【2013/09/29】東京・官邸前「目には見えない何かを与えて何かを貰って…だから続けられるのよね。」

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首相官邸前、国会前等からの金曜アクションレポート。
後半、泣きます。
「目には見えない何かを与えて何かを貰って…だから続けられるのよね。」
官邸前での人々のありかた、つながりかた、暖かさが日本中に広まって行ったら、元気でやさしい国になるだろうなあと夢想。
心してお読みください(笑)
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【写真:きんかんのど飴】.jpg
朝晩、寒くなってきましたね~。この温度差で体調崩す人も多いですよね。皆さん気を付けて下さいねっ。
と言いつつ、私は既に体調不良で、今日はヘロヘロ。今朝起きたら、背中に激痛走るし、胃が焼ける感じで吐き気はするし…ううう(泣)
でも行くわよ―!キンカン!這ってでも行っちゃうわよ―!(←仕事より100倍真面目)
さて。最近は、ずっと官邸前エリアでスタッフをやっていたので、今日は他のエリアをレポートしようと、とりあえず国会前の方へ向かう事に…。
といっても諸事情で遅れまくって、日比谷公園を過ぎた時点で既に7時過ぎ。ヤベーヤベーと言いながら、体調不良のヘロヘロな急ぎ足で(どんな状態じゃ?)財務省坂上の交差点近くまで歩いて来た私は…
みっ、見てしまいました…
すすすぎょいものを…
外務省庁舎の門の所にいつも立ってる警備員のおじさん。今日、私がそこを通りかかった時、おじさんは聴こえてくるコールに合わせて
…踊ってました
足でリズムとってたんじゃないッスよ!?踊ってたの!お・ど・り!!ダンシング!\♪/
ちょうどその時『原発はいらない~』の歌が聴こえて来てて、それに合わせてこのおじさん、歌が聴こえてくる方を見ながら、体をリズミカルに揺らして動かして(かなり大きく)、踊ってたんです…
いや、ホントだって!!!
それとも体調悪いから幻想見たのか…???
『まっ…マジかよ…』と心の中で固まりながら、なぜか、見ちゃいけない見ちゃいけない…と目をそらし、急いで交差点を渡りました…うぐっ
7時を過ぎた頃は人の入れ替わりも多い時間。抗議を終えて帰る人、これから抗議に向かう人…。交差点では色んな人達が入り交じっていました。
『原発を止める』と手書きの文字で書かれた大きめのプラカードを抱えたおばさんが、抗議を終えて帰るのか、歩いて来ました。プラカードを胸の辺りでしっかりと抱え、思いつめた様な深刻な表情で…日比谷の方へ歩いて行きました。
国会前に通じる舗道に立ってるサラリーマンの男性は、大学ノートを出して、何やら一生懸命メモってます。
そのちょっと離れた場所では、年老いた夫婦が二人で塀に座り、聴こえてくるスピーチに、うん、そうだそうだ!と反応していました。
と、そこへ、片手にプラカード、片手におにぎりを持ち、おにぎりを頬張りながら歩いてくる女性が。おにぎりは手作りっぽい感じでラップにくるまれています。自分で用意してきたのかな~。
もう見慣れたから何とも思わないけど、片手にプラカード、片手におにぎり…って図。3.11以前じゃ、そうは見かけない図柄ですよ~。何か時々ふと、こういう些細な事にハッとさせられるんだよなぁ…。
いつも国会前へ続く舗道に、何やら大きなボードを2枚立て掛けて座っているサラリーマンのお兄さんが居ます。ボードには何か文章の様なものが書かれているのです。時々、誰かが立ち止まって見ていたりするものの、いつもあまり周りに人はなく、ワイシャツ姿のお兄さんが1人でポツンと座っている感じです。いつの頃からか毎週必ずいるので、気になってはいたものの、何となく立ち止まる事もなく通り過ぎていました。今日、私が通り掛かった時も、ワイシャツ姿のお兄さんが1人、塀に腰掛けて道行く人達を眺めていました。私が近づいて行ってボードを覗き込んでも、お兄さんは特に寄ってくる気配もなく、ペットボトルのお茶をゴクゴク飲んでいます。
地面からちょうど人の腰の高さまである、そのボード2枚には、この間安倍首相が福島原発を視察した際に、何を喋ったか…それが、ビッシリ文字起こしされていました。
【写真:ボード】.jpg
