【2013/09/20】東京・官邸前

恒例!官邸前抗議行動レポートです!
「やれることは何だってやるわよ!」というご婦人とのやりとりが、特に印象的でした。
どうぞお読みください!!
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【写真:空】.jpg
最近の空はすっかり秋色ですね~。
ところで皆さん、ご承知の通り、今、日本で動いてる原発は一基もありません。ゼロです、0、ZERO、零!(←しつこい!)
さてさて、今日は金曜日。稼働原発ゼロになっての、また新たなスタートです!
今日も着き次第、官邸前エリアへって事で、急ぎ足で向かいました。
地下鉄4番出口の前に着き、カンパ袋とチラシ4種を受け取り、荷物を置いて、しゃがんでチラシを整えていると、何か背後に人の気配が…。振り返ると、笛をくわえたお爺さんが、無言でカンパ袋にお金を入れようとしてくれてますっ。「あっ、すいません!ありがとうございます!」と慌てて立ち上がると、お爺さんは笛をくわえたまま無表情で頷き、ヒュ~と笛を鳴らすと、地下鉄乗り場へ降りて行きました……ヒュ~…(^^;
重たそうな鞄を持ったサラリーマンのお兄さんが、小さな団扇を振りながらニコニコとコールして歩いて来ました。その後からは、胸にプラカードを掲げたガッチリした体格の男性が、力強い声でコールしながらグミ坂を上がって来ます。
と、外国人5人位のグループがぞろぞろと地下鉄出口から出てきました。私と目が合うとニヤッと笑い、そのままグミ坂を先頭エリアの方へ上がって行きました。
そして今日もたくさんのチャリ隊が…!!カッコいいなあ~。抗議の列に並ぶ人達が嬉しそうに手を振って応援する姿もいいんだよねぇ~。
と、チャリ隊の一人の男性が、私の後ろにキキッと止まりました。なんと「カンパを…」と!「わぁ~!ありがとうございます!」と言うと、ちょっと照れくさそうにニコッと笑い、また颯爽と走り去って行きました。ヒュ~ッ!
コールが始まってます。あれ…?この声…。平野さんでした。久しぶりに聴く平野さんのコール。去年、何度も何度もここで聴いてきたこの声。平野さんのコールって本当にいい…。熱く力強く、でも繊細で、どこか切ない。久しぶりに何度も何度も…官邸前に響き渡っていました。
「チラシ頂いていいかしら?」1人の女性が近付いて来ました。「どうぞどうぞ!4種類ありますけど…」と、差し出すと、女性の手元に小さなビニール袋に入った《祝》という文字の可愛いバッチが見えます。「わ、可愛い!バッチですか?それ…」と言うと「そう、缶バッチ!じゃあ、あなたにひとつあげるわ」と。「え!買いますよ、買います!」と言うと「いいのよ、これ今日はタダで配ってるんだから」。そして「この《祝》って、何か分かる?」と仰るので「原発全部止まったお祝いって事ですよね?」と答えると「あはは!これは祝島の《祝》なのよ~」と。そっかっ!祝島かっ!(^^; カラフルな色とりどりの中から、えーどれにしよう~どれにしよう~と散々迷って(笑)、綺麗な水色のを頂きました~。ありがとうございます!
