首都圏反原発連合:ステートメント【東京電力経営陣刑事訴訟の地裁判決について】

Posted on by on 9月 22nd, 2019 | 首都圏反原発連合:ステートメント【東京電力経営陣刑事訴訟の地裁判決について】 はコメントを受け付けていません

首都圏反原発連合:ステートメント【東京電力経営陣刑事訴訟の地裁判決について】
 
 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴されている「東電刑事訴訟」で、元会長の勝俣恒久被告、元副社長の武黒一郎被告、元副社長の武藤栄被告の判決が下り、9月19日、東京地方裁判所(永淵健一裁判長)は、「津波の予見性は認められない」として、三人に対して無罪を言い渡しました。
 
 判決の冒頭で裁判官は「取り返しのつかない被害」と認定しておきながら、原発で最大に優先すべき安全性と、原発事故による被害の重大性を真剣に捉えているとは到底思えず、避難移送の過程で亡くなった44人の双葉病院の患者を思うと考えられない不当判決です。
 
 公判の最大の争点である「津波の予見可能性」については、津波予測の報告を受けた被告らは一切対策を講じなかった。この点一つを取っても被告に責任があります。裁判官が無罪とした理由の一つである「社会通念」は、それ自体に安全神話が強く影響していたことは政府事故調と国会事故調で指摘されていますが、裁判官はそうした事実を直視しようとしてしません。
 
 この裁判で見え隠れしているのは、東京電力の「安全」より「利益」の企業体質を支持し、「想定外」を認め、政府の原発維持政策を司法までも是認したことです。これによって、各電力会社の経営陣に「敢えて危険を把握しない」ことにより原発事故の罪に問われない逃げ道を示したことになります。
 
 検察官役の指定弁護士のみなさんには控訴することを希求するとともに、司法の歴史に大きな汚点を残す判決を下した東京地裁に強く抗議します。
 
2019年9月23日 首都圏反原発連合 – Metropolitan Coalition Against Nukes –
 
 
*9月30日、検察官役の指定弁護士が無罪判決を不服として控訴しました。2審の東京高等裁判所で審理されることになります。(2019年9月30日)
 
 
 
 
 
 
 

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