほどに綺麗な…赤く染まった空でした。まるでノーベル平和賞で熱く盛り上がっているみんなの気持ちを表したかの様な空!
    うわー…という気持ちと共に、ふわ~っと心が緩み、「あぁ~、こんなにもドキドキわくわくさせてくれてありがとう…」と、何に感謝してるのかよく分からない気持ちになり、涙が出そうになってしまいました。
    すごいなぁ~、このタイミングでこんな夕日が現れるなんて…。
    金曜日で、官邸前抗議開始の時間に発表されて、前振りでこの夕焼け空…こんないろいろ揃ってる劇的なタイミングってある?
    てことはもしかしてえぇぇぇぇ~!!!
    人生はそう甘くはありません。
    選ばれませんでした…(アウッ)
    勝手に緊張して一人で大騒ぎしてたので、力の抜け方も凄まじい…。
    「また来年。来年までこの9条を守らなくては。」と自分に言い聞かせながらヨロヨロと官邸前へ向かいました。
    官邸前に到着すると、いつもはない三角コーンでの仕切りが財務省交差点近くまで並べられてありました。
    そうなのです。これまた今日はちょっとイレギュラーな官邸前抗議なのです。
    学生達の有志SASPLが秘密保護法の抗議を官邸前でやりたいとの相談を受け、反原連主宰の原発抗議を18時~19時に短縮し、19時30分からはSASPLの秘密保護法抗議になったのです。国会前抗議はいつも通りの18時~20時です。
    グミ坂を登って行くと、いつもと同じように色々な方達が声をあげていました。
    グミ坂を、杖をついた男性を気づかいながら、隣をゆっくり歩く女性はコールにあわせて呟くように声を出しています。
    【安倍いらない】とマジックで書かれた団扇を振りながら「再稼働反対!」と叫ぶ女性。
    無表情で淡々と、しかし瞳は前方を見据えながら叫んでいる男性もいます。
    泣きそうな顔でコールしている女の子がいました。その横を官邸に向かって吐き捨てる様に叫ぶ男の子が通りすぎて行きます。
    あっという間に19時になりました。
    ダラクさんのいつもの素敵な官邸に向けてのスピーチの後、ミサオレッドウルフさんがこの後19時半から主催が変わってSASPLの抗議になることをアナウンス。「どうぞ若い人達を表に出して私たちは一歩後ろへ下がって…」の言葉に、ドッと笑いが起こりつつ、参加者の方々は本当に一歩後ろへ…。さすがな皆さんです。国会前はこのまま引き続き原発反対の抗議をしておりますのでの言葉に、ぞろぞろと国会前へ移動し始める方々もたくさん。
    私もちょっと後片付けを手伝った後(ほとんど何もしていない)そのまま国会前へと移動しました。
    と、その前に…ノーベルさんのおかげで勝手にグッタリしてたので、ゲリラカフェでちょっと腹ごしらえを…。ピタパンサンドと飲み物を頂き、近くの塀に座って「ウマーイ!」てパクパク食べてると、目の前を反原連スタッフのダラクさんが国会前の方へ通りすぎて行きました。そうなのです、今日は国会前抗議が終わった後、11月から始まる(のか本当に?)下水道工事に向けて、新たな国会前ステージの場所や何かの打ち合わせがあるのです。いろいろいろいろ大変です…。
    急いで腹ごしらえした後、国会前エリアに向かうと、ステージ上では参加者の男性のスピーチが始まっていました。その方は最後に、「すみません、最後にちょっとこれだけ言わせて下さい。首都圏反原発連合の皆さんは、毎週毎週この抗議の場を準備するために、陰で並々ならぬ大変なご苦労をされていると思います。ありがとうございます。感謝の気持ちを込めて拍手を送りたいと思います。」するとそこにいた参加者の方々から一斉に、惜しみない暖かい拍手が巻き起こりました。ホッと和む、あったかい一幕でした。
    官邸前から移動してきた方々も加わり、皆で再稼働反対のコールを国会に向かって叫び、抗議は終了しました。
    官邸前エリアのスタッフのMちゃんも移動してきて「何か新鮮~!」と笑いながら後片付けを手伝います。(※ここでも私はほぼ何もしていない)
    スタッフのみんながチャッチャと手際よく荷物をまとめ終わると、公園の窪地ではステージを置いて、反原連の方たちがあれこれ意見を言い合い、新たな国会前エリアについて警察の方と話し合っていました。「ここから国会議事堂に向かってこういう方向で抗議をするから…云々」参加者の方々の気持ちも考えながらあれこれ意見を出しあっての話し合いです。