【写真:祝バッチ】.jpg
早速バッチを付けてニヤニヤしてると、さっき立て看板の地図を見ていた女の子が話しかけてきました。「この間の恵比寿の原発ゼロパレード、台風で中止になっちゃって残念でしたね~」「あぁ…!あの台風でドラム隊のも中止になっちゃったですしねぇ」「22日の差別反対の大行進…わたし行きます!」「お!私も行きますよ!」「でも同じ日に、中止になった恵比寿の原発パレードがあるんですよ~」「え…そうなんですか!?」「だから、大行進の後、新宿からソッコー恵比寿に行けば間に合うかな~って」「…スッゲーなぁ」「やらなきゃなんないこと多いから大変(笑)」「ホントにね…」
彼女は、シャンッと姿勢を正すと…
「もー!頑張りましょうねぇ~!腹立つこと多いけど~」
明るい元気な声でそう言うと、ペコッとおじぎをし、お疲れ様でした~とグミ坂を下って行きました。
キラキラした綺麗な手作りのプラカードと、それに合わせた様な、これまたキラキラ光るモノを首からさげたお婆さんが、にこにこコールしながら歩いて来ました。首にさげたそれが、あまりにキラキラしてて綺麗なので「それ…綺麗ですね…」と、じっと見ると、ピンクのハートの形をしてるじゃありませんか。「わ、ハートなんだ!しかもピンク!」お婆さんは凄く嬉しそうにニコーッと微笑むと、そのまま笑顔でコールしながら、ゆっくりゆっくり歩いて行きました。
今日も官邸前は色んな人達が集まってます。
缶コーヒー片手に歩いてきて抗議の列に加わった男の子、地下鉄乗り場へ降りてくまでコールをし続けてたおじさん、ものスッゴい眠そうな顔で地下鉄出口から出てきた男の子は、出てきたとたん、超かったるそうにコールをしながら、ダラダラとグミ坂を先頭の方へ歩いて行きました。
抗議終了まで20分切った時、1人のおばさんが真剣な表情で近づいて来ました。手には一枚の白い紙きれを持っています。私のそばに来ると、通る人の邪魔にならないように横に寄って「ねぇ…これ、読んでみて」と、持っていた紙を差し出しました。大学ノートからきれいに切り取られた1ページには、手書きの文字がビッシリと書かれています。
それは、『原発の安全安全と言ってるが、処理出来ない有害ゴミが出るのに何が安全ですか!…』に始まり、原発は地球をダメにする、命をダメにする…ということを、自分の言葉で一生懸命綴った、ノート1ページ分の《手紙》でした。
読み終わって何も言えなくなってる私に、おばさんは、あっけらかんとした口調で、
「これさ、郵便とかFAXとかで送りたいんだけど、住所ってどうやって調べたらいいの?」
「どこに送りたいんですか?」
「もう、あらゆるところ!」
「東電とか…?」
「そう!それから、環境省とかさ、何かそういう感じのとこ全部!」
思わず声を詰まらせそうになった私に、おばさんは更にあっけらかんと、
「まあ…こんなの読んでくれないだろうし、ゴミ箱に捨てられちゃうんだろうけどさ、でも!もしかしたら…誰か読んでくれるかもしれないじゃん?読んでくれなくたって、沢山届けば何か感じてくれるかもしれないしさ!」
「…そうですね」
「あたし、インターネットってやってないから、住所とかどうやって調べたらいいか分からないのよ。どうしたらいい?」
「…分かりました。じゃあ私が住所を調べて一覧表にして、それをそちらに送るっていうのはどうですか?差し支えなかったら、ご住所教えていただければ…」
「ホント!?何か悪いわね~。でもお願いしちゃおうかな!じゃ、この裏に住所とか書いとくわね…」
そう言って、バッグからペンを取り出し、手紙の裏に住所氏名を書くと、
「ありがとねぇ~、助かったわ~!もう、やれることは何だってやるわよ!」
おばさんは嬉しそうに笑い、地下鉄乗り場へ降りて行きました。
私は手元に残った手紙を見て胸がいっぱいになり、涙が出そうになるのを必死にこらえながら、その手紙をバッグの中にしまいました。
8時になりました。
日中は暑いくらいだったのに、やはり夜になると、どこかヒンヤリと肌寒い感じ…。
お疲れ様でした~と声を交わしながら、カンパだ!チラシだ!と、いつもの如くバタバタやってると、
「あ!いたいた!カンパの人!ちょっと~カンパ袋あるの見えにくいわよ~」
と、女の人が近付いて来ました。
「すいません、チラシ配ってると、なんかぐちゃぐちゃになっちゃって…見えにくいですよね、カンパ袋…」
「わざと控え目にしてたの?」
「え…?あ、はい、性格が控え目なんで…」
「ちょっと待って、お金出すから」
(聞いてないし肝心なところ…(`ε´))
「はい、カンパね!あと…これも渡しちゃっていいかしら?」
そう言って、マカダミアチョコの箱を出すので、なぜか空箱だと勘違いした私は…
「あ、はい、いいですよ!」
と普通に受け取った後、箱が開封されてないのを見て
「…あれ?…これ、中、入ってますけど…」
と言うと
「当たり前よ―ーーっっっ!!!」
大爆笑でした(^^;;
「すいませんすいません!!チョコ、マジで嬉しい!」
「でしょ―!?(笑)」
「ありがとうございます!食べます食べます!」
「食べてね~!お疲れ様、また来週ね!」
(^^;;
帰り道、今日官邸前で会った人達を思い浮かべながら…思いました。
色々とんでもない事ばかり起きるけど…まだ、希望はある。みんな、こんなに明るく、元気に、前に進もうと頑張ってるんだもの…。
今はとにかく…
進もう…
続けよう…
また来週~!!
