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首都圏反原発連合:ステートメント 【第6次エネルギー基本計画策定に向けて/原発ゼロ・再エネ100 エネルギー立国へ】
Posted on by 反原連 on 7月 7th, 2021 | 首都圏反原発連合:ステートメント 【第6次エネルギー基本計画策定に向けて/原発ゼロ・再エネ100 エネルギー立国へ】 はコメントを受け付けていません
首都圏反原発連合:ステートメント
【第6次エネルギー基本計画策定に向けて/原発ゼロ・再エネ100 エネルギー立国へ】
3年ごとに見直しを定められている『エネルギー基本計画』は、国のエネルギー運用のあり方を示す重要なものです。2018年に策定された第5次エネ基を経て、今年の夏から秋には『第6次エネルギー基本計画』が策定される予定です。2011年の福島第一原発事故により多くの人々は原発の危険性に気づき、それ以降、脱原発は圧倒的世論となり、同年には民主党政権が「2030年代原発ゼロ」方針を打ち出し、ゆるやかに脱原発に舵をきりました。しかし、政権交替後、第二次安倍政権では、原発事故を顧みる事なく原発推進に戻されたという経緯があります。これは完全なる過ちだったといえるでしょう。
『第6次エネルギー基本計画』策定に向け、首都圏反原発連合は、「原発の新増設やリプレース(建て替え)」が明記されるのではないかと懸念してきました。第2次安倍内閣で安倍首相の寵愛を受け原発推進をリードしてきた総理秘書官今井尚哉氏さえ、世論に配慮し、2018年の第5次エネ基にこれを入れることができませんでしたが、2020年に菅首相が所信表明で「2050年カーボンニュートラル宣言」をしたことにより、原発推進派が「CO2を排出しない原発を重用すべき」という論調を強めたからです。
しかし、政府も経済産業省も、第6次エネ基にこれを明記しない方向で調整を始めたと報じられています。また、今年6月2日にだされた、政府の『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』改定案では、原発を「最大限活用していく」との表現がなくなりました。ただし、「可能な限り依存度を低減しつつ、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、再稼働を進めるとともに、実効性のある原子力規制や原子力防災体制の構築を着実に推進する」とあり、原発の使用は引き続き念頭に置かれています。
第5次エネ基では、2030年の電源構成を原発20~22%としていますが、この数字は原発の新増設がなければ到底達成できない絵に描いた餅でしかありません。福島第一原発事故当時54基あった原発は、事故後の10年間で10基しか再稼働しておらず、原発由来の発電量は全体の4.3%(2020年)にとどまっています。事故前には54基で約30%前後の電力を賄っていたことを考えると、原発の新増設なくして達成できない数値です。優秀な民間企業なら、このようないい加減で実態を伴わない計画は立てないでしょう。
上記のように、原発の新増設ができなければ、現行の電源構成の達成は不可能です。首都圏反原発連合は、現行のエネ基にある「原発は重要な基幹電源(ベースロード電源)」の文言を削除し、20~22%という数値をゼロにすることを求めます。原発ゼロを最優先に、当面は火力発電でカバーし、環境破壊をしない方策での再生可能エネルギーの開発や普及を急ピッチで進め、「エネルギー立国」となることを強く求めます。政府はのらりくらりとせず、圧倒的脱原発世論に寄り添い、一刻も早く「原発ゼロ・再生可能エネルギー100」のエネルギー計画を策定すべきです。
現代社会に暮らす私たちにとって、エネルギーは必要不可欠なものです。『エネルギー基本計画』は私たちの暮らしや社会のあり方に大きな影響を与えます。今現在、新型コロナウィルス感染拡大や、コロナ災害下においての様々な問題があり、生活や生命さえ危険にさらされている人々もおられます。また、圧倒的な反対意見の中、東京五輪2020が強行開催されようとしており、社会問題となっています。このような状況ですが、一部の専門家や活動家だけではなく、多くの人がこのエネルギー基本計画に関心を持ち、注目していただくことを望みます。私たちの暮らしのことは私たちで決めていきましょう。
2021年7月7日
首都圏反原発連合 – Metropolitan Coalition Against Nukes –
<備考>
エネルギー政策に関する「意見箱」
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/opinion/index.html