    そうなんですよ、この国会前エリアのステージ…。今まで使ってきた古いステージが老朽化したため、新しくステージを購入したのですが、そのステージが今まで使っていたのより若干高いため、そこに上がる踏み台をどうするかで、もうどんだけ反原連の方たちが意見交換していることか!お年寄りや身体の不自由な方も乗りやすい様に…そして安定性も重要…あとは微妙な高さも難しいところ。材質や重さ、もちろんお値段も考えながら、意見交換している本人達が「もういい加減、誰か決めちゃって下さい」と言い出すほど(笑)延々と話し合っています。
    いやはや凄いわ、本当に…って思いました。とにかく様々な事を考慮しながらベストのモノを!ってずっとずっと意見交換。(もう決まったのかな…)
    この間本屋さんに置いてあったマザーテレサの栞に書かれていた言葉…
    『大切なのは、どれだけたくさんのことをしたかではなく、どれだけ心をこめたかです。』
    暖かい、素敵な言葉です。
    さて…今のこの時期は昼夜の温度差が激しく、風邪をひきやすい時です。風邪ひきさん、多いですよね。
    皆さんどうか体調には十分気をつけて。これからまた、寒い冬の抗議がやってきます。
    せめて心は暖かく…暖かくいられます様に…
    んじゃ、また来週~!
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  • 【2014/09/26】東京・官邸前 300個のお饅頭の行方は?

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    また号泣してしまいました。
    恒例のレポートをお届けします。
    双葉町から避難されている70才を過ぎたお饅頭屋さんが、「どうせ、こんなの売れるわけねぇ。」と言いながら3年ぶりに作った300個のお饅頭の行方は?
    次回は10月3日(金)です!
    1003 再稼働反対!首相官邸前抗議!
    ~*~*~*~*~
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    霞ヶ関駅から財務省交差点に向かって坂を登っていると、何やら臭い匂いが…。
    「クサッ!何じゃこの匂いは??」
    と思ったら、アレです…
    銀杏でしたっ
    霞ヶ関、官邸前、国会前周辺のイチョウ並木は、今、紅葉前の銀杏の時期。舗道には銀杏がたっくさん落ちています。
    銀杏美味しいですよねぇ~大好きです!でも何であんなにナニ臭いんだろ…
    今日は風が強い。飛ばされそうなほど強い風が官邸前・国会前にも吹いていました。しかも、けっこう冷たい風です。
    国会前へ行くと、スピーチが終わりコールが始まっていました。反原連の方と当日手伝いのスタッフさんが、何人かでリレーしていきます。
    いつも何回も聴いてきたコールですが、今日、あっと思いました。…暖かい。
    もちろん、国会議事堂に向かって原発やめろ!と、怒りを込めて文句を言ってるわけですが…。でも、暖かいのです、とても。
    怒りが少ないとか、口調が生ぬるいとか、そういうことではありません。
    誰かを思いやる、励ましてる…そんな気持ちに包まれている様に聞こえたのです。
    わぁ…と、思いました。
    みんな、特に意識はしていないでしょうが、色々な思いをこめて叫んでるだろうなと…。もちろん原発反対の気持ちを込めてんだけど、なんというか…自分の人生への思いも込もってる様な…そんなコールに聴こえました。
    人は誰だってそれぞれ色んなものを抱えて生きてますもんね。ここへ来てる人達だって、原発反対だけ叫んで日々、生きてる訳じゃないですもんね。
    それで思い出した話が…
    ちょっと余談みたいな感じですが、今日は《番外編》という事で、是非、この話を聞いてください。
    ~*~*
    うちの地元、埼玉の騎西高校では双葉町から避難してきた人達を受け入れてますが、そこ騎西高校に、私の叔母がずっとボランティアに行っています。
    (因みに、叔母は筋金入りの社会運動家で、保母さんをしながら、ずっと部落差別の闘いをしてきてて、311以後は原発反対のデモや大抗議にも良く参加しています。あ、もちろん、ここ、キンカン(金曜日の官邸前抗議行動)にも!)
