東京・日比谷で行われた
0309NO NUKES DAY 原発ゼロ★大統一行動
の様子の「その3」です。
今回で完結!
「その1」「その2」もぜひご覧下さい!
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晴れてはいますが風はやはり冷たくなってきました。延々と強くデモ隊を迎えながら、「何か寒くなってきたね~」とプルプルしてると、一人のご婦人が、ちょっと恥ずかしそうな笑顔をして近づいて来ました。
ためらいがちに微笑みながら「あのぅ~ね…」と仰るので「はい、何でしょう?」とこちらも笑顔で応えます。すると、更にためらいがちに、
「あの…カンパなんだけど…ね…、そのぅ~あのぅ~…」
「はい…」
「えぇ~と…」
「はい…?」
「そのぅ…」
「?」
ご婦人は小声で囁くように…
「おつりあるかしら?」
ワァオ!!久しぶりのカンパのお釣り!!(笑)わはは!!!
「ありますあります!大丈夫ですよ!過去にもそういう方いらっしゃいましたし!全然オッケーですよ~!ありがとうございます!」
「ホント~?良かった~。何か申し訳なくてね~(笑)」
「とんでもない!こちらこそすみません、ありがとうございます!」
ご婦人はニコニコしながら、お釣りを受け取り「どうもありがとう~」と去って行きました。
(ああ…懐かしい。官邸前でのあのカンパのお釣りのおじさん(^^;)
Mちゃんと二人、「そこまでしてカンパしてくれるって逆に嬉しいよね~」と微笑み合います。ホントにありがとうございます~。
さて、デモ隊も全てゴールした様子。警察官の方たちも片付けを始めました。「やっとデモ終わったね~」この後は、また国会周辺へと戻ってカンパ&見送り&後片付けをしなきゃ!
…が、さすがにちょっと休憩したい(^^;何かじっと立ってたら寒くて冷えきっちゃったし、とにかく喉が渇いた。あったかいカフェオレとか飲みたい~。Mちゃんも足が痛いと騒いでます。「この辺に何か店…無いかな~」警備に立ってた警察官のお兄さんに、何の躊躇もなく
「すみませーん。この辺に、ドトールみたいなコーヒー屋さんてありますかぁ?」
と聞く私達。
「ああ…、え~と、確かここ真っ直ぐ行って信号渡った所に、タリーズか何かあった様な…」
「ありがとうございま~す、行ってみます」
足が痛いとうるさいMちゃんを引っ張りながら、急ぎ足で歩きます。自民党本部を通過し大きな交差点に出ると…
「あ!あったあった!ホントだ!」
交差点をヨロヨロしながら急いで渡り、やっと念願の水分補給へ~~。
場所は永田町で、日曜の中途半端な時間だと言うのに、店内はほぼ満員な状態。チラチラお客さんを見ると、デモ隊から流れて来た感じの人達がたくさんいます。
私達も、暖かいカフェオレと紅茶を注文し、レジ前で待つことに。混んでる為に、店員さん達も大わらわな様子。しかも、ちょっと新人さんぽい馴れない手つきの店員さん…(^^;レジ前には注文した飲み物を待つ人達が並んでいます。なかなか出来そうにないので、足が痛いと騒いでるMちゃんを先に席に座らせ、私一人、レジ前で注文した物が出来上がるのを待っていました。
いまいち電波が良くないシーバーの会話に注意を払いながら、何か視線を感じるので顔をあげると…私の横に、ベビーカーを押した若いパパが立っていました。紺色のピーコートをきちんと着た品のいい感じの若い男性です。ベビーカーには2~3歳位の小さな男の子が乗っていました。視線はその二人からでした(笑)ベビーカーに乗った男の子はスッゴい笑顔で私をジ~ッと見ています。若いパパの方は、チロチロと…
まぁ…確かに…。腕に《首都圏反原発連合》の黄色い腕章をし、カンパ袋をさげ、片耳にイヤホン突っ込んで肩からトランシーバー下げてるアンタって…いったい何者?って感じですわな(^^;;
相当あやしい奴だって思われてんのかな…と、何気に視線を気にしながらコーヒーを待ってると、若いパパの方の飲み物が出来上がりました。するとその男性は、ベビーカーを動かして歩き出す時、私の目をしっかり見ながら、微笑むというよりはむしろ真剣な表情で「どうも…ありがとうございます…ありがとうございます」と小さな声で言い、お辞儀をして店を出て行ったのです。
一瞬、何が起きたか把握出来ずポカンとしてしまった私…。ただ、反射的に「あ、いえ…」とか言ってお辞儀はしたけど…。
一瞬の出来事でした。
でも、ずっとずっと心に残るような暖かい出来事でした。
さて…。暖かいカフェイン注入して、再び覚醒した私達は、ゆっくりする間もなくとっとと店を後にし、再び国会前へと向かいました!
