【2014/11/28】東京・官邸前 「今日はアナタしか居ないから抗議の意味はない。やめましょう」と、誰が言えるでしょうか…?

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11月28日(金)の「再稼働反対!首相官邸前抗議!」のレポートをお届けします!
次回は12月5日(金)です!
次回の詳細はこちら
また、12月13日(土)は川内原発再稼働反対! 1213 反原発☆渋谷大行進があります!(12日(金)野首相官邸前抗議はお休みです)
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クマとイルミネーション.jpg
11月最後の金曜日です。
街はもう、どこもかしこもクリスマス&年末年始に向けて、キラッキラッしてますねぇ~。原発が一基も動いてない中、今年も街中のイルミネーションが、これでもかというくらい光輝いてます!キラキラ~
電飾の輝きとは対称的に、木々も赤や黄色やオレンジ色に葉を染め、優しい輝きを放ってます。私はこっちの方が好きだなぁ…。
霞ヶ関駅から官邸前へ向かう坂は、見事な金色の道になっていました。アスファルトの上に落ちたたくさんの黄色いイチョウの葉を見ていたら、何だか着物の柄の様に見えてきました。濃いグレーに金色のイチョウの紋様…。うん、なかなか素敵~。
今日も7時頃から、「じかたびさん」と交代で「グミ坂」の地下鉄4番出口担当です。そろそろ寒くなってきたから、じかたびさん、また地下足袋履いてこないかな~と期待してるんですが、今日も靴履いてました。(いや、それが普通だから)
「おう、お疲れ!今日は思ったより寒くないわ!」
と、今日も元気なじかたびさん。
フライヤーとカンパ袋、誘導棒に腕章を受け取ってから、最後に
「はいコレ!」
「え?あ、お饅頭!」
「差し入れで貰ったんだよ!あたし最近差し入れで生きてんだよ!」
そーなのか…(^^;
じかたびさんは、じゃね!と言うと、そのまま抗議の列に加わるため、グミ坂をずんずん登って行きました。
12月の官邸前抗議の予定と12月13日の渋谷大行進のフライヤーの束を抱えて立つとすぐ、1人のご婦人が近づいて来ました。
「ごめんなさい、あの…そのチラシって、たくさん頂けるのかしら…?」
「はい!お好きなだけどうぞ!」
「こういうのって…アレよね…あの…なんていうか…人の家のポストに入れていいのよね?」
「もちろんです!」
「じゃあ、やってみようかな…。50枚位ずつ頂ける?」
「おおっ!ありがとうございます!」
ご婦人はニコニコしながら慣れない手つきでフライヤーの束を受け取ると、大切そうに抱え…地下鉄乗り場へ降りて行きました。
すると、背後から「すみません…」という声が。
振り返るとビニール袋を持った警察官が、申し訳なさそうな顔で、
「あのですね…これ、重しか何かしとかないと飛んでしまうので…えーと…すみませんが…」
持ってたビニール袋はフライヤーが入ってたものでした。
「すんません、ありがとうございますっ」
前に道路にふっ飛んでってエライことになったからなぁ~
足元のフライヤーをまとめて飛ばない様に注意しながら立ってると、前方から、お馴染みの手作り傘のプラカードをさしたご婦人が歩いてきました。先週、マカデミアナッツのチョコレートを頂いたのでお礼を言わなきゃ!と待ち構えてると、私を見るなり、
「ねえっっ!先週あげたチョコレート、中身入ってた!?」
思わず吹き出しながら
「はい(笑)2個入ってました」
と言うと、ご婦人は「うわぁ~」と笑って、
「違うのよ、家に帰ってみたら、バックの中にチョコレートが3~4個落ちてんじゃない!あれ…てことは、あの子にあげた箱は、もしかしてカラだったのかしら?って思ってさ~(笑)」
「大丈夫です、2個入ってましたよ(笑)」
「もう~ごめんなさいねえ~~。今日はお詫びに、新しいの持って来たのよ!」
バックから出して手渡されたのは未開封のチョコレート!
「新品じゃないですか!これ」
「ワハハハ、そーよ新品(笑)食べてね!」
「ありがとうございますっ!(笑)」
ご婦人は笑いながらグミ坂を下って行きました。わざわざすみません…頂きま~す!
