【2015/01/30】官邸前からお届けします。


2015年1月30日(金)は、抗議は中止でしたが、レポートを頂きましたので掲載します。
次回は2月6日(金)です。
詳細はこちら
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中止の紙.jpg
今年はじめての雪の日でした。
官邸前抗議をやるかやらないか、いつものように前日から反原連の方たちがメールで話し合っていました。夕方からは40%の降水確率だったのですが、去年も予報に反して大雪となった事や、とにかく温度が低かったので路上凍結など考え、今回は早目に中止を決めました。
抗議自体、長期化してるし、みんな仕事だ抗議だと疲れてるし、長くしつこく続ける為に、無理をせず中止で良いと私も思いました。
が、昼過ぎから早々と弱い雨に変わった空を見ると「あ~…やれたかも…これ…」と、ちょっとした罪悪感に…(>_<)
とりあえず、抗議中止を知らずにいらっしゃる方々の為に、いつもの様にスタッフさんを2名程、国会議事堂前駅に配置する事になりました。今日は残業も大丈夫そうだし、何となく罪悪感に苛まれていた私は「やります」と即、志願。18時20分頃から19時過ぎ位までグミ坂に立つことになりました。
今、反原連のコアメンバー何人かは台湾の脱原発運動に参加&交流の為、台湾に行っているのです。現地と金曜抗議を結んでの中継もやる筈でした。
18時頃、会社を出ると雨はすっかりやんでいて、辺りはヒンヤリとした冷たい空気に包まれています。急いで地下鉄に乗り国会議事堂前へ向かいました。
今日は反原発の抗議が中止になったので、急遽、別団体の呼び掛けで、後藤さん救出を!の官邸前抗議が開催されることになっています。
改札を出て三番出口目指して階段を上がって行くと、スタッフのTさんが『本日の官邸前抗議は、悪天候の為、中止となりました』という紙を掲げて立っていました。
「お疲れ様です~。」
「お疲れ~。けっこう金曜抗議だと思って来る人いるわ。私はグミ坂から国会の方を見て回るから、Eさんはコレ持ってここで案内してくれる?」
「了解です!」
Tさんが持っていた『中止となりました』の紙を掲げ、階段を上がって来る人に向けて案内を始めました。
早速、大きな太鼓を持って階段を上がって来たおじさんが、私を見るなり、
「あ~…中止かぁ~!」
と、仰け反るように仰いました。
「すみません…そうなんです。雪がけっこう降っていたので大事をとって早目に中止を決めてしまったんですよ…つっても、もう全く降っていないんですけど…」
「そうだよなあ~、朝はけっこう降ってたもんなあ…」
「いや…ホントすみません…そんな大きな太鼓持って来て下さったのに…もうやんでるし…いやホントに…」
「ま、しゃあねぇな!(笑)あ、コレは何か他の抗議やってんの?」
「後藤けんじさんの解放を願う緊急抗議です」
「あぁ…後藤さん…。丁度良かった!コレに参加するわ。ありがと、お疲れさん!」
おじさんは大きな太鼓を抱え、グミ坂を前の方へ歩いていきました。
太鼓.jpg
今度は年配のご夫婦が階段を登って来ました。そして私を見るなり
「え…?」
「すみません…今日は中止なんです…ごめんなさい!」
と、ひたすら頭を下げると、ふくよかな笑顔でご婦人が
「まあまあ、そうだったの~知らずに来ちゃったわ(笑)」
と笑いながら仰います。
「すみません…ホントすみません…わざわざ来て頂いたのに…」
すると、ご主人が笑顔で
「まあ、仕方ないですな。雪、けっこう降っていましたからね~」
「いや、もうすっかりやんでるんですけどね…ほら。やれましたよね、これ。すみません…」
二人は優しい笑顔で笑いながら
「いえいえ、謝らないで下さい。大丈夫だから。」
と言い、後藤けんじさんの解放を願う抗議に参加すると言ってグミ坂へ降りていきました。
官邸前抗議だと思って来る人はけっこういます。ひたすら謝る私…(泣)
四番出口の方へは後藤けんじさんの解放抗議にやってきたスタッフのKさんが、急遽、立ってくれています。
雪も雨もやんではいるものの、空気は氷の様な冷たさ!こんな中、わざわざここまで来たのに中止と言わなきゃいけないなんて…。何だか途中から、私の方が泣きたい気持ちになってきました。
あ…。フウフウ言いながら階段を上がって来るあのおじさん…いつもグミ坂にいる人だ。うわあぁ…。
やっと階段を登りきったところで、申し訳なさそうな顔の私を見るなり、固まるおじさん…。
「え…中止…?」
「はい…」
「わあ~~」
おじさんは笑いながら倒れるふりをします。
「すみませんすみません、ホントすみません!!!」
(もはや、すみません九官鳥のわたし)
「いやいや(笑)アンタが謝ることないよ。そっかあ~中止だったのかあ~」
「すみません…」
「いや、いいって!いつもありがとうな。ご苦労さん!」
…(涙)
もう、アレですよ、これからは大雨で流されようが、大雪で埋まろうが、なにがなんでも抗議はやるぞ…死んでもやるぞっ!(死んだらやれない)って気持ちになりますよ…ホント(泣)。
泣きそうな顔をして立ってる私に、グミ坂に警備で立ってた一人の警察官が近づいて来ました。
「中止のご案内してるスタッフさんて何人いるのかな?」
「3人です。ココの辺りと4番出口付近と、1人国会の方面を見回ってます。」