私が「凄いなぁ…これ」とお兄さんに向かって言うと、お兄さんは、ものすっっっごい控えめな雰囲気で、ニコニコはにかみながら塀から降りてこちらへ来ました。「インターネットやってない人とか、こういうの有り難いと思いますよ。聞き逃した人とか、こうして改めてちゃんと読めて…」と言うと、お兄さんは消え入りそうな、か細い声で「これ全部読むとイライラしてきますよ」と、全くイライラしてない様なニコニコ顔で言いました。「文字起こししながら腹立ってきますもん」と、更にニコニコ穏やかな声で言うので、私が「安倍…コイツ、頭おかしいッスからねー」と言うと「狂ってますよ。本気で狂ってると思います」と。「これって毎週、内容を変えてきてるんですか?」と聞くと「週変わりで作って来てます」ととにかくニコニコ。毎週、政治家や電力会社や、色んな人達の発した言葉を一生懸命聞き取って文字起こしし、ボードに作ってここへ持ってきてるそうです。誰かが読んでくれるくれない…というより、この一連の作業…行為そのものが、彼にとっての『抵抗』『反発』『アピール』なのでしょう。お兄さんのニコニコ穏やかで控えめな雰囲気を見て、そんな風に思いました。「いや凄いわ…大変な作業だろうけど…」と言うと、静かな明るい口調で、サラリと「倒れるまでやり続けます」。頑張りましょうね…私も笑顔でそう言い、その場を後にしました。
もうすぐ8時になります。
そうだ、チラシをちょっと貰って帰らなきゃだ!と、財務省交差点の方へ行くと、いつもの寄せ書き集めの人達が「お願いしま~す」と呼び掛けていました。急いでしゃがんで書き始めてると、帽子を被った年配の女性が「どうもありがとう~!ありがとねぇ~!」と近づいて来ました。「いえいえ、いつもご苦労様です~」と言って書いてると「もう嬉しくなっちゃう!こっちも元気になっちゃうわ!」と満面の笑みで元気に仰るので、「あたしも元気になります」と笑顔で返すと「でしょう~!?そうなのよ。この寄せ書きを集めて持ってくでしょ?そうすると、私も目に見えない何かを貰って帰って来るの。こういう活動って、そういうもんよね。お互い、目には見えない何かを与えて何かを貰って…だから続けられるのよね。お金には変えられないものよ。」
「…分かります」
「だからね、この金曜の抗議の人数が、一時より減った減ったって騒いでる人達がいるけど、私は何の心配もしてないの!ちゃんとしっかりした土台として定着してるって思うの。全然、大丈夫って思ってるのよ。みんな、何かをちゃんと感じてやってるから…続いてるのよね、しっかりと。」
「……」
「どんどん元気になってくわ!」
「はい…」
「大丈夫よ」
毎週、抗議が終わると、よほどヨレヨレではない限り、築地駅まで歩いて行きます。抗議の間、その都度ちょこちょこ携帯にうったこのレポートの為のメモを、頭の中で整理したりするのに丁度いい時間と距離なのです。
いつも、日比谷まで出た後、銀座のど真ん中を突っ切って歩いて行くのですが、最初の頃は、金曜夜の銀座のキラキラワイワイした雰囲気と、さっきまで居た官邸前とのギャップに、ものすごい違和感を覚え、複雑な気持ちになったもんでした。まるで、違う星にでも来たような変な感覚…。キラキラ光る街、キャーキャー楽しそうにはしゃぐOLさんやサラリーマンを見ながら、「呑気でいいねぇ~、ったくよー」と、黒い心で毒づいていました。
でも…いつの間にか、そんな風に思わなくなっている自分に気が付いたのです。
ずっと一年以上官邸前に通い続け、本当に色んな人達が声をあげているのを見てきました。お爺ちゃんお婆ちゃん、主婦、仕事帰りのサラリーマン、ハイヒール履いたOLさん、作業着姿の男性、工事現場のヘルメットぶら下げた男の子、子供連れの若い夫婦、今風の男の子や女の子、カップル、ホストみたいなエロ顔のお兄さん、バンドやってそうなオサレな男の子…
そんな人達を見てきたら、銀座できゃーきゃー騒いでるこの中にだって、きっと原発いらないって思ってる人、いっぱいいるんだろうな…って思えてきたのです。この人もこの人も…同じ気持ちでいるのかも、いや、きっとそうなんだろう…と。
そりゃ、もっと沢山の人達がデモや抗議に来て、実際に行動を起こして欲しいとは思うけど…、でも何だか…毎週、銀座の街を突っ切りながら、ちょっと明るく優しい気持ちでいられるようになったのは、私にとって大きな変化でした。
ま、めちゃくちゃ単純でオメデタイ考え方かもしれませんが…ね(^^;わはは
てなことで、
また来週~~~!!
風邪引かない様にね~!