    その騎西高校で、70歳を過ぎた饅頭屋のお爺さんが避難生活を送っていました。職人気質の頑固なお爺さんで、避難してきてからはすっかり気力を失い、ボランティアさんにもなかなか心を開かない状態でした。
    しかし、明るく真っ直ぐな雰囲気を持つ叔母には心を緩し、だんだんとうちとけてゆき、色々な話をするようになりました。
    叔母は、そのお爺さんが饅頭屋さんだったと聞き、お爺さんに「もう一度お饅頭を作って、原発反対の集まりとかで売ってみない?」と何度も持ちかけたのですが、「饅頭を作る気なんてない。」と、お爺さんは固く断り続けてたそうです。
    しかし、叔母がずっと、しつこくしつこく説得し続けた結果、ついに根負けし、じゃあ一度だけ作ってみるかという事になり、叔母と、お爺さんと、やはり騎西高校で避難生活を送ってる60代の女性も手伝い、約3年ぶりにお爺さんは饅頭を作ることになりました。
    丁度、次の休みに原発関係の集会があったので、せっかくだから、作ったお饅頭をその集会へ持って行って売ってみようという事になりました。
    当日。朝の5時から地元のふれあいセンターに集まった3人は、お爺さん秘伝のお饅頭を、300個も作りました。
    そして、「どうせ、こんなの売れるわけねぇ。とっとと帰ってくるぞ!」と言うお爺さんを無理矢理引っ張って、3人は都内の原発反対の集会に、300個の饅頭を担いで出掛けたのです。
    会場では予め申し込んでテントを借りるお金も無かったので、地面にビニールを広げ、そこに饅頭を並べて売ろうと用意し始めると、叔母の知り合いの方が自分のテントの端を使いなさいと声を掛けてくれました。3人はテントのテーブルの端っこに、持ってきた300個の饅頭のうちの何個かを並べ、「双葉町の方が今朝作ったお饅頭です~」と、売り始めたのです。
    すると…
    「あら、双葉町の方が作ったお饅頭?」
    と饅頭を見に来た人達が、
    「福島のかたが作ったお饅頭ですってよ~!」
    「美味しいわよ~!」
    と、どんどん周りに呼び掛けてくれ、そのうちお客があとからあとから集まってきて、300個もの饅頭は、なんと…瞬く間に売り切れてしまったそうです。
    饅頭が次々に売れていく時、お爺さんの顔は、叔母が今まで見たことがない様な生き生きとした表情に変わっていきました。そして完売になった時にお爺さんは『信じられない…』という顔をしたそうです。
    結局、饅頭を早々に売り切った3人は、デモにも参加し、「原発反対!」と声を上げながら街を歩き、会場を後にしました。
    すっかり軽くなった鞄を抱え、会場を出て駅まで向かう中、嬉しくて嬉しくて仕方なかった叔母は、
    「今日のお祝いにお寿司を食べて帰ろう!私にご馳走させて!」
    と言い、3人は近くのお寿司屋さんに入りました。乾杯をし、お寿司を食べ始めると、お爺さんは…
    「こんな美味い寿司は食べたことがない…」
    とポツリ…。すると、饅頭作りを手伝った双葉町の60代の女性は、突然ワーワーと泣き出してしまったそうです。彼女は、騎西高校に避難してきてから、顔役としてずっと頑張ってきた…気丈な方でした。
    お寿司を食べながらお爺さんは、本当に本当に嬉しそうな顔で、叔母に何度も「ありがとう、あんたのおかげだよ、ありがとう、ありがとう…」と言っていたそうです。
    ~*~*
    わたしも後日、そのお爺さんが作ったお饅頭を食べました。しっかりした厚みのある皮で、こし餡とつぶ餡の半々ぐらいの餡が包まれている茶饅頭でした。
    お世辞抜きで本当に美味しかった!
