【2015/1/9】東京・官邸前


2015年最初の首相官邸前抗議のレポートをお届けします!
次回は1月16日(金)です。
詳細はこちら
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未年の2015年が始まりました~
皆さん、年末年始はゆっくりと過ごされたでしょうか?
私のここ何年かの大晦日は、地元の寂れた神社での年越し炊き出しのお手伝いをしなければならず、厳寒の夜中、怒涛の年越しをしていましたが、今年はその任務もとりあえず終了したので、久しぶりに家でダラダラと年を越しました。あまりにダラダラし過ぎて紅白見るの忘れました。というか、テレビ付けるの忘れました。(蕎麦は食べました)
無事、新しい年を迎えられたことが嬉しいです。2015年も頑張って生き延びようと思います。
そして今日は2015年最初の金曜官邸前抗議!
今日からしばらくはウィンタータイムということで、抗議開始は18時30分になります。
18時40分過ぎに国会議事堂前駅に着き、ちょっと腰が痛かったので、地下のエレベーター前でエレベーターを待っていると、わたしの隣にリュックを背負ったご婦人がやって来ました。チラッと見ると、コートの襟元にNO NUKESのバッヂを付けています。
「官邸前抗議ですか?」
と声を掛けると、ご婦人は満面の笑みで
「はい!そうです!」
「反原連のスタッフです。寒い中ご苦労様です。」
と言うと、
「まあまあ…そうなの!もう~本当に本当に、どうもありがとう!こんな…私みたいな一般市民が声を上げる場所を作って下さって!」
エレベーターを降り、改札を一緒に出ながらも、ご婦人はちょっと興奮したように話し続けます。
「もう…この抗議がこんなに続くなんて!誰が好き好んで自分のお金使ってこんなに通い続ける??昔の組合とかだって、こんな事ないわよ!ホントに凄いことよ。」
「ええ、ホントにそう思います。」
「私だってね、行ける時は晩ごはんサッ!と作って、シャーッ!て出てきてるの。そんな人達がずっと集まり続けてるのよね。」
「はい。」
「私ひとりの力なんてゴミみたいなもんだし、私ひとりじゃ何も出来ないけど…、こうやって毎週毎週たくさんの人達が集まっていれば、頑張れる。それに、ここを軸に全国に色々広がっているしね!素晴らしい!ホント頑張らなきゃ!」
階段を上がりきってグミ坂に出ると、冷たい風が吹くなか、みんな新年一発目の「再稼働反対!」のコールを叫んでいました。ご婦人はそのままグミ坂を先頭の方へ歩いて行きました。
新年早々、ちょっと泣きそうになってしまいました。
こういう人達ひとりひとりが、ずっと集まり続け、続いているんだよなあ、この抗議は。
グミ坂の後ろの方に立ってしばらくコールを聴いていると、反原連のTさんが大学生の女の子を連れてやって来ました。私を見るなり、
「お、Eちゃん!あのね、こちら東京外語大の学生さんなの。大学のゼミで、この官邸前抗議をレポートしに来たんだけどさ、インタビュー受けてくれない?」
「ええっ!インタビュー~?やだよ~!」
(あぁ…大人げない…)
「何だよ今さら!(笑)はい、頼んだよ~」
有無を言わさず立ち去るTさん。残された外語大の可愛い女の子は、申し訳なさそうな顔で「よろしくお願いします…」
「わはは(笑)どうぞ何でも聞いて~」
女の子は小さなメモ帳を開きながら質問を始めます。先ずは、
「あの…えっと、いつから原発に反対しているんですか?」
「私は3.11のあの事故からですね。」
「あ、じゃあ、その前はこういう事はしていなかった」
「はい。していなかったどころか、原発というものの存在さえちゃんと認識していなかったです。もう全然…」
「へぇ…」
「あの地震の日、私、帰れなくなって会社に泊まったのね。で、その夜、色んな友達から無事を確認する電話がかかってきたわけ。そん時、一人だけ『ねぇ、原発!大丈夫かな~!マジで怖いよ~!』って言った友達がいたんだよね。私は『え…ゲンパツ…?』って感じだった。」
「へぇ…」
女の子はそれはもう興味津々な表情で聞いています。
「で、その後、あの事故…。もうびっくりだよね。それから自分なりに色々原発について調べるうちにさ、こんな金がらみのとんでもないもんだったのか!って思ったのよ。廃棄物は大量に出るしね。んで、もう黙ってちゃダメだって…。知らなかった自分は何て愚かだったのかって、責任を果たさなきゃって…。」
「はい…はい…」頷きながら、女の子は小さなメモ帳に一生懸命メモをとってます。
「というか、私は細かい理屈より、福島をあんな風にしてしまった、もうそれだけで原発はダメだって思ってる。」
「はい…」
「福島の動物達の…見たでしょ?あの悲惨な実態…」
「はい…」
「も、あれだけで原発反対だよ、あたしは」