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すると、今度はリュックを背負ったおじさんがやって来て、
「そのチラシ…配るからゴソッといい?」
「はい、ありがとうございます!」
「いつも俺の住んでる団地のポストに入れ回ってんだよ。」
おじさんは2種類のフライヤーの束をゴッソリ抱え、グミ坂を下りて行きました。
するとまた別のご婦人が
「それ、たくさん貰ってっていい?あたし、配るの得意だから配り回るわ。」
「わっ、ありがとうございます~。ぜひぜひ!」
ご婦人はフライヤーの束を2つ、用意してきたエコバックに入れると、お疲れさまと言って地下鉄乗り場へ降りて行きました。
2種類のフライヤーはみるみる減っていきます。
こうやって、色々な方たちが、影で地道に動いてくれているんだよね…。ホントに改めて、頭が下がる思い…。
地下鉄乗り場を上がってきたご婦人が、カンパを…と笑顔で近づいて来ました。そして、「今日はいつも一緒に来てる人がいないけど、2人分ね!」とカンパしてくださいました。
7時30分を過ぎました。
膝を押さえながら階段を登って来たおじさん。ゆっくりとグミ坂に降り、抗議の列に加わりました。
ママチャリの後ろにNO NUKESの旗を付けた、グリーンのダウンを着た女の子が自転車で走りすぎて行きました。自転車隊は今日も元気です!
腕時計を見ながら急いで抗議の列に加わるサラリーマンらしき男性。仕事帰りにちょっと立ち寄ってくれたのでしょうか。
学生っぽい若い男の子がスマホを見ながら歩いてきて列に加わりました。
階段を登ってきた男性、登りきった所でウーンと伸び!グミ坂に降りて列に入りました。
10分前には、またまた初めてっぽい女性がやって来ました。キョロキョロしながら、おずおずと列に入り、コールしている人たちを見つめています。何となく気恥ずかしそうに立ってますが…微かに笑みを浮かべながら周りを見つめていました。
コールがダラクさんの声に変わりました。
すると、私の横に立ってた警察官の1人が腕時計をチラッ。そして、他の2人に「もう終わるから終わったらまずコレを撤収して…」と説明し始めます。ダラクさんの声が抗議終了の合図みたいな感じなんだな~(笑)
(※「俺の声は原発終了の合図だ!」←ダラクさん談)
最終コールが響く中、ミサオ・レッドウルフさんが、1人の男性を連れてグミ坂を上がって来ました。その方はミサオさんの20年来の友人で、DJのお仕事をしながら、灰を使った昔ながらのエコな洗剤を作っている、京都にお住まいの方。今日はDJの仕事で、久しぶりに東京に来たついでに、初めて官邸前にも顔を出してくれたらしいのです。ミサオさんが私を紹介してくれ、ご挨拶を交わすと、その方はニコニコしながら、
「いやぁ…もう、ここに立ってたら泣けてきちゃって泣けてきちゃって…。コールなんか聴いてたらもう…」
と、また思い出したように目をウルウルさせながら仰いました。ミサオさんが笑顔でちょっとからかうように、
「そうなの。さっき、一緒にグミ坂に立ってたらポロポロ涙流して嗚咽して泣いてんのよ(笑)」
私が、ありがとうございますと言うと、(私がありがとうというのも変だけど…)
「頑張ってください。僕も関西で頑張ります。」
と言い、最後は握手をして帰って行かれました。
この間の友達もそうでしたが、初めて来た人や久しぶりに来た人は、何だか泣けてしまったという話をチラチラ聞きます。
私も時々、フッとした時に、コールしている参加者の方々や、自転車隊の走る姿を見ると…ジワッとくることがあります。
何かを続けていくということは本当に大変です。しかも、明白な効果や結果が見えにくいこの原発反対抗議、暗闇の中を手探りするような気持ちで続けてきました。
今日は参加者は少なめでした。
夜がだんだん寒くなってきて、年末のいろいろと忙しい時期、毎年人数の減る時期です。
それでも人は来ます。途絶えることはありません。
増えたり減ったりを繰り返しながら続いてきたのです。
参加者が多いことに越したことはないけれど、金曜抗議に関しては、私自身は、それほど人数は気にはしていないというのが正直な気持ちです。
ある人が言ってました。この金曜官邸前抗議が続いているからこそ、そこから裾の様にエネルギーが拡がり、全国で様々な原発反対の声があげられるのだと…。
この金曜抗議は、全国の原発反対の志を支えている『軸』の様なものなのでしょう。
この抗議が存在し続ける限り、この『軸』が折れない限り…原発反対の声が消えることはありません。だから自らが『軸』になろうとする人が1人でもいる限り…金曜官邸前抗議は続いていきます。
もし、グミ坂にたった1人の参加者しか立っていなかったとしても、「今日はアナタしか居ないから抗議の意味はない。やめましょう」と、誰が言えるでしょうか…?