【写真:手紙】.jpg

【2013/09/13】東京・官邸前 「大・迷・惑」原発大迷惑の提灯が登場!

恒例!愛読者も多い、金曜官邸前アクションのレポートです!
今週は「大・迷・惑」原発大迷惑の提灯が登場!
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写真:愛ってなんだ.jpg
先週、このレポートを書き終えて、管理人様に送信した数時間後…オリンピック、まさかの東京開催が決定しました。
いやぁ~ぶったまげたわ!あまりにビックラこいてボーゼンとしてしまったで、ホンマに。絶対選ばれないって思ってたんだよね、何故か。甘かったっ!(ガクーッ)
も~お、精神的ダメージが思いのほかデカくて、沈んだ沈んだ…ズブズブズブズブ…。
しかも、“あの人”のプレゼン…聴きました!?奥さん!あたくし、思わず「What??」って外人になってしまいましたわよ。何言っちゃってんですかねーホント。あははあははあはは!!!
…あ~~~あぁ
ハァ~…(ため息)
食らった食らった…
きっと同じように、ガッチョーンってなった人、多かったと思いますよ…。いや、なるでしょ、ガチョーンて…。もー、とりあえずガチョーンってなってさ、グチグチ文句たれてさ、沈むだけ沈みましょうや。そんな前向きな人ばかりじゃ無いんだから。ワーワー文句言って落ちるとこまで落ちましょ。んで、底板にぶつかってバウンドして、また上がって来ましょうや!
(…あ、上がって来てね(^^;)
しっかし、原発だけの事ではなく、色んな思いが混じりあって…ショックデカくて…参った参った、ホント…。
さ、今日は金曜日じゃ!気を取り直して永田町へ行ってくらぁ~!
暑い暑いと言っても、時間は確実に夏の終わりを告げています。太陽はちゃんと早めに西に沈み、暗い時間が長くなりました。
経産省前を通り過ぎた辺りで、ふと前を見ると、小さな女の子をおんぶした若いパパがガシガシ歩いていました。ちょうどおぶった女の子のお尻を支えるパパの手に、丸いランプの様な物が光ってました。遠くから見ると、まるで女の子のお尻がまぁるく光ってるみたいで、何だか蛍の様!夏の終わりの蛍だ…そう思いながら、楽しい気持ちになって二人の後ろを歩いていきました。
国会前の対岸に行ってみると、このレポート書きはじめた時に見た、ちょっと耳の不自由なおじいさんが立っているのが見えました。今日も背中を丸め、バッグを両手で握りしめ、うつむき加減に一人でポツンと立ってます。この場所は混みあってないので、おじいさんの周りもガランとした感じ。でも…不思議と、何というか…あまり寂しそうな感じがしません。一人で居ようと、ポツンと立っていようと、ここは同じ志の人達の集まってる場所。不思議と《隙間》の様な寒々しさがないのでしょう。
国会前ステージでコールが始まりました。
こちら対岸エリアでも、それに合わせて、立ってる人も座ってる人も、みな一斉にコール開始。そこへ《原発反対》と表示したiPadを掲げた男性が、元気に声を上げながら入って来ました。人一倍大きな声で、動き回りながら叫んでいた彼は、あのおじいさんのすぐ横に来ると、そこで動くのをやめ、おじいさんの横でずっとコールしていました。バカでかい声で…。おじいさんはニコニコと微笑んでいました。
何か、泣けました…。
自分で持って来た折り畳み椅子に座ってるおじさんは《原発はいらない》と書かれたブラカードを通りに向かって、掲げては下ろし掲げては下ろしを繰り返しています。とにかく、腕、疲れんだよね、ホントに(^^;
高校生位の男の子が、ポケットに手を突っ込んで、さっきから行ったり来たり…歩き回ってます。ちょっと、こっぱずかしいのか、所在なさそうな顔をしながら、あっち行ったりこっち行ったり…(笑)
さっきのパパと女の子に会いました。今度は女の子を肩車して歩いてます。どうやら色んなエリアを回ってる様子。
楽器を持った人達がたくさん行き来しているキンカン。ホントに多いな~。あちこちで盛り上げてくれる、官邸前の《鼓動》の人達。
地面にあぐらをかいて座り、持ってきた平たい太鼓の様な物を、コールが始まるとバシバシ叩いてるおばさんがいます。片手で持てる小さな鈴のついたモノをシャンシャン鳴らしてる人もたくさん見かけます。自分の思いを何かに乗せて、届けようとしているかの様…。
はっとりんが拳を挙げてコールし始めました。すげー熱気だ!「大飯は止まる!もうすぐ止まる!」「原発ゼロだ!もう動かすな!」どんどんピッチが上がっていきます。みんなも負けずに食いついてコールコール!!