    とても力強い味がしました。
    お爺さんの、今まで生きてきた人生の、たくさんの思いが詰まっている様な…そんなお饅頭でした。
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  • 【2014/09/19】東京・官邸前

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    9月19日(金)の「再稼働反対!首相官邸前抗議!」のレポートをお届けします!
    次回は9月26日(金)です!
    詳細はこちら
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    季節はどんどん流れ、すっかり日も短くなりました。会社を出ると、辺りはもう薄暗くなってます。
    わたしは何故か、この日が短い方が好きで…夕暮れが早くなってくると、何とも言えない安心感の様なものに包まれるのです。友達はだいたい日が長くなってくる方が好きな子が多く、「会社出た時まだ明るいと、何だか得した気分!」って言ってるのですが…(笑)
    そんな夕暮れの中、今日も金曜官邸前抗議へと向かいました~。
    わたしが到着した時、国会前ではちょうどスピーチが始まっていました。
    福島の方の思いを伝える女性。震える声で喋り出し、途中、声に詰まって話せなくなってしまいました。参加者の方々が「頑張れ!」と叫びます。涙ぐむ声でまた話し出す女性。
    この光景も、官邸前抗議が始まった頃からのお馴染みの光景です。抗議やスピーチをする人が、泣きそうになって声が出なくなると、周りの人たちが「頑張れ」って声を掛けてくれる。ホント、ごくごく自然に…。ずいぶんと見馴れた光景になっちゃってるけど…すっごく暖かいですよねぇ。いつもこの周りから飛ぶ「頑張れ!」の声を聴くたび、わたしの心が、フワッとあったかいものに包まれるのです。
    ドイツ人の男性がステージに上がりました。あ、あの人、さっき奥さんとベビーカーに乗った子供連れて歩いてた人だ!ベルリンからいらしたそうです!
    ドイツ人の男性の隣に小柄な日本人の若い男の子が立ちました。
    「…あ、僕は通訳で、ただここに立ってるだけですので…」
    ドッとウケる参加者の方々(^^;(笑)
    ドイツ人の男性がスピーチし始めました。
    「私はベルリンでニュースレターの仕事をしています。5時間まえに妻と娘と成田空港に着いたばかりです。」
    参加者の方々が歓迎の気持ちをこめて拍手します。
    「今日この官邸前抗議に来て、私はとても感動しています。色んな人が来ているし、政党も1つではない。団結の意思をとても感じる。私もこのコミュニティの一員になりたい。」
    「福島の事故は、とても悲しかった。福島から遠い場所にいる私達だが、気持ちはとても近かったです。」
    「この抗議行動がここまで長く続いてるのにとても感動しています。この抗議行動が、これからも先も長く続き、そしてより大きくなっていきます様に。こういうコミュニティはとても大切だと思います。」
    「原子力は超人的なテクノロジーです。しかし私達はスーパーマンではない。私達は人間が制御できるエネルギーを使うべきなのです。私達に原発いりません!」
    そして日本語でもう一度…
    「ワタシタチハ、ゲンパツハ、イリマセン」
    参加者の方々から大きな拍手が起こりました。
    続けてコールが始まります。反原連の原田さんが国会に向かって叫びます。「電力は足りてんですよ!嘘ついてまでやってんじゃねえぇぇ~~~!!!」そしてコール~。
    仕立ての良さげなスーツを着た40代位のサラリーマンの男性が塀に寄りかかってコールしています。キャップをかぶった若い男の子、かなりのお歳を召したお婆ちゃん、ワンピースを着た若い女性、さっきのドイツ人の男性が言ってた様に、ホント、色んな人たちが来てるよなぁ。
    つか、そこに立ってスマホ見てるサラリーマン、うちの部長にそっくりなんだけど…。(違うけど)
    コールしてる国会前を今日も自転車隊の皆さんが列をなして颯爽と走って行きました。
    ヒョウ柄のスカーフを巻いた女性が抗議の列に加わります。もうそろそろ夜はヒンヤリしてきたよね。
