【2013/09/20】東京・官邸前

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恒例!官邸前抗議行動レポートです!
「やれることは何だってやるわよ!」というご婦人とのやりとりが、特に印象的でした。
どうぞお読みください!!
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【写真:空】.jpg
最近の空はすっかり秋色ですね~。
ところで皆さん、ご承知の通り、今、日本で動いてる原発は一基もありません。ゼロです、0、ZERO、零!(←しつこい!)
さてさて、今日は金曜日。稼働原発ゼロになっての、また新たなスタートです!
今日も着き次第、官邸前エリアへって事で、急ぎ足で向かいました。
地下鉄4番出口の前に着き、カンパ袋とチラシ4種を受け取り、荷物を置いて、しゃがんでチラシを整えていると、何か背後に人の気配が…。振り返ると、笛をくわえたお爺さんが、無言でカンパ袋にお金を入れようとしてくれてますっ。「あっ、すいません!ありがとうございます!」と慌てて立ち上がると、お爺さんは笛をくわえたまま無表情で頷き、ヒュ~と笛を鳴らすと、地下鉄乗り場へ降りて行きました……ヒュ~…(^^;
重たそうな鞄を持ったサラリーマンのお兄さんが、小さな団扇を振りながらニコニコとコールして歩いて来ました。その後からは、胸にプラカードを掲げたガッチリした体格の男性が、力強い声でコールしながらグミ坂を上がって来ます。
と、外国人5人位のグループがぞろぞろと地下鉄出口から出てきました。私と目が合うとニヤッと笑い、そのままグミ坂を先頭エリアの方へ上がって行きました。
そして今日もたくさんのチャリ隊が…!!カッコいいなあ~。抗議の列に並ぶ人達が嬉しそうに手を振って応援する姿もいいんだよねぇ~。
と、チャリ隊の一人の男性が、私の後ろにキキッと止まりました。なんと「カンパを…」と!「わぁ~!ありがとうございます!」と言うと、ちょっと照れくさそうにニコッと笑い、また颯爽と走り去って行きました。ヒュ~ッ!
コールが始まってます。あれ…?この声…。平野さんでした。久しぶりに聴く平野さんのコール。去年、何度も何度もここで聴いてきたこの声。平野さんのコールって本当にいい…。熱く力強く、でも繊細で、どこか切ない。久しぶりに何度も何度も…官邸前に響き渡っていました。
「チラシ頂いていいかしら?」1人の女性が近付いて来ました。「どうぞどうぞ!4種類ありますけど…」と、差し出すと、女性の手元に小さなビニール袋に入った《祝》という文字の可愛いバッチが見えます。「わ、可愛い!バッチですか?それ…」と言うと「そう、缶バッチ!じゃあ、あなたにひとつあげるわ」と。「え!買いますよ、買います!」と言うと「いいのよ、これ今日はタダで配ってるんだから」。そして「この《祝》って、何か分かる?」と仰るので「原発全部止まったお祝いって事ですよね?」と答えると「あはは!これは祝島の《祝》なのよ~」と。そっかっ!祝島かっ!(^^; カラフルな色とりどりの中から、えーどれにしよう~どれにしよう~と散々迷って(笑)、綺麗な水色のを頂きました~。ありがとうございます!
