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首都圏反原発連合:ステートメント【3.11東京電力福島第一原発事故から12年・原発ゼロ社会を未来へ残すために】
Posted on by 反原連 on 3月 3rd, 2023 | 首都圏反原発連合:ステートメント【3.11東京電力福島第一原発事故から12年・原発ゼロ社会を未来へ残すために】 はコメントを受け付けていません
首都圏反原発連合:ステートメント【3.11東京電力福島第一原発事故から12年・原発ゼロ社会を未来へ残すために】
東日本大震災と、地震により引き起こされた人災、東京電力・福島第一原発事故から12年。
震災や原発事故関連でお亡くなりになられた皆さまに、哀悼の誠を捧げます。放射能汚染により永久的に住まいや故郷を奪われた皆さま、いまだに避難生活を余儀なくされている皆さま、直接的被害を受けた皆さまに、心よりのお見舞いを申し上げます。
この12年を振り返ると、原発事故後には脱原発の世論が圧倒的で、第二次安倍政権が原発推進に躍起になっても、世論の反発により再稼働は容易ではありませんでした。多くの人が「ゆるやかに脱原発が実現していくのかもしれない」と感じた時期もありましたが、ここ近年では、脱炭素とウクライナ有事の影響によるエネルギー価格の高騰を理由に、推進派が息を吹き返しています。
安倍晋三元首相の死後、岸田政権はタガが外れたように様々な悪政を敷いてきていますが、12年目の3.11を前に、原発推進を決定的にする閣議決定をしました。政府の『GX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議』(議長=岸田文雄首相)が昨年作成した『GX実現に向けた基本方針 ~今後10年を見据えたロードマップ~』を軸に、「束ね法案」を閣議決定したのです。
これは『原子力基本法』『電気事業法』『原子炉等規制法』『再処理法』『再生可能エネルギー特別措置法』をまとめて改悪したもので、原発推進「束ね法案」と言える内容です。原子力規制委員会の委員が法改正に反対したままの状態で、60年超運転を可能にするなどの法改正案を閣議決定したのです。また、『原子力基本法』では「原発の活用は国の責務」と位置づけました。
12年前に事故を起こした福島第一原発は未だに収束しておらず、廃炉への道筋も不明瞭なままで、わたしたちは今まだ「原子力緊急事態宣言」下に置かれているのです。にも関わらず、安倍政権から原発推進を継承した岸田政権が、安倍時代よりもさらなる原発推進を実行している様は、正気の沙汰とは思えません。
地震大国、日本。南海トラフ地震や首都直下型地震の発生、一部の火山の噴火などが危ぶまれており、これらが発生すると全国にある54基の原発が、12年前の福島第一原発のような憂き目に合う可能性があります。政府は「安全性を確認して再稼働する」と言いますが、過酷な大災害に人類が打ち勝つことができないことは、長い歴史の中で証明されています。
原発はクリーンエネルギーではありません。危険な被ばくを伴う発電方法は必要ありません。わたしたちには原発を無くし、再生可能エネルギーを主軸とし、ゼロエミッション火力を推進するという選択肢があります。それが実現しないのは、政権や与党議員が関与する分厚い利権構造に加え、与党に巣食う核武装論がそれを補完し、結果的に政策障害に陥ってしまっているからに他なりません。
21世紀の世界に原発はいりません。人類は「核と人類は共存できない」と自覚し、地球の覇者であるかのような自惚れを正し、自然環境を保全し共存するという、次世代に健全な未来を残す選択をするべきです。原爆の被害を受けた唯一の国日本こそが、世界を脱原発に導くべきなのです。現政権は、欧米社会に流されてその逆をいってしまっています。
原発ゼロ!再稼働反対!トリチウム汚染水を海に流すな!
政府が正気でないのなら、せめてわたしたちは正気で訴え続けましょう。
原発ゼロ社会を未来へ残すために。
2023年3月4日
首都圏反原発連合 - Metropolitan Coalition Against Nukes –
<関連>
首都圏反原発連合:ステートメント 【福島第一原発のトリチウム汚染水海洋放出の政府方針決定を受けて】(2021年4月22日)