「はい。じゃあ、別に福島に親戚がいるとか…そういう事じゃなく…?」
「うん。福島には親戚も友達もいないよ。」
女の子は必死にメモをとりながら、色々聞いて来ます。
「いつからこの官邸前抗議に参加してますか?」
「第一回目から」
「何でこれに参加しようと思ったんですか?」
「2011年は私、被災地にボランティアに通っててデモには参加しなかったのね。で、2011年が終わっても原発は無くならないしさ、何も変わらないじゃん。で、こりゃアカンってんで、2012年からは原発関連のデモにあちこち参加し始めたわけ。そしたら、3月からこの官邸前抗議をやるって聞いてね。ほら、デモと違って、あの官邸を目の前にして抗議出来るじゃん?これだ!って思ったの」
「へぇ…じゃあ最初は普通の参加者だった…?」
「そう、会社終わってから一人で恐る恐る来た(笑)プラカードも何も持たずに…」
「スタッフをやりはじめたのはいつからですか?」
「大飯原発が動かされるってんで、人数が爆発的に増えてから。スタッフが足りない!ってのを聞いて、私で良ければ何かの役に立つかな…って」
「それからはずっとスタッフさんで…」
「うん。まさかこんな…2年以上もやることになるとは思わなかったけどね(笑)」
「普段は何してらっしゃるんですか?」
「普通に会社でOLみたいなことしてる。」
「じゃあ、お仕事終わった後、ここに来られてるんですね」
「うん、そう」
「おうちは都内なんですか?」
「ううん、埼玉のはじっこ!超遠いんだよ~!2時間位かかるのぉ~!」
(どーでもいいことに何故か力が入る…)
「ええっ、そうなんですか!あ、ご家族はこういう抗議に参加してる事をご存じですか?」
「もちろん。母も弟もデモとかに参加したことあるよ。うちは全員、原発大反対。」
「ほぉ…」
一生懸命メモをとりながら、他に幾つかの質問をした後、最後に
「この…何と言うか…原発反対という運動の…えっと…ゴール?…みたいなものは、何だと思ってやっていますか?」
と聞いてきました。
その時、一瞬、ゴール…?そういやあゴールって何だろう…と思ったのです。いや、もちろん全ての原発が廃炉になることに決まってるんだけど…。
「そりゃやっぱりもう『日本中の原発を廃炉にします!もう原発はいりません!』って、政府が宣言してくれる事かなぁ。廃炉ね、ちゃんと『廃炉』だよ」
「はい…」
女の子はメモ帳を閉じると、
「もう…ホントに貴重なお話をありがとうございました…」
と、頭を下げました。
「いやいや…こんな話でごめんなさい。こちらこそありがとうございました。あっ!そうだ…」
今日は年明け最初の抗議なので、小さな赤いポチ袋に、これまた小さな招き猫のお煎餅を入れたモノを幾つか用意していたのです。
「はい。これ、お年賀(笑)。よい年になります様に!」
そのちっぽけなお年賀に、女の子は想定外に感激し、「えっ…?わあ…」と目を輝かせると、その小さなポチ袋をいつまでもいつまでも眺めていました。
彼女の私の言葉を聞く表情は、本当に真剣そのものでした。興味津々な顔で一生懸命メモをとっていました。ゼミで仕方なく来たというのではなく、きっと彼女も、原発というものに何かしら問題意識を持っているのでしょう。
国会前の方へ移動しながら、さっきの『ゴール』という言葉をふと思い出していました。
確かにこんなに長い間やり続ける事になるとは思ってなかったけど、いや…もしかしたら思ってたかもしれないのです。
そして私は3.11以降の数々のデモや抗議行動に参加しながら、ゴールを目指して走ってきてはいなかったのだと思いました。
そう…。もう、目の前の問題(原発などの)だけを見つめて走って来た気がしたのです。心のどこかで、果てしなく永遠に続く闘いの様な気がしていたのかもしれません。ゴールというものがあるのかさえ、分からなくなっていたのです。
国会前周辺も活気に溢れていました。グミ坂もそうですが、人数はいつもと同じでも、やはり、新年一回目ということで、何となく華やいだ空気を感じました。
今年も、どんなことがあっても、絶対あきらめずに声を上げ続けるぞ!という、参加者の方々の強いパワーが、ここ金曜官邸前抗議の全ての場所に満ち溢れていました。
ゲリラカフェのお二人は新年早々、元気が出る食べ物飲み物を用意してくれていました。キャンドルエリアもキラキラと新しい年を祝うかの様に輝いていました。キヨシローの皆さんも、書き起こしのお兄さんも、太鼓の人たち、寄せ書きエリア、似顔絵のおじさん…。
そして、寒い日も暑い日も通い続ける参加者の皆さん。
さぁ、今年もまた、一緒に頑張りましょう!
原発ゼロという、“必ず存在する”ゴールを目指して…!
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