若いカップルが歩いて来ました。男の子の前を歩き、コールに合わせて真剣な顔で手を叩きながら声を上げている女の子。
青いミニメガホンを持った若い男の子三人が、ニコニコしながら歩いてきて、国会前の列の最後尾に加わりました。一人の男の子はうろうろして落ち着きない様子(^^;公園の塀の方へ行ってみたり、メガホン振ってみたり、じっと立ってられない感じです。が、コールが始まると飛んできて(笑)、青いミニメガホンをバンバン叩いて一生懸命叫んでました。
今日はどのエリアでも、とにかくオリンピックのあのプレゼンに対する怒り爆発なスピーチが多いな~。みんな相当怒ってるわ、いや、当然だけどさ。
目の不自由な娘さんの手を引いたお母さんが、ゆっくりゆっくりと、私の前を歩いて行きました。そんな二人の後ろ姿をじっと見つめながら、ふと、振り返ると…
なんだありゃ…??
変なモンがユラユラ動いてこっちへ来とるで…
って、よく見たら、例の友達…(^^;;手作りの三段階の提灯を高く掲げて歩いて来るじゃありまへんか!
吹きました…かなり、吹きました
写真:大迷惑①.jpg
提灯3つ並べて「大・迷・惑」原発大迷惑の提灯です。よく作るわ(^^;
しっかし、これが大人気!!私がゲラゲラ笑いながら写真撮ってる間も「それいい!」って指差して通りすぎるおじさんや、写真撮っていく人達がたくさん!みんなじろじろ見てくし(笑)この微妙な脱力感というか、ダサさがまたいいよねー(^^;
そしてそのまま、提灯女と官邸前エリアへ。
木に引っかかったりしながらも(笑)、何とか前の方まで歩いてきて列に加わる提灯女。ここでも、話しかけられ、写真撮られの大人気ぶり!
写真:大迷惑②.jpg
ひとしきりコールした後、提灯女はファミリーエリアの方へ行ってみると言って、また木に引っかかりながらグミ坂を下って行きました。
ラストはいつもの様に、チラシとカンパ袋を下げて官邸前エリアに立ってました。
すぐそばには、小さなトラメガを使ってずっと大声でコールしている女性がいます。
黒いサングラスをかけた男性が、プラカードを掲げ、コールしながら舗道を行ったり来たりしています。抗議の列に並ぶ人達を盛り上げてる感じ。列に並んでた男性とハイタッチをしていました。
OLっぽい女の子は、終始黙ったまま、眉間にシワを寄せ、じっと前を見つめ立っています。プラカードも何もなく、声もあげず、ただただ真剣な表情で前を見つめ、立ち続けています。
抗議終了15分前位に地下鉄乗り場から上がってきた、背の高い、若いサラリーマンの男性は、舗道を行ったり来たりして何回かみんなの写真撮った後、スッと抗議の列に加わりました。
スーツをきてパールのイヤリングしてヒールはいた品のいい感じのおばさんが、一生懸命、片手で小さく拳をあげながらコール。その前には、大きなひまわりのブローチをつけたおばさんが笑顔でコール。
あれ?国会の方にいた、あの青いミニメガホンの男の子達が官邸前に来て声をあげてるわ!