その人はたった1人でも、全国の原発反対の軸となって立っているのかもしれません。
人が少ないからこの抗議は意味をなさないということではもうないと思うのです。
原発事故を風化させないために。福島を忘れないために。二度と同じ過ちを繰り返さないために。私たちは毎週金曜日、ここへ来て声をあげ続けてきました。
11月最後の今日も、たくさんの人たちが、全国の原発反対の支えとなるべく集まっていました。
お疲れさまでした…!
また、来週~!
来週はもう12月だーっ!きゃーっ!
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【2014/11/14】東京・官邸前「飯食った後に『いただきます』って言うのかよ!」

fryday_banner-thumbnail2.jpg11月14日(金)の「再稼働反対!首相官邸前抗議!」のレポートをお届けします!
次回は11月21日(金)です!
次回の詳細はこちら
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官邸前の銀杏シーズンもやっと終わりに近づいてきたようです。いやぁ~今年は臭かった。去年あんなに匂ったかなぁ。
そういえば!
銀杏匂いがピークの頃…
抗議終了後の後片付けの時、カンパ袋とチラシの束を抱えたスタッフのTちゃんが「お疲れ様でした~」と先頭ブースにやって来ました。するとTちゃん、いきなりデカイ声で、
「ダラクさん臭い!!」 (編集者注:反原連スタッフの人名です)
そこにいた人、全員心の中で
「あ…ダラクさん臭いんだ」
するとTちゃん、大慌てで、
「あーっ!!違うの違うの!!ダラクさんは臭くないの!そうじゃなくてダラクさんやっぱり臭いですねって言っただけでダラクさんが臭いわけじゃなくてダラクさんは臭くないの!」
もう何がなんだか…
Tちゃんは、
「ダラクさん(抗議が始まる前に言ってた通り、やっぱりここ、銀杏)臭い(ですね)!!」
と言ったつもりらしいのですが…
(カッコ)の部分を省略しすぎやねん
ゲラゲラ笑う私たちに、違うの違うの!と言いながら弁解するほど墓穴掘りまくりのTちゃん。Tちゃんオモシロすぎる…。
ダラクさんは深く傷付き、来週からもう抗議に来れないって言ってました。(嘘です)
こんな感じで実はかなりスッとぼけた当日スタッフの多い(私も)官邸前抗議、今週も始まりました~。
(大丈夫かいな)
財務省交差点に着くと、いつもの寄せ書き集めのご婦人がニコニコと手を振ってきました。私も手を振って挨拶~(^^)
そのまま国会前の方へ歩き始めると、舗道に立っていたイケメン警察官が、いきなり満面の笑顔で「ご苦労様です!」と最敬礼。え…わたし!?何でやねんっっと思いつつ、思わず反射的に「あ、ご苦労様です」とクールに返事するわたし。てか、マジで何でや??
