首都圏反原発連合:ステートメント 【第6次エネルギー基本計画・閣議決定を受けて/原発はベースロード電源ではない】

Posted on by on 11月 13th, 2021 | 首都圏反原発連合:ステートメント 【第6次エネルギー基本計画・閣議決定を受けて/原発はベースロード電源ではない】 はコメントを受け付けていません

首都圏反原発連合:ステートメント
【第6次エネルギー基本計画・閣議決定を受けて/原発はベースロード電源ではない】

 
 2021年10月22日に、第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました。私たちが懸念していた「原発の新増設やリプレース(建て替え)」の記載は差し控えられましたが、第5次計画を踏襲し、原発は重要な基幹電源(ベースロード電源)であること、2030年の電源構成比も変わらず、20~22%とすることとなりました。
 
 しかし、福島第一原発事故当時54基あった原発は、事故後の10年間で10基しか再稼働しておらず、原発由来の発電量は全体の4.3%(2020年)にとどまっています。事故前には54基の稼働で約30%前後の電力を賄っていたことを考えると、これは原発の新増設なくして達成できない数値なのです。
 
 一方で、再生可能エネルギーは第5次計画よりアップデート、基幹電源と位置付けられ、2030年の電源構成比においての目標は36~38%と、10%以上引き上げられました。これについては一定の評価はできるものの、この数値は官民一致で全力で取り組むことで達成可能、いや、もっと上積みすることも可能なのではないでしょうか。
 
 菅前首相が「2050年カーボンニュートラル」を宣言したことで、日本でも脱炭素の取り組みが進んでいますが、脱炭素のために原発を稼働することは言語道断です。しばらくは火力で補いながら、再エネとゼロエミッション火力の拡大に力を入れるべきで、原発の再稼働を許してはいけません。原発はクリーンエネルギーにあらず、今すぐ稼働ゼロにするべきです。
 
 第6次計画の閣議決定の前の、素案についてのパブリックコメントでは約6400件の意見が寄せられ、その結果、この度の計画には「福島第一原発事故は国の責任である」ことが追記されました。これも評価できますが、事故直後に策定された計画にも記載するべきでした。
 
 再エネの目標は拡大したにも関わらず、原発を依然として維持したい人々は全国民の一部でしかありません。そのほとんどが既得権益絡みです。そこに紐づく自民党の国会議員もいますが、30年以内に来ると言われている大地震や、原発へのテロ攻撃の懸念を考えると、原発ゼロが国防の基本のキであることを理解いただきたいものです。
 
 3年ごとに見直しを定められている『エネルギー基本計画』は、国のエネルギー運用のあり方を示す重要なものです。現代社会に暮らす私たちにとって、エネルギーは必要不可欠なものであることから、私たちの暮らしや社会のあり方にも大きな影響を与えます。今後、もっと多くの人々に関心を持っていただくことを希求します。私たちの暮らしのことは私たちで決めていきましょう。
 
2021年11月14日 
首都圏反原発連合 – Metropolitan Coalition Against Nukes –
 
 
 
 
 
 

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