首都圏反原発連合:ステートメント 【3.11東京電力福島第一原発事故から15年・原発回帰をさせないために】

≪首都圏反原発連合:ステートメント≫
【3.11東京電力福島第一原発事故から15年・原発回帰をさせないために】

 
東日本大震災に伴う東京電力・福島第一原発事故の発生から15年が経とうとしています。震災で
尊い生命を失った皆さまに哀悼の誠を捧げ、被害にあった皆さまには心よりのお見舞いを申し上
げます。また、原発事故関連で生命を失った皆さまに心よりのお悔やみを申し上げるとともに、
放射能汚染により故郷を追われた皆さまにも、心よりのお見舞いを申し上げます。
 
昨年策定された「第7次エネルギー基本計画」(以下「エネ基」)では、これまで明記されてきた
「原子力依存度の可能な限りの低減」という文言が削除され、「原発の最大限の活用」へと方針
が転換されました。たった15年前の原発事故の記憶を消し去るかのように、あからさまな「原発
回帰」へと舵を切ったのです。
 
これを受け、高市政権は政権発足から間もなく、世界最大規模の原発である柏崎刈羽原発の6号機
の再稼働を強行しました。内閣には安倍元首相の最側近で原発推進の要人である今井直哉氏が参
与として関わっていますから、更に推進のスピードが速くなっているのではないかと考えます。ま
た、トラブル続きだった同原発を動かすことは、高市政権が原発推進の狼煙を上げたということ
であり、日本のエネルギー政策の転換の象徴となったと考えていいでしょう。
 
しかし柏崎刈羽原発6号機は、1月21日の再稼働直後に制御棒の不具合で一時停止したりなど、稼
働に向けて原子力規制委員会での審査を通過したにも関わらず、スムーズには進んでいません。ま
た、テロ対策である特重施設の完成が遅れているため、2029年以降には運転できなくなる可能性
がありますが、今現在、テロ対策をしていない原発を動かそうとしている政府においては、危機
意識が欠落しているとしかいえません。
 
また、柏崎刈羽原発を運営する東京電力のセキュリティ体制についても、不審なことが多々起き
ています。最近では、重要秘密文書を社員がスマートフォンで撮影し、それを社内16人にメール
で送ったり、以前には不適切なコピーをするなど、管理体制の脆弱性が指摘されています。想定東
海地震の震源域にある浜岡原発を運営する中部電力も、耐震性に関するデータについての不正疑
惑が報じられています。国策として守られた電力会社は相変わらず安全神話に胡座をかき、自らが
運営する原発の危険性をもないがしろに扱うという、非常識かつ危機的な状況にあります。
 
またエネ基では「原発回帰」のために、原発建設に対し「公的な信用補完の活用とともに、政府
の信用力を活用した融資等を検討する」とされました。それに鑑み高市政権は「電気事業法改正
案」を3月中旬に閣議決定し、特別国会で成立させようとしています。これは当初は財政融資をす
るとされていましたが、補助金方式へと変更され、我々からの税金を充てて原発再稼働を加速さ
せようとする狙いがあります。また、廃炉が決定した原発のサイト内での建て替え(リプレース)
や、次世代型原発の建設を日米連帯で推進しようとしています。
 
このように高市政権は原発を推進し、原発を日本の低炭素電源の柱として再構築しようと目論ん
でいますが、そもそも原発はクリーンエネルギーではないばかりか、事故を起こすと福島第一原
発事故でわかるように未曾有の人災をもたらします。原発がクリーンエネルギーであるとの謳い文
句にのせられることなく、ドイツのように脱炭素と原発は切り分けて考えていく必要があります。
 
何度でも言います。核と人類は共存できません。次世代に安心安全な環境を残すために、原発を
廃止していくことは私たち大人の責任範囲です。15年前に起きた福島第一原発事故からの教訓を
反故にすることなく、当面は火力で代替えして原発を廃止し、いずれは再生可能エネルギーを主
力に。不毛な長距離発送電を廃止し、地域にあった発電方法で電力は地産地消に。
 
賢い考え方はいくらでもできます。次の過酷事故を起こす前に、既得権益と危険にまみれた原発
は一刻も早く廃止にするべきです。
 
2026年3月4日 
首都圏反原発連合 - Metropolitan Coalition Against Nukes ‒