ゲリラカフェでは今日もワラワラと人の輪が出来ていました。「ここは何をやっている場所なんですか?」とか「あら美味しそう、これ頂けるの?」とか…初めての方たちも何人も来ています。
1人のおじさんが「朝メシ食べただけで腹減ってんだけど、ここは何か食べ物があるの?」とゲリラカフェにやって来ました。ゲリラカフェのお2人は他のお客様の対応中。私が、
「ここの食べ物は身体に優しくてチョ~美味しいですよ~」
と言うと、
「お、身体に優しいってのは良いねぇ。私は三重苦みたいに3つの病気持ちだから。ハッハッハッ!」
おじさんは明るい笑顔で言います。
「わたしはね、福島の人たちの声を世間に伝えようと、聞き歩いて新聞作ってるんだよ。」
「わぁ、そうなんですか!」
「福島では原発の話はタブーで、口にすることが出来ない…って人が多いんだ。言うと村八分にされたりするから…。」
福島だけでなく、全国の原発立地地域は、原発のせいで地元の人間がバラバラになってしまったという話をよく聞きます。
「まあ何とか福島の現状を知って貰いたくて私も頑張ってるんだけどね。ハッハッハッ!さて、じゃあ何か食べようかな…」
おじさんは張りのある声で笑うと、「イテテテ…」と背中に背負ったリュックを下ろし、ゲリラカフェ覗きこんでいました。
金魚兄さんがカッコいい外国人の女性をゲリラカフェに案内してきました。彼女はフランス人だそう!金魚兄さんは、私を見るなり「よっ!」と言って、彼女にペラペラペラ~と紹介。「オ~!コンニチワ、ドーゾヨロシク」と言われ、思わず「オ~!コチラコソ!」と何故かカタコトの日本語で挨拶する私。
(普通に言えばええやんか…)
と、そこへG君が歩いてきてゲリラカフェを覗きこんでます。
「こんにちは。お疲れ様です。」
と声をかけると、G君は優しい笑顔でニッコリとし
「あっ、どうも~、お疲れ様です。」
G君は周りを見渡しながら
「いやぁ…久しぶりに来たんですよ。金曜日…」
年に何回かある大抗議の時などは必ず来て手伝ってくれてるG君。あ、そう言われてみれば、金曜に見かけるのは久しぶりかも…。
「まぁ、皆さんお仕事もあるし、忙しいですからね」
と言うと、G君は
「いや…久しぶりに来てみて…ああ、やっぱりここへ来て声を上げてかなきゃダメだな…って思いました。うん、ホントに…」
G君は微笑みながらも、神妙な表情で周りを見渡していました。
グミ坂を上がって行くと、抗議の列最後尾の、人がまばらな場所に、いつものおじさんが立っていました。毎週必ずいらっしゃってる常連さんの1人。今日も暗がりの中、いつもの辺りにいつもの様に立っていました。「お疲れ様です」と声をかけると「あ、こんばんは。」とニッコリ。
3番出口前では、スタッフのKちゃんがカンパ袋とリーフレットを持って立っていました。
Kちゃん、
「ねぇねぇ、さっきここを請願デモの人達が通ったんだけど、見た?」
「いや見てない。そういや何かのデモ隊が通るって言ってたな~」
「交通運輸産業とか何とかの組合のデモ隊だったんだけどさ。みんなスーツ来ててスーツデモみたいだったよ~。」
Kちゃんは楽しそうに続けます。
「一番前の先頭集団は、まぁ割と頑張ってコールとかしてたんだけど、真ん中は超やる気なし。でね、最終悌団の人達が違う方向でノリノリでさ、ここ通るとき、うちらの『川内原発再稼働反対!』のコールに反応して「川内原発再稼働反対!」ってずっと一緒に叫んでくれてたんだよ!(笑)」
「ギャハハ!マジで!?」
「何か嬉しかったわ」
Kちゃんは眼をキラキラさせながら、嬉しそうに話してくれました。
あっという間に8時になりました。
いつものダラクさんの声がグミ坂に響きます。
「川内原発さ、再稼働してから住民に説明会開くって言ってたよな。お前は飯食った後に『いただきます』って言うのかよ!おかしいだろ!順番がいつも逆なんだよ!!」
「そうだーっ!」「逆だろ逆ーっ!」
参加者の方々が口々に叫びます。
そして〆の…
「総理大臣も原発もやめちまえーっ!」
で、第126回目の金曜官邸前抗議は終了しました。
先週、川内原発の再稼働が議会で容認されようが、今日も変わらず官邸前にはたくさんの人が集まり、反対の声を上げ続けました。
今年の夏、アメリカで猛毒の『ネコ毛虫』という毛虫が異常発生してるというニュースを見ました。
何だか…猛毒の虫などと聞くと、切なく感じます。猛毒をもって必死に自分を護ってるような気がして…。周りを寄せ付けない孤独さというか、そうでしか生きられない命に生まれてきた切なさを思うのです。
そんな時、友達から、ほうれん草の種を貰いました。広げられた紙からそーっと手のひらに手渡されたその種は、驚くほど固く、トゲのような突起があり、触ると刺さって痛っ!「自分を護るためにこんな硬く、そしてトゲがあるんだって」と友達は言います。
どんな命も、未来に繋げていくために、必死に存在し続けています。
命を繋げていくということは、それだけ大変で、そして尊いことなんだよな…と、改めて感じたのです。
そんな命のリレーが、この地球上で、ずっとずっと続いていきます様に…
んじゃまた来週~!