    官邸前の方へ向かおうと歩いて行く途中、ゲリラカフェに寄りました。今日も身体に優しくて、とびきり美味しい食べ物と飲み物を用意してきてくれています。そこへ、リュックをしょった小柄な女性が「すみません、何か頂いていいですか?」と、覗きこんできました。「お昼食べてないからお腹すいちゃって…」と笑いながら「わぁ…どれも美味しそう…」と巨峰のタルトをいただき、塀に座りパクパクとあっという間に食べてしまいました。
    グミ坂手前で、国会に向かって太鼓を叩いてるご婦人は今日もいらしています。ご婦人の前を通過する人に、必ず頭を下げています。すると、前の方から1人の女性が歩いてきました。ご婦人がその女性に向かって頭を下げると、女性はハタと立ち止まり、ご婦人に向かって両手を合わせて一礼し…去って行きました。
    官邸前エリアでは最終コールが始まっていました。
    と、目の前を、スタッフのMちゃんがスゴい勢いで走り去って行きました。しばらくすると、チラシの束を抱えてまた走って来ます。はぁはぁ息を切らしながら、「最後に配るチラシが足りなくなったんでインフォコーナーまで取りに走った!疲れた!」と笑顔で言い、小走りにグミ坂を上がって行きました。
    最終コール終了~。いつものダラクさんの官邸に向けての抗議スピーチ!これを楽しみにしている参加者の方々も多いはず。みんな、聞き耳を立てて聴いてます。
    「(前半略)おい!20ミリシーベルトで安全なんて言うなよな!そんなに原発好きならな、原発大好きなお前らが行って除染活動してこいよ!できんのか?できねーだろ?だったら原発も、総理大臣も、やめちまえぇぇ~!!!」
    何やら丸くなって話をしていた3人組のおじさん達が、その「やめちまえぇぇ~!」の声に、当たり前の如く反応し、サッと振り向き官邸に向かって「そうだ!やめちまえ~!!!」と怒鳴りました。
    うむ…そこは外さないのね…なるほど…さすがだわ…(^^;
    グミ坂の途中で私も帰る参加者の方々を見送ります。
    「お疲れ様でした~」と言ってると、常連の飴のおじさんがニコニコしながらやって来ました。いや、何で『飴のおじさん』かって、この方、毎週必ずいらして、帰りにグミ坂に立つスタッフさんに飴をくださるのです。私を見ると笑いながら「そんな暗いところに…(笑)」と言うので、「はい、わたし控えめなので…」(どこがや)
    おじさんはもちろんそんなこと聞きもせずバックからガサガサと飴を取り出してます。
    あれ…?バックに可愛いピエロのマスコットがぶら下がってる…。ピエロが大好きなわたしは思わず、
    「わ!可愛い!ピエロだ!」
    するとおじさんは、
    「あ、これ?ここ来る途中、経産省前のテントでカンパしたら貰ったんだよ。手作りみたいだよ。欲しい?あげようか?」
    「えっ…、いや、何か悪いなぁ…いただきます。」
    (貰うんかいっ!)
    おじさんのバッグから、わたしのとこへ来たピエロさん。早速、バッグにつけました~。わーい!
    ピエロって、よく『本心を仮面で隠してる』ってことに例えられます。心の中では泣いているのに、顔にはおどけた仮面をつけ、笑っている。
    みんなそうでしょう…。
    あの震災後、ずっとそんな思いを抱いて生きている方々…たくさんいると思います。
    そして、毎週金曜にここに集まってる参加者の方々も、スタッフさん達も…。
    せめて、みんなの願いのひとつである『脱原発』が叶い、辛くても苦しくても笑って頑張ってきたみんなの笑顔が、本当になります様に…
    そんな日が、必ず来ます様に…
    『道化』 谷川俊太郎
    笑っているのだ
    泣いているとき
    泣いているのだ
    笑っているとき
    涙はクリスタル
    自分でも分からない 自分の
    心の そのときの
    その輝きの…

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  • 【2014/08/30】川内原発再稼働やめろ! 0830再稼働反対★国会前大集会レポート その3(完結編)

    2014年8月30日に行われた「川内原発再稼働やめろ! 0830再稼働反対★国会前大集会」のレポート完結編をお届けします!