8時になり、ダラクさんの怒りの言葉に呼応するかの様に、「嘘つき野郎!!!」「ふざけんなー!!!」「恥をしれ!!!」「土下座して謝れ!!!」の怒涛の叫びが飛び交う官邸前。
ホントにみんな怒り狂ってました。
抗議終了後、カンパ&チラシ配布でバタバタしていると、NO NUKESとプリントされたTシャツを着た若い男の子が「カンパを…」と近付いてきました。「そのTシャツいいですね~」と言うと「ホントですか!?これ…自分で作ったんです。」とニコニコ嬉しそう。そして「あの…僕…初めて来たんです。ここの他にも抗議してる場所があるんですか?」「お!初めてですか!?ここは官邸前エリアで、向こうに行くと、国会前ステージ、ファミリーエリアってのがあるんですよ。それぞれ違った雰囲気で面白いですよ。」「へぇ~!」「何処からいらしたんですか?」「江戸川区です」「また来て下さいね。時間と気持ちの余裕がある時に、是非!」「はい!」彼はニマーッとものすごいいい笑顔をし、帰って行きました。
それと入れ替わるように今度は一人の背の高いおじさんが、お疲れ様ですと近付いてきました。
「僕、普段は向こうに…アメリカにいるんですが、今、日本に帰って来てるんで久しぶりにここに来てみたんですよ。いやぁ~6ヶ月ぶりくらいかなぁ。こっちに戻った時はね、必ずここに来るようにしてます。」
「うわあ~、ありがとうございます!」
「こんな歳ですが、(多分、60代半ばか後半)僕、アメリカで大学に通ってて、学生やってんですよ。向こうでは若い子達も、ものすごい福島原発や放射能のこと心配してますよ。すごい聞かれます。もう、しょっちゅう…。大学で僕が日本人だと分かると質問攻めですよ。それくらい神経質になってる。当事者の日本人より何倍も何倍も神経質になってますよ。」
そして彼は、オリンピックの日本開催が決まって唖然としたということ、この後またアメリカに戻ったら恐らく更にまた質問攻めにあうだろうと言い、そして…
「僕たち日本人が、諦めずに、飽きずに、こうしてここで反対の声を上げていかなければいけないと思いますよ。続けることです…途中で止めちゃダメだ、続けるんですよ、とにかく。」
そう言った後、にっこりして
「来週の金曜もこっちに居るんで、また参加します。頑張りましょう、色々あるけれど…。どうもありがとう、お疲れ様でした!」
そう言って帰って行きました。
マイケル・ムーア監督がこんな事を言ってました。
『乗っていたボートが沈みかけていて、手には小さなコップしかないとするだろう。いくら水をかき出そうとしても到底追いつくはずもない。
そこで、我々には二つの選択肢がある。
そのコップで水を一生懸命かき出すか、何もしないで沈むのを待つか。
僕が映画を作るのは、小さなコップで水をかき出すのと同じかもしれない。
それでも、世界を少しでも良くするために…僕は映画を作り続けるよ。』
帰り道、提灯女からメールが来ました。
『お疲れ様!ファミリーエリアでも大人気だったぜ!「ご実家は提灯屋さんですか?」そりゃないって!』
…吹いた
わはは!
んじゃ、また来週~
もうすぐ稼働原発ゼロになるでー!!!

【2013/09/06】東京・官邸前 「色んな人集まってるね」「すごくない?」

恒例!官邸前レポートです!
海、一緒に行きたいですね!
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写真① (2).jpg
海を見たいと思い続けたまま、行く暇もなく夏は終わり…
でも、青い布買ってきて、部屋のカーテン作ってみたら、何だか毎日、海の底にいるようで、かなりいい感じなんすよ!陽が当たる日中なんか、青い布が日に透けて、すんごい綺麗で…いやぁ~ビックリ!青いカーテンおすすめ!!
ま、そんなことはいいとして…
9月になりました~
先週は、水曜に東電本社前抗議、金曜に官邸前、んで、日曜にも緊急官邸前抗議と、こーぎこーぎこーぎぃぃ~でしたな…。ホントに皆さんお疲れ様でした!んで、毎回ですけど、企画・準備・後片付けをしてくれてる反原連の皆さん、ホント~に!お疲れ様でしたっ!