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【2014/10/31】東京・官邸前

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11月7日(金)の「再稼働反対!首相官邸前抗議!」のレポートをお届けします!
次回は11月14日(金)です!
次回の詳細はこちら
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鹿児島県議会で川内原発再稼働が可決されてしまいました。
31ある再稼働反対の請願陳情を無視し、たった1つしかない再稼働要請の陳情を採決したのです。傍聴席もほぼ反対派で埋まり、再稼働NOのプラカードが乱立し、反対の叫びが飛び交い…場内は騒然としていたそうです。
再稼働が可決された時、怒号が飛び交う中、「恥を知れぇーっ!!!」という叫びが聞こえました。傍聴席では泣いている鹿児島県民の方たちがたくさんいたそうです。
民意をまったく汲み取ろうとしない、まるで無視のこの採決、もう呆れ返るほどの茶番な県議会でした。
そしてこれまた絶妙のタイミングで今日は金曜。官邸前抗議の日です。
今日は会社を早めに出ることができ(というか、無理やり)、いつもより早い時間に官邸前へ向かいました。
グミ坂へ到着したのは抗議が始まる5分前。坂の途中でプラカードを持った男性が「こっちが官邸前で、あっち行くと国会前ね。両方で抗議やってるよ!」と初めて来たっぽいご婦人2人組に説明していました。
私も、久しぶりの頭からの参加です。
スピーカーから反原連のダラクさんの声が聴こえてきました。
「えー、今日11/7、鹿児島県議会で川内原発の再稼働が採決され、えー、県知事も同意したというニュースが入ってきました。」
淡々とした調子で言うダラクさん。と、思いきや…
「ぅおおおーーーい!!!!ふざけんなあああーーーっっっ!!!!」
(…だよな)
グミ坂に並ぶ参加者の方たちも口々に「そうだーっ!!」「ふざけるなー!!!」
「鹿児島県?ああ~?議会もほとんどが自民党だったよなあー!?おい!オマエのせいだぞ!!おいっ!!!」
「シュプレヒコール!!!」
川内原発再稼働反対のコールがグミ坂に響き始めます。
議会で再稼働が容認されたって、んなの知ったこっちゃないわ!抗議の声を上げ続けるだけです!(>_<)
グミ坂の先頭では、海外からのメディアも取材に来ていました。外人さんのレポーターがカメラに向かって何やら英語で話しています。
拳を上げて叫ぶ人、『原発いらない命と故郷が大事』というプラカードを掲げる人。
アイパッドで『避難計画がいる発電なんて、なぜ必要?』という言葉を掲げている女性がいました。いや、まったく!避難計画をたててまでやる発電って…なんだそりゃ??考えてみれば、ほんっとバカバカしい、アホみたいな話ですよ!