あと1時間位で抗議も終わりです。歩きながらMちゃんが、「ねぇねぇ、あたしさぁ、今日は相当カロリー消費してると思う!」と、若干嬉しそうに言いだします。ま、確かに今日は良く歩いてるよね…うちら…(^^;
官邸前の方に出て国会の裏手を回って戻ってくると、財務省交差点は、人の往き来が何だか激しい感じです。朝からずっと参加されてた方達はちょっと早めに帰路についているのかもしれません。逆に昼間は参加出来なかったけど、夕方の抗議だけでもちょっとは出たいという方が、ワラワラといらしてる様な感じ…。
Mちゃんと私は様子を見て、最終的には財務省の交差点にそれぞれ立つことにしました。
もうすぐ5時だというのに空はやんわりと明るく、春は確実に来ているのだということを教えてくれてるよう…。
カンパ袋をさげ、「お疲れ様でした~」と言いながら皆さんを見送り始めます。
5時になりました。帰る人の波がドッと増えてきます。舗道に立ち、お疲れ様でした!と叫ぶスタッフに、笑顔で「お疲れ様」「ご苦労さん」「ありがとう」と声をかけてくれる参加者の方々…。
いつもの…もう何回も見てきたお馴染みの光景です。でも、毎回ジワッときそうになる…この時間。
そんな思いを抱えながら皆さんを見送っていると、一人のご婦人がにこやかな顔で近づいて来ました。
「今日は長丁場だったわね、ご苦労様。カンパするわね!」
「あ、すみません!ありがとうございます!」
「ところでお願いがあるんだけど…」
「はい、何でしょう?」
「おつりあるかしら?」
(ワァァーッ!!ナイス!笑)
「わはは!もちろんです!」
「ごめんなさいね(笑)細かいの電車の切符買うんで使っちゃったのよ~。」
「いえいえ、とんでもない。全然オッケーですよ!ありがとうございます!」
ご婦人はサラリとした様子でニコニコしながらおつりを受けとると、
「これからも頑張っていきましょうね。今日は本当にお疲れ様!」
と言い…帰って行かれました。
後片付けをし撤収作業も終わり、私とMちゃんは「疲れたね~とりあえず早く帰って寝たいね(笑)」とか話しながら、日比谷の方へダラダラ歩き始めました。お昼に食べ損ねたおにぎり弁当も持って帰ってきました。ふっと…日比谷公園にいる、あるおじさんの事が頭に浮かびました。毎週金曜、抗議に行くのに日比谷公園を抜ける時、いつも見る路上生活者のおじさんです。今日も昼間、日比谷公園で当日プログラムを配ってる時にも見かけました。
Mちゃんに「あのさぁ…ちょっと寄りたいとこがあんだけど…」と言い、二人で日比谷公園の中へと入って行きました。日比谷公園の中央広場は、まだ昼間のイベントの続きで盛り上がってる様子…。
それとはちょっと離れたいつもの場所に行くと…居ました、あのおじさんが…。Mちゃんと二人で近づいて行くものの、何て声かけたらいいかな…と一瞬ためらった私にかまわず「すいませ~ん」と、さっさと声をかけるMちゃん。
「あの…今日ちょっとイベントがあってぇ…お昼食べれなくて余っちゃったんで…良かったらどうぞ!」
するとおじさんは意外にもハッキリとした声で、
「ああ!ありがとうございます~!」
と言い、超ステキな笑顔をしてくれたのです。
「すいません…何か、こんな物で…」
と手渡す私達に、おじさんは嬉しそうにまたお礼を言います。じゃあ、おやすみなさい…と私達も笑顔でお辞儀をし、その場を離れました。
みんなが幸せである世の中になればいいのにね。ささやかでもいいからさ…。
だから頑張ろ…。私も、原発無くなるまで、絶対あきらめない。
祈りにも似た気持ちで終わった『NO NUKES DAY』でした。
反原連の皆さん、当日スタッフの皆さん、そして参加された皆さん、参加出来なくても見守ってくれてた皆さん…、本当に本当にお疲れ様でした!