    その1はこちら。
    その2はこちら。
    *********
    財務省交差点へ向かって歩いていると、途中、若い男の子が、舗道の端に立ち、道路を面して国会議事堂に向かってプラカードを掲げていました。そして、最終コールに合わせ、そびえ立つ国会議事堂へ向かってコールしていました。
    「原発もろともお前もやめろ!」
    「子供を守れ!」
    「そのために原発全てやめちまえ~!!!」
    抗議終了です。
    ぞろぞろと帰路につく参加者の方々を見送っていると、松葉杖をついた奥様と一緒に歩いてきた旦那様が「2人分です」と言ってカンパして下さいました。「ありがとうございます、お疲れ様でした!」と頭を下げると、奥様もニッコリ。二人はまたゆっくりゆっくり歩いて行きました。
    と、段ボールを持った何人かの男性がやってきて、「お疲れ様でした~」と言いながら、何やら帰る参加者の方々に配り始めてます。
    あれ…?もしや、あれは……
    あの団扇だー!!!
    (と、次の瞬間には走って貰いに行ってるわたし…)
    わーいわーい!ゲットしたー!(良かったね…)つい最近、発行された『NO NUKES Voice』という本のPR団扇でした!カッコいい~!
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    参加者の方々が帰られた後は、反原連の方々や当日スタッフさん達での後片付けが始まります。
    機材をまとめ、数を確認、ビニールシートやテーブルを畳み、皆さんの暖かい志のカンパもまとめます。備品を揃え確認し、ゴミを拾い、開始前と同じように…いや、それ以上に綺麗にして帰ります。
    今回、ふと思って、ああ…って凄く納得したことがあります。反原連の人達って…完全に裏方なんだなあって。も、ホントに裏方雑用係みたいな立場。いわば主役は、集まってくる参加者の方々…というスタンスなんですよね。その人達の為に、場所を整え、準備をし、当日は神経を張り巡らせトラブルが無いように気を使い、終わった後は後片付けと掃除と反省会。そしてまた、次の抗議の準備をしていく…。なるべく、参加される方々の意図を組むように図り、時には調整し、逸脱した行為には注意をする。
    とにかく、目的はただひとつ…『全ての原発を無くすこと』。それだけの為に、一年中、裏で雑務をこなしている人達。
    だからこそ…ここまで続いているんだと思います。参加者も信頼して、ずっと集まってくるのだと…。
    今日も見ず知らずの人達が、原発をなくしたいっていう一点で集まりました。この後ろにはこの倍以上の原発反対の人達がいます。
    今日は予想外な人出でした。そして、凄く盛り上がったし、それより何より私には、全体的に何だかとても温かな空気が流れているように感じられたのです。そしてそれが凄く良い時間を作った様に…。うまく言えないんだけど、誰かが誰かを思いやるような…そんな優しい空気が流れていたように思えたのです。
    抗議が始まる前に、公園から流れてきた『明日に架ける橋』…この歌を後でふと思いだし、歌詞を改めて調べてみたら…泣けました。
    ああ…、本当にこの歌詞の様な抗議集会になったなぁ…って。
    この歌詞を頑張ってる皆さんに捧げたい。
    『明日に架ける橋』
    君が疲れ果て 途方にくれて 涙もこぼれ落ちてくるようだったら
    僕がその涙をふいてあげよう 僕がそばにいるから
    人生が大変で辛いとき 友達も見つからないようなとき
    激流に架かる橋のように 僕が君の支えになるから 僕が君を助けるから
    君が落ち込んで希望も失って 一人立ち尽くすようなとき 辛い夜を過ごすようなときも
    僕が慰めてあげよう 僕はいつも君と一緒だよ
    たとえ先が見えないような時も 辛いことだらけになったとしても
    荒れ狂う河に架かる橋のように 僕がきっと何とかしてあげるから 僕がきっと君を助けだすから
    さあ 可能性に向かって立ち上がろう 一歩足を踏み出そう
    今 君の光を発揮するときが来たんだ 君が望んでいた世界がもう目の前にあるんだ その輝く未来に目を向けてみてごらんよ
    そしてまた友達が必要なら 振り向けばいつも僕がいるさ
    人生がどんなに大変なことにみえようとも 僕が何とかするから
    人生がどんなに大変なことになっても 僕が君の支えになるから 大丈夫だから
    一人で立ってるけど一人じゃないよ。
    共に行こう…
    お疲れ様でした~!!
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