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官邸へ向けての抗議スピーチが始まりました。
「安倍首相!!福島より川内原発が先ですか!?まだ事故は収束してないじゃないですか!」
「安倍さん!聞いてますか!?先日、私はあなたの夢を見ました!原発反対だって言ったら、ものすごい勢いで石を飛ばしてきたんですよ!夢でもわたし怒ってます!!」
「いいですか、安倍さん、よく聞きなさい!アメリカのエネルギー学者が言ってます!日本は再生可能エネルギーの資源大国だと!それを生かせないあなたは無能な総理!自分のため、金のためじゃなくて、命のため、国民のため、国土を守ることに全力を注ぎなさい!!」
「世界一厳しい規制基準なんて嘘を、よくのうのうとつけますね。嘘つきはファシストの始まりだ!川内原発は日本有数の火山地帯にある原発なんですよ?規制委員会は予測できるってバカなこと言ってるけど、火山学会が予測できない火山の爆発を規制委員会がどーやって予測するんですか!?規制委員会は神様ですか??ふざけるんじゃない!!」
「川内原発をかわうち原発って言ったんだってな!漢字読めないのは閣僚共通で驚かないけど、原発行政のトップだろ!?どんだけ無関心なんだよ、どんだけ不勉強なんだよ!」
皆さん、いつもですが、今日も更に怒り心頭な様子…。
グミ坂を下っていると、参加者の女性に声をかけられました。
「カンパいいかしら?先週来れなかったからちょっと多めに…」
「わっ!すみません、ありがとうございます!」
「鹿児島県議会…ねぇ、まったく…。でも、あきらめずに、これからも抗議していきましょうね!」
ご婦人はニコッとすると、そのまま抗議の列に入っていきました。
と、金魚兄さんが学生さんぽい子をはじめとして何人かの人達を引き連れてグミ坂を上がって来ます。「なになに?案内してるの?」「そうそう!官邸前抗議ツアー!」金魚兄さんはそう言って、あーだこーだ説明しながらぞろぞろとグミ坂を上がって行きました。
交差点を渡り、寄せ書き集めの方たちの所へ出ました。よっしゃ、今日は書いとくか!とペンを取ると、いつも明るく元気なご婦人が「どうもありがとうね!」と覗きこんできました。
「あきらめないことよね、根比べよ、ホントに!」
「ですよね!もう、しつこくしつこく食いついていくしかないですね!」
「そうよ、向こうは諦めるのを待ってるのよ!そのうち静かになるだろうって…。」
「はーん!冗談キツいっすよねぇ、誰がおとなしくなるかってんだ。」
「もうねぇ、向こうはボロが出はじめてるのよ。ほころびはじめてるわよ。私はそう感じてる…。ちゃんと見てる人は見てるわよ。」
「ですよね、ですよね!」
「ボーッとしてたらダメ、勉強しなきゃダメよ。知らないで生きてたら政府に騙されるわよ。」
「いや、ホントに…」
「大丈夫、正義は勝つ!」
去り際に、ご婦人はイエーイ!と超笑顔でハイタッチ!そして…
「体、壊したら負けだから…ムリせずね。気をつけるのよ。」
ちょっと泣きそうになりました…。
ゲリラカフェに顔を出すと「今日はもう飲み物が無くなっちゃったんですよ~」との嬉しい悲鳴。「わ、凄い!今日は人多いですからねぇ~」
「そうなんです。…でも今日に限って、持って行く直前にちょっとこぼしちゃって…よりによって…まったく。」
「わはは!そうなんだ!」
「前、キャリーケースの中でポットが倒れた事があったんですよ。電車の中にみるみる水たまりが出来てって、あぁ~綺麗な水たまりだなぁ…って(笑)」
2人とも食べ物入れたバスケットの他に、飲み物入った大きなポットを2つ運んで来るのです…。以前、「これはもう、修行だと思ってやってる」って言ってたけど…。ホントに毎週毎週、心と身体に優しい食べ物をありがとうございます…。
国会前へと舗道を歩いていくと、途中の暗がりで、塀に荷物を置いてバッグからがさごそプラカードを出しているご婦人と若い警官が、何やら笑顔で話をしていました。
「何処から来たんですか?」
と警察官の若者。
