7月2日の福島民友新聞に掲載された記事【原発震災「復興」の影 ■今を問う 4】に関する報告

Posted on 7月 9th, 2014

 
2014年7月2日の福島民友新聞に掲載された【原発震災「復興」の影 ■今を問う 4】という記事の内容に関して、「公正性と情報の精密さの欠如(偏向報道である)」「取材の信頼性の欠如」「金曜官邸前抗議に関する風評被害の発生」があるため、福島民友新聞社に対し抗議しました。記事が掲載された当日、電話にて、取材した記者と編集局次長に抗議をしましたが解決の道筋がつかず、公式に福島民友新聞社に対し以下の抗議申し入れをしましたので、ここでご報告いたします。
 
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抗議文

福島民友新聞社御中
 
 
7月2日の貴社朝刊に掲載された記事【原発震災「復興」の影 ■今を問う 4】の内容に関して抗議いたします。

●公正性と情報の精密さの欠如(偏向報道である)
*この記事は構成の仕方からして「官邸前抗議や反原発デモが『福島差別』を作っている」という結論ありきの、福島県民に対する世論誘導である。
*「参加者の減少もあり、今ではそうした発言は減ったが、」としながらも、あたかも抗議で「福島差別」発言が多いように印象付けているが、それは事実に反している。また「避難」や「健康被害」に関する訴えは、福島県からの参加者も発言している。
*記事中で開沼博氏が「反原発デモが『福島のためと言いながら…』」「反原発の運動、言動が福島差別を助長してきた」と述べているが、反原発デモは、福島原発の事故をきっかけに、今後あのような事故が起こらないようにと、全国で原発廃止を訴えているものである。福島県内では「県内原発全10基廃炉」を県知事はもとより、県議会と全地方議会が求めている。貴紙は氏の主張を無批判に掲載しているが、これはこうした原発廃炉を願う福島県民の思いも「福島差別を助長する」というに等しいものである。そうしたコメントを記事の結びに肯定的に掲載する事は、開沼氏の反原発デモに対する誤った認識を助長するものであり、情報の精査をおこたった偏向報道といわざるを得ない。

●取材の信頼性の欠如
*貴社の小泉篤史記者から取材を受けた、首都圏反原発連合メンバーのミサオ・レッドウルフのコメントが、本人の本意に反するかたちで言葉だけ切り取り使われている。
・記事中に「福島に対する発言について『当事者性の薄い人がいる』と認める」とあるが、この言葉は「福島に対する発言について」発したものではなく、運動全般的に「当事者性の濃さの差は大勢の運動参加者の中ではある」と言ったものである。
・記事では「福島差別の発言を容認する」背景に「デモの継続の必要性」があるとしており、これは都合良く発言をつぎはぎしているものであり事実に反する。
*小泉記者から「運動に冷ややかな意見の人とデモ側との意見を、お互いに分かりあえるよう両論併記にしたい」と、メールと電話で説明をされた上で取材を受けたにも関わらず、記事では公正な両論併記になっていない。
*取材では「反・反原発からの嫌がらせ」についても聞かれたので、福島在住の右派瀬戸ひろゆき氏らによる、ミサオ・レッドウルフの自宅近辺での、数度にわたる嫌がらせデモに関してもお話ししたが取り上げられていない上、記事の趣旨も瀬戸ひろゆき氏と同様な方向(反原発デモが福島差別を生んだ)になっている。

●金曜官邸前抗議に関する風評被害の発生
*元々デモに冷ややかな意見を持つ人々により、ツイッターなどでこの記事が多く拡散され、多くの関係者や参加者が不快に感じた。また、首都圏での反原発運動の主軸のひとつである官邸前抗議の印象を事実と反するかたちで貶められた事は、原発推進派を利する事にもなり、我々としては憤るところである。
 
 
この抗議に伴い以下を要請いたします。

このシリーズ記事の中で、今回の内容とのバランスをとるべく、官邸前抗議の実態を公正に伝える記事をだすか、紙面上で偏向報道に対する謝罪を掲載して頂きたい。
 
 
上記の内容を、7月2日の午後、取材を受けた首都圏反原発連合メンバー、ミサオ・レッドウルフより、取材をした小泉篤史記者、編集局次長小野氏に電話で伝えましたが、何ら解決の道筋が見えませんでした。よって首都圏反原発連合として公式に、貴社に対し抗議申し入れ致します。

近日中に、ご返答をお願いいたします。
 
 
2014年7月8日
首都圏反原発連合
 
 
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当該の記事

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★追記(2014年7月28日)
首都圏反原発連合からの抗議文に対し、7月15日付けで福島民友新聞社編集局より返答がありました。

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– 福島民友新聞社からの返答に対する対応 –

この返答は不十分であり、首都圏反原発連合としては到底納得できる内容ではありません。

しかし、マンパワーの都合もあり、そうそう労力を割くわけにもいきません。

福島民友新聞社からの返答に対する反論を掲載し、多くの人々に読んで頂く事により、公正性を問えればと思います。

– 福島民友新聞社からの返答に対する反論 –

「デモに違和感を覚えるものが少なからずいる」というのであれば、違和感の正体を分析するのが論者の義務。なにが「差別」であるのか、その説明もなしに「差別」というのでは全く無責任である。

何より、言葉尻をあげつらうかの如きインタビューの抜き書きは卑怯千万。文字自体はレコーダーから書き起こしたとしても、文脈としては間違いであり、社会の公器たる新聞社のすることではありません。

また、多くの意見であるというが、エビデンスを示さないのであれば、福島民友社の意見である、という方がよろしい。

問題提起と書きながら、分析的でもなく、主観的、一方的に運動を貶める結果をもたらしていると言わざるを得ない。

このような言説を吹き飛ばすよう、日々の運動に労力を集中することにします。

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