「そうかあ…。いや、階段の下にもいた方が良いかなって思ってね。わざわざ階段上がって来るの…ほら、大変で可哀想かなって…(笑)」
なんと…階段を登って来る参加者の事を案じてくれたのです。
「あぁ、そうですね!じゃ、あたし階段の下に行こうかな…」
「いや、まあグミ坂から来る人もいるしね、ま、ここで仕方ないか(笑)」…と言ってる間にも、背後で
「ありゃ、中止だったのか」
と呟く声が…。
恐る恐る振り返ると(病みそうですわ、ホント)、1人のおじさんがガッカリした表情で立っていました。
九官鳥の様にすみませんを繰り返すわたし。
「いやいや大丈夫(笑)あ、2月の抗議予定のチラシあるかな?抗議ないならポスティングでもするかな~」
「いやあの…ごめんなさい…何も持ってないのです…重ね重ねすみません!」
「そっか、残念!俺、いつもあちこちポスティングしてんだよ。とりあえず、自分の住んでるマンションには毎月やってる。千枚単位で配り歩いてるんだ。」
「スゴい…」
「まあ、そんだけ配っても、どれだけ効果があるのかって話だけどさ。でもまあ、ちょっとでも関心持ってくれればと思ってねぇ」
「はい…」
「みんな飽きるの早いよなぁ~。まだ4年だよ?あの恐怖をもう忘れたのかって思うよ」
「…」
「俺なんか、みんなに『え?まだ抗議続いてんの?』って言われてるよ。続いてんに決まってるじゃねえか、ねえ?」
「はい…」
「原発以外に後から後から色々問題が山積みだけどさ、とにかく『原発』なんだよ。まずはこれをどうにかしないとダメなんだよ。」
「…」
「まあ、何があっても何を言われてもあきらめずに続けてくしかないよなぁ~」
「そうですね」
「じゃ、帰るわ!たまには早く帰るかな(笑)」
おじさんはそう言って、お疲れさん!とわたしに言うと、今登って来た階段を、また…降りて行きました。
わたしの斜め前で、ずっと何かのチラシ配りをしているお兄さんが「あのぅ…」と近づいて来ました。
「そこのグミ坂で、原発反対のプラカード掲げてる人がいるんだけど…。中止になったの知らないんじゃないかな…」
「えっ、マジっすか!ありがとうございます!行きます行きます!」
見ると、地下鉄出口を出て右に降りた辺りで、3人の女性が暗い中、『再稼働反対』の紙を掲げて立っていました。
「ああ…すみません…!今日はいつもの官邸前抗議は中止なんですよ」
と駆け寄ると、3人のご婦人は、あら!という顔をして
「あ、雪が降ってたからねぇ~そっかそっか~」
「も、すっかりやんでますけどね…。わざわざ来て頂いたのに本当にすみません…」
「いえいえ(笑)。あ、これは何か他の抗議なの?」
「あ、後藤けんじさんの解放をという緊急抗議が…」
「ああ…後藤けんじさんねぇ~ホントにねえ~。じゃあ、せっかくだからこのままちょっと参加するわ」
ご婦人達は再稼働反対の紙をしまい、そのままグミ坂に残りました。
元の位置に戻ると、さっきのチラシ配ってるお兄さんが、また、中止を知らずに来てしまったご婦人に説明をしてくれていました。
「わわ、すみません、ありがとうございます!」
と言うと
「いえ。仕方ないですね。ツイッターとかインターネットを見れない方達は分からないですからねぇ(笑)」
「ホントに…。つーか、すっかりやんでるし…」
「まあ、こればっかりはしょうがないですよ!(笑)」
お兄さんはその後も、自分のチラシを配りながらも、中止を知らずに来てしまった参加者の方に丁寧に案内をしてくれていました。
1人のおじさんが
「やっぱ中止かあ~」
と声を上げてグミ坂を上がって来ました。
「あ、はい~そうなんです、すみません…」
するとおじさんはニヤッとして
「こういう時こそ!と思って来たんだよ。『俺達の意志は固いんだぞ!』ってな。奴らに見せつけてやんねぇと!」
そう言って、拳で空中にパンチをして見せました。
「本当に…そうですよね。」
「わはは。まあ、また来週だな!アンタも風邪引かないようにね。ご苦労さん!」
おじさんはそう言って今来たグミ坂をおりて行きました。
と、入れ替わる様に、また1人の男性がグミ坂を上がって来ました。
「あ…中止なんだ」
「ごめんなさい、雪がけっこう降ってたので中止にしてしまったのです…」
「ああ、そうだよね、けっこう降ってたからね。そっかあ~、ちゃんと確認すれば良かったなあ…。いや、今日は用事あって迷ってたんだけどさ、何か行かなきゃって思って来ちゃった(笑)」
「…」
「いや、ごめん、気にしないで。いいんだよ、お疲れ様!」
そして、男性はグミ坂をウロウロ歩いている警察官をチラッと見ると、
「…ま、たまにはお巡りさんも休ませてあげないとな(笑)」
そう言い、地下鉄乗り場の階段を降りていきました。
後から聞いたのですが、『もし、いつもの抗議が中止になったことを知らずに1人でここに見える人がいたら気の毒だと思ったので、私だけは行こうと思った。』と言って来た方や、『反原連メンバーが台湾の反原発の方と連帯していることを知り来ました』という方々もいたそうです。
国会へ続く舗道には、いつものブブゼラを吹いてるおじさんがいて、「中止は知っていたけど一人でもやりたくて来た」と…。
凍るような冷たい空気の中、すっかり体は冷えてしまいましたが、心はどこかほっこりとあたたかく、小さな光を胸に抱いて、誰もいないグミ坂を歩いて帰りました。
グミ坂は、何だかとても優しく、そして柔らかなものに包まれている感じがしました。
また来週~!
来週は何にも降らないで~
グミ坂.jpg