「私は千葉から来たのよ。遠いから、なかなか来れなくってね。今日は久しぶりの参加なのよ。」
「えっ、僕も実家…千葉です。」
「あらそうなの?千葉の何処?私は○○なのよ。」
「僕は○○です。」
「まあ、そうなの?…警備の方も仕事とはいえ大変よね…。ご苦労様。」
「あ、いえ…。」
警察官の若者はちょっと恥ずかしそうな笑顔をし、その場から立ち去りました。ご婦人はバッグからプラカードを出し、荷物を整理すると、国会前ステージの方へ歩いて行きました。薄暗い舗道で、小さな声で穏やかに会話をする2人の様子は、何故か胸にジンとくる光景でした。
(…って、この様子を近くで聞き耳たてて聞いてる私はめっちゃ怪しいけど(-_-))
国会前ステージでも川内原発再稼働に対しての怒りのスピーチとコールが響いていました。
「福島の事故に学べ!」
「原発動かすな!」
国会前から引き返して再び舗道を歩いていくと、交差点手前の公園の窪地で、太鼓の人達が一例に並んで上の方を眺めています。何見てるんだろう?…と私も後ろから見上げると、木々の間に見事なまんまるお月さま!そうか、今日は満月だったんだ…。太鼓の皆さんは並んだまま、綺麗ね~と言いながら、しばらくお月様を眺めていました。
官邸前エリアへ戻ると、丁度、日比谷で行われた別団体主宰の原発抗議集会からのデモ隊が、グミ坂横の道路を通過しているところでした。反原連のスタッフさんの「今、通過していくデモ隊も、原発抗議のデモ隊です」のアナウンスに、グミ坂に並ぶ参加者と手を振ってのエールの交換。
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グミ坂スタッフのMちゃんと話してると、反原連のTさんが、背広姿で長身の、超ダンディ~な男の人と話ながら歩いてきました。ダンディーさんは、警視庁の警備の方だそう。穏やかで、爽やかな笑顔でダンディーさんは
「今日はいつもよりちょっと多いんじゃない?」
「鹿児島県議会の件がありましたからねぇ。でも、もっともっと集まって欲しいです。」
とTさん。
「そうだね。」
そしてダンディーさんは…
「寒さはまだ大丈夫な感じだね。でも、これからどんどん寒くなってくるから…また大変だよね。」
優しい笑顔でそう言い、グミ坂を降りて行きました。
最終コールが終わり、いつものダラクさんの〆のスピーチです。
「鹿児島の県議会、何だありゃ!ネットで中継みてたけど茶葉だ茶番!!!」そうだー!あんなの茶番だー!「お前の信用なんてゼロなんだよゼロ!日本中からも、世界中からも信用無くしてんだから、総理大臣も原発もや・め・ち・ま・え~っっっ!!!」
ウオーッ!!!という参加者さんからの怒号の後、一人のおじさんが「クッソ~!頑張ろう!!」と叫び、抗議は終了しました。
ある人が言ってたのですが、今年は『風の年』なんだそうです。色々なことが目まぐるしくどんどん変わり、動いていく年。変化していく年らしいです。
なんかその通りだなぁ…って感じ…。
鹿児島県議会で再稼働が容認されたって分かりませんぜ!どんどん変わっていくんだから…。
良い方へ変わることを信じて、強風に吹き飛ばされない様にしっかりと…進んで行きましょう、私たち。
仕事でなかなか官邸前抗議に来れない友達が、この間久しぶりに参加しました。グミ坂で抗議の列に加わっていた彼女は私に会うなり、
「スッゴい久しぶりに来たんだけど、みんなの再稼働反対って声を聴いてたら…何だか…胸がいっぱいになっちゃった。じーんとしちゃった…。」
と、ウルウルした瞳で言っていました。
怒りと優しさと祈りが、まぜこぜになってるコールだもんね。
いや、コールだけじゃなくて、この抗議自体がそうなんだと思う。
怒りと優しさと祈りと…
来週も頑張るぞい!
んじゃ、また来週~!
お疲れ様でしたーっ!

【2014/10/17】第122回:東京・官邸前

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10月17日(金)の「再稼働反対!首相官邸前抗議!」のレポートをお届けします!
次回は10月24日(金)です!