月曜の東電抗議は、超緊急だったにも関わらず、300人以上の人が集まり、1時間の抗議は、ものすごい熱のこもったものでした。なんつうか…久しぶりに空気が変わった感じがしたわ…。太鼓の音が怒りで爆発してたんだよね、で、それがこっちにズシズシくるんだよ。凄かった。コールしてたら、怒りややるせなさや何だか色んな思いが交差して涙が出てきちゃって参ったわ。コールからスピーチに入る、僅かな静寂の時に、ドラム隊の男の子が東電ビルに向かって「クソーッ!…クソッ!クソッ!…クソーッ!」ってキレた様に叫んでたあの声が、わたしは凄い印象的だった。あの声で、また泣きそうになった。みんな凄い怒ってたよ。そりゃ、怒るだろ!いつまで汚染水垂れ流してんだよ!?ふざけんなってマジで!どーすんだよ、ホントに!!道行く人達は不思議そうな顔で見てたけどね、ま、そんなのはもう慣れたわな。とにかく、濃密で力強い、東電への抗議でした。
そして今日は、なんと70回目の官邸前抗議だそうな!70…。古稀になりましたよ、あっという間にね。
えらいこっちゃ…(-_-;
今日も着き次第、官邸前でスタッフを…ということで、まっすぐ官邸前エリアへ~。
財務省交差点で信号待ちしてると、隣に来たカップルから「色んな人集まってるね」「すごくない?」と言う会話が…。(え、初参加さん…!?)思わず、すごいですよねぇー!!と、話しかけたくなりましたが、気持ち悪がられても困るので、グッとがまん…。ググッ…。
グミ坂の手前で、毎回歌を歌ってる人達がいらっしゃいます。前方から歩いてきたスーツ姿の男性は、その歌ってる人達の前を通りすぎる時、とても嬉しそうにニコニコと、拍手しながら通り過ぎて行きました。
抗議の列の後ろの方では、今日も、塀に寄りかかったり座り込んだりしながら、ラフな感じで『ここに居る』人達が…。前にも言ったかもだし、上手く説明もできないんですけど、この、ちょっと離れた場所にボツポツといる参加者の方達…ホント気になる…。国会前やファミリーエリア付近にもいらっしゃいます。熱く叫んでたりとかしてないし、手ぶらな人がほとんどだし、でも、なんというか…来てるわけで…不思議な闘志を感じるというか。うーん、何とも上手く表現出来んのが悔しいッス…。
地下鉄出口の前にチラシ3種とカンパ袋を持って立つと、早速、近くに立ってたおばさんが「ごめんなさい、少ないんだけど…」とカンパを。「とんでもないです…ありがとうございます!」と言うと、ニッコリして地下鉄乗り場へ降りて行かれました。
それと入れ替わる様に階段を上がってきた若い男性は、ちょっと照れくさそうに無言でカンパ袋にお金を入れ、私の「ありがとうございます!」の声も、聞いてないふりしてるかの様な顔で(笑)、逃げるようにグミ坂を降りて行きました(^^;ありがとう~ございますぅ~~。
官邸前ではスピーチが始まってます。
グミ坂後ろの方でも、みんな真剣な顔で、スピーカーから聞こえてくる、様々な『声』を聞いていました。
そこへ、若いカップルが地下鉄出口から出てきて目の前の抗議の列に加わりました。茶髪のロングヘアーで素足にショートパンツの女の子は、コールするわけでもなく、ただただ眉間にシワを寄せた、すごい真剣な顔で立っています。男の子は、女の子の後ろで塀の前に座り込んでいました。
前方から、制服姿の高校生の男の子と、そのお母さんらしき人が、二人で、あーだこーだ話をしながら歩いてきました。私を見ると、お母さんは急いでバックから財布を取り出し、ペコッと頭を下げながらカンパして下さいました。息子さんは、そんなお母さんの横で、ちょっと照れたように微笑んでいました。
白髪の、長身ですらりとしたカッコいい男性がサッと階段を上がって来て、抗議の列に加わりました。
小さな子供を二人連れたお母さんが慣れない表情で入り口から出てきて、キョロキョロしながら子供の手を引き、グミ坂を歩いて行きました。
そこへ、今度は背広姿のサラリーマンの男性が、間に合った…!ってな顔で上がって来て、前方の方へ歩いて行き、列に加わっていました。
本当に色んな人達が集まって来る…。
この官邸前抗議の面白いなって思うところは、参加者一人一人が『個』であるということ。別に知り合いいなくても、無理に知り合い作らなくても、1人で好きな時間に来て、好きな時間に帰ればいい。横の繋がりより、個人が1人で立っている場という感じ。これが、参加しやすい要素だって人もいるでしょう。横の繋がりや仲間として連携を組んでいくことは、確かに強さにもなるし、広がりにもなる。でも、名も知らぬ一個人が一個人としてだけで立っていて、その個がたまたまたくさん集まって自然に支えあっている。この強さは計り知れないものだと思う。寄りかかってないから…強い。
って、やっぱ上手く説明できんなぁー。ギブミー文才~、カモン文才~(>д<)
コールが始まりました。「原発止めろ!大飯は廃炉!」すると、前方の方から、センスを持った年配の男性が、コールに合わせて「原発止めろ!」の「ろ!」で!パッとセンスを振り上げ、語調を強めるという、なかなか芸達者なコールの仕方で歩いて来ました(^^;素敵や~
何か風がヒンヤリしてきたぞ。半袖でじっと立ってると、ちょっと肌寒いくらい…
目の前の、あのショートパンツの女の子は何だか寒そう…。来ていた上着を足に巻いたり、手で脚を擦ったり。でも、帰ろうとしません。立ち続けています。
風邪引かなきゃいいけど…大丈夫かな…。
そこへ「マンションにポスティングするから、チラシ40枚くらいずつ頂けるかしら?」と1人の女性が近づいてきました。「ありがとうございます!んじゃ、これ、全部持ってっちゃいます?」「いい?じゃ、貰っていくわね、頑張って配るわ!」女性は私が持っていたチラシ3種をそっくり受け取り、帰って行きました。
その後も、チラシは飛ぶようにはけていきます。
ふと見ると、グミ坂の抗議の列は、後方まで長く伸びていました。
つうか、私の近くに立っとる体格のいい警察官、ずっといい笑顔で立ってんだよなー。さっき、コールに合わせて、ちょっと爪先リズムとってたし…(笑)
抗議終了、10分切った頃、プラカードを抱えた女性が急いで列に加わりました。その後も、男性、女性、わらわらとやって来ます。
5分前にはパンクな感じの若い男の子が駆け足で列に入りコールをしていました。
終了時間ギリギリまで列に加わる人が絶えない様子は、決して何があっても諦めないというみんなの意志を象徴してるかの様に見えました。
そうだよ、ここまでしぶとくやって来たんだもん。
大飯原発が再稼働するかも…って事で、やめろ!って官邸前で叫び始め、それなのに大飯は動かされ、それでも反対を叫び続け、なんと政権は自民党に変わり、それでもそれでも…諦めずに叫び続けてる。
こんなことしてても無駄かも…いや、無駄じゃないかも…でも、私バカみたいじゃん?…あー、何か恥ずかしくなってきた…すげーみっともないかも…いやいやいや、そんなことないぞ!!
何度も何度も自問自答して、何度も何度も自分に言い聞かせて、いったいどこまで歩いて行くんだろう…って思いながら、
ここまで歩いて来たんだよね。
「そんなことしても無駄!」とか「え?何してんの?」とか…色々言われてきたよね、きっと。
ちょっとの言葉に傷ついたり、揺らいだり…
ま、それでも僅かな希望を頼りに、やってんだわ…。祈る様な気持ちでね。
そりゃ色々ありますわな~。誰も傷つかない楽しい娯楽やってるわけじゃないんだもん。はじめから泥沼に突っ込んでってる様なもんだからねぇ~。わはは。もー、泥だらけッスよ、マジで。臭いっつーの!
でもね、キザっちい気持ち悪いこと言っちゃうけど、蓮の花は泥沼からあんな神々しい花を咲かせるわけで…
だから、泥沼にいても大丈夫だと…思いたい。
花、咲かせてやりませんか?
ザマア見ろな、すんごい綺麗な花を…
へへっ
また、来週~!

【2013/08/30】東京・官邸前 「名もなき頭数になりに行く」

小出裕章さんの「一人でもいいから闘い続けようと、今までやってきました。今日ここへ来て、こんなにも沢山の同士がずっと声をあげ続けているということに励まされました。」という言葉に泣きました。
スタッフの方からのレポート、以下全文です!
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月曜の夜、赤坂見附で用事があり、地図で場所を見てみると、あれ?キンカンの場所から近いじゃ~ん!
(…官邸前を基準に考えてしまう自分が恨めしい~泣)
なので、会社終わった後、いつものコースをいつもの様に歩いて行きました。同じ時間帯なのに、金曜とはまるで別の場所の様な霞ヶ関。雰囲気が全く違います。
歩道の横の茂みでは虫達がころころといい声で鳴いていました。あ…そっか、いつもはみんなのコールやドラムの音でかき消されてたんだなあ。
何だか不思議な感じでした。
さ!そして今日も行きますわよ霞ヶ関!(たまにはお上品に)
しかし何だオイ、急に秋、来たな。(そしてオッサンに戻る)
とはいえ、今日は暑かった…。ひじょーに暑かったっっっ!!
汗を拭き拭き日比谷からの坂道を歩いてきて、財務省の交差点で信号待ちして立っていると、隣に来た女性が「…暑いですね。飴、いかがですか?クエン酸…。」とニコニコとクエン酸のキャンディーを差し出してくれました。「わ~!ありがとうございます!嬉しい~、今日暑いですよね~」と言い、一緒に交差点を渡りました。
今日は到着次第、官邸前に付いてくれと言われていたのですが、国会前にちょっと用があったので先ずは急いで国会前に。
何だか今日は子供連れ…多くないか?夏休み最後の金曜日にバパとママと一緒に霞ヶ関へ…でしょうか。素敵だ~(^^)
国会前ステージでは、ちょうどコールが始まってました。が、何かスゲー熱気…なんだなんだ?何事だ??
なんと…ドラム隊にあの小出裕章さんが参加してたのです!だから、この熱気なのかっ!
その後、小出さんのスピーチが始まりました。「一人でもいいから闘い続けようと、今までやってきました。今日ここへ来て、こんなにも沢山の同士がずっと声をあげ続けているということに励まされました。…(概略)」スピーチは続いてましたが、官邸前へ行かなくてはアカンので、用を済ませ、後ろ髪引かれながら歩き出しました。
ふと見ると、前にも見た物静かな感じのサラリーマンの男性が、今日も控えめに参加者の列に加わっていました。両手で鞄を握りしめ、恥ずかしそうに、うつむき加減に…立っていました。(今日も居心地悪そうだな~笑)…と、微笑ましく見ながら、小走りに官邸前へと向かいました。
官邸前でのスピーチ。
「あべしんぞー!緊急事態だよっ!緊・急・事・態なんだよ!!」「あべしんぞー!あべしんぞー!!反省しろォォ!」(笑) 出た!(^^;
プラカードを持った…というよりプラカードに抱きついてる(笑)小さな女の子を抱いたパパが、小走りにグミ坂をやって来ました。「再稼働反対、再稼働反対…」とふぅふぅ声をあげながら、地下鉄乗り場へ降りて行きました。
やはり7時過ぎから人がどんどんとやって来ます。
しかし今日は暑い…。何だか湿気が凄いんだよね。立ってるだけで、ジトッと汗が滲んできます。
少し腰の曲がった小柄なおばあちゃんが近づいて来ました。私の前に立つと「ご苦労様です…いつもご苦労様です…」と、丁寧に何度も頭を下げられ、カンパ袋にお金を入れ、また頭を下げられ…帰って行きました。(涙)
するといきなり左手から「ゲンパァツ!ヤメーロ!!」の声が。振り向くと、外国人の男性がニッコニコの笑顔を私に向け、コールしながら通りすぎて行きました(^^;ゲンパァツヤメーロ…いいかも…(笑)
今日も若い子けっこう来てるな~。地下鉄乗り場から出てきたお洒落な男の子は、上がって来て即!デカイ声でコールし始めてたわー。
すると今度は、物っ凄い控えめな物腰の男性が、おずおずとこちらに向かって歩いて来ました。消え入りそうな声で…
「あの、あの…それ…頂いても宜しいでしょうか?」
「え、チラシ…はいっ!ありがとうございます!どうぞ!」
と3種類あるチラシを、それぞれ1枚ずつ渡すと、とても悲しそうな顔をし…
「あの…何枚か余計に頂くことは…出来ます…か?」
「あ、もちろんですよ~!このくらいで?」
と5~6枚渡すと
「あ…いや…ええと…」
「もっと…?」
「あ、はい、もっと…」
「んじゃー、