【写真:祝バッチ】.jpg
早速バッチを付けてニヤニヤしてると、さっき立て看板の地図を見ていた女の子が話しかけてきました。「この間の恵比寿の原発ゼロパレード、台風で中止になっちゃって残念でしたね~」「あぁ…!あの台風でドラム隊のも中止になっちゃったですしねぇ」「22日の差別反対の大行進…わたし行きます!」「お!私も行きますよ!」「でも同じ日に、中止になった恵比寿の原発パレードがあるんですよ~」「え…そうなんですか!?」「だから、大行進の後、新宿からソッコー恵比寿に行けば間に合うかな~って」「…スッゲーなぁ」「やらなきゃなんないこと多いから大変(笑)」「ホントにね…」
彼女は、シャンッと姿勢を正すと…
「もー!頑張りましょうねぇ~!腹立つこと多いけど~」
明るい元気な声でそう言うと、ペコッとおじぎをし、お疲れ様でした~とグミ坂を下って行きました。
キラキラした綺麗な手作りのプラカードと、それに合わせた様な、これまたキラキラ光るモノを首からさげたお婆さんが、にこにこコールしながら歩いて来ました。首にさげたそれが、あまりにキラキラしてて綺麗なので「それ…綺麗ですね…」と、じっと見ると、ピンクのハートの形をしてるじゃありませんか。「わ、ハートなんだ!しかもピンク!」お婆さんは凄く嬉しそうにニコーッと微笑むと、そのまま笑顔でコールしながら、ゆっくりゆっくり歩いて行きました。
今日も官邸前は色んな人達が集まってます。
缶コーヒー片手に歩いてきて抗議の列に加わった男の子、地下鉄乗り場へ降りてくまでコールをし続けてたおじさん、ものスッゴい眠そうな顔で地下鉄出口から出てきた男の子は、出てきたとたん、超かったるそうにコールをしながら、ダラダラとグミ坂を先頭の方へ歩いて行きました。
抗議終了まで20分切った時、1人のおばさんが真剣な表情で近づいて来ました。手には一枚の白い紙きれを持っています。私のそばに来ると、通る人の邪魔にならないように横に寄って「ねぇ…これ、読んでみて」と、持っていた紙を差し出しました。大学ノートからきれいに切り取られた1ページには、手書きの文字がビッシリと書かれています。
それは、『原発の安全安全と言ってるが、処理出来ない有害ゴミが出るのに何が安全ですか!…』に始まり、原発は地球をダメにする、命をダメにする…ということを、自分の言葉で一生懸命綴った、ノート1ページ分の《手紙》でした。
読み終わって何も言えなくなってる私に、おばさんは、あっけらかんとした口調で、
「これさ、郵便とかFAXとかで送りたいんだけど、住所ってどうやって調べたらいいの?」
「どこに送りたいんですか?」
「もう、あらゆるところ!」
「東電とか…?」
「そう!それから、環境省とかさ、何かそういう感じのとこ全部!」
思わず声を詰まらせそうになった私に、おばさんは更にあっけらかんと、
「まあ…こんなの読んでくれないだろうし、ゴミ箱に捨てられちゃうんだろうけどさ、でも!もしかしたら…誰か読んでくれるかもしれないじゃん?読んでくれなくたって、沢山届けば何か感じてくれるかもしれないしさ!」
「…そうですね」
「あたし、インターネットってやってないから、住所とかどうやって調べたらいいか分からないのよ。どうしたらいい?」
「…分かりました。じゃあ私が住所を調べて一覧表にして、それをそちらに送るっていうのはどうですか?差し支えなかったら、ご住所教えていただければ…」
「ホント!?何か悪いわね~。でもお願いしちゃおうかな!じゃ、この裏に住所とか書いとくわね…」
そう言って、バッグからペンを取り出し、手紙の裏に住所氏名を書くと、
「ありがとねぇ~、助かったわ~!もう、やれることは何だってやるわよ!」
おばさんは嬉しそうに笑い、地下鉄乗り場へ降りて行きました。
私は手元に残った手紙を見て胸がいっぱいになり、涙が出そうになるのを必死にこらえながら、その手紙をバッグの中にしまいました。
8時になりました。
日中は暑いくらいだったのに、やはり夜になると、どこかヒンヤリと肌寒い感じ…。
お疲れ様でした~と声を交わしながら、カンパだ!チラシだ!と、いつもの如くバタバタやってると、
「あ!いたいた!カンパの人!ちょっと~カンパ袋あるの見えにくいわよ~」
と、女の人が近付いて来ました。
「すいません、チラシ配ってると、なんかぐちゃぐちゃになっちゃって…見えにくいですよね、カンパ袋…」
「わざと控え目にしてたの?」
「え…?あ、はい、性格が控え目なんで…」
「ちょっと待って、お金出すから」
(聞いてないし肝心なところ…(`ε´))
「はい、カンパね!あと…これも渡しちゃっていいかしら?」
そう言って、マカダミアチョコの箱を出すので、なぜか空箱だと勘違いした私は…
「あ、はい、いいですよ!」
と普通に受け取った後、箱が開封されてないのを見て
「…あれ?…これ、中、入ってますけど…」
と言うと
「当たり前よ―ーーっっっ!!!」
大爆笑でした(^^;;
「すいませんすいません!!チョコ、マジで嬉しい!」
「でしょ―!?(笑)」
「ありがとうございます!食べます食べます!」
「食べてね~!お疲れ様、また来週ね!」
(^^;;
帰り道、今日官邸前で会った人達を思い浮かべながら…思いました。
色々とんでもない事ばかり起きるけど…まだ、希望はある。みんな、こんなに明るく、元気に、前に進もうと頑張ってるんだもの…。
今はとにかく…
進もう…
続けよう…
また来週~!!
【写真:手紙】.jpg