次回の詳細はこちら
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官邸前に向かってオフィス街を歩いてる時、サラリーマンでいっぱいの牛丼屋の店内で、綺麗なOLさんが牛丼を目の前に、箸を持ったまま軽く手をあわせ、『いただきます』と口元を動かしているのが見えました。
何だかとてもいい光景でした。丁寧に食する、感謝していただく…という、美しい、大事な場面を見た気がしました。
最近、何人かの方から「あの金曜官邸前レポートって何人位で書いてるの?」と聞かれたんですが…私一人で書いてます…はい。(私って誰やねん)いやはやこんな拙い文章をいつも読んでくれてる皆さん、改めてありがとうございます…(>__<)薄着で何の用意もない私はそろそろ限界きてるで~(寒)とっ、とりあえず、官邸前へ向かうか…。
国会前エリアをあとにして官邸前へ向かうべく歩き出すと、後ろから私の名前を呼ぶ声が…。
振り向くとスタッフのIちゃんが走って来ます。
「これ、返すの来週でいいんで持ってって下さい…風邪引いちゃう…」と、Iちゃんが差し出したのは、綺麗な刺繍が施してある黒いショール。
「え…でも、Iちゃんは?」
「私はコレがあるから大丈夫!」
Iちゃんは着ているフードの付いたパーカーの襟元をギュッと掴んでみせると、ニコッと笑って国会前へ戻って行きました。
Iちゃんありがとう。ショール、とっても温かかったよ、とっても。
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時刻は19時半を過ぎています。それでも今から参加する人達がワラワラとやって来ます。
財務省交差点で信号待ちをしていると、寄せ書きを集めているおじさんが「今度はノーベル賞とれるよう頑張ろう~」と話しかけてきました。「ね~!原発無くすチャンスになったかもしれないのに~」と悔しそうに言うと「強敵がいたからなぁ~」と笑顔。
グミ坂を上がって行くと、地下鉄4番出口前にスタッフのTちゃんが立っていました。こちら官邸前ももちろん、吹き抜ける冷たい風に凍えそうな寒さ!「さっ、さっ、さっむいよ~!!!」と泣きそうなTちゃん(^^;
20時です。寒さを吹き飛ばすかの様な最終コールを終え、122回目の金曜官邸前抗議は終了しました。
フライヤーを配ったりカンパを戴いたりの後、寒さでぶるぶる震えるTちゃんと2人、先頭ブースに向かってグミ坂を歩いていると、突然Tちゃんが思い出した様に、
「あたし、グミ坂の4番出口って初めて立ったんだけど、もう~驚いたよっ!本当に終了10分前とか5分前に来る人が何人もいるのね!ビックリしちゃった!10分でも5分でもいいから、声をあげたいって気持ちがあるんだよね、すごいね!」
と少々興奮しながら言い出しました。
「そうなんだよ、ホントすごいなって思うよ…」
「も、終わり3分前とかにも来てさ!ビックリしちゃった!ホント!」
だから、続いているんだよね。
先頭ブースで片付けをしていたら、1人のご婦人が「抗議はもう終わっちゃったの?」と近づいてきました。
「初めて来たんだけど…何時から何時までなのかしら?」
「8時までなんですよ~。毎週金曜の18時~20時です」
と反原連のスタッフさんが説明すると、ご婦人はニコッとして
「18時~20時ね。毎週金曜にやってるのね。」
と言って帰って行かれました。
そうそう!この間、友達から聞いた話です。
友達の子供が通っている保育園に、福島出身のママがいるそうです。大飯原発が動かされるか否かの時、ママは育児で行けないので代わりに旦那さんに官邸前抗議に行ってもらったらしく、原発にはもちろん大反対で、被爆に関してもとても不安を抱いてるそうです。
私の友達が、私の事を話したら、
「えっ!?金曜官邸前抗議ってまだ続いてたの!?」
と、ものすごく驚き、そして
「もう…ずっと続けてくれてたことに、本当に感謝したい…ありがとうと言いたい…」
と、言っていたそうです。
忘れ去られるのが一番怖い…と。
この金曜官邸前抗議が続いているという事は、ある意味、『福島を忘れてないよ、見捨ててないよ…』という、証しになっているのかもしれません。
この抗議が続いているという事に勇気づけられてる福島の人がいる…
もう、それだけで私は、まだまだ頑張れそうな気がしました。
そんな人がたった1人でもいる限り、これからも私は金曜夜には、ここ官邸前へ向かうと思います…
(ただし、来週は厚着でな…)
んじゃまた来週~!
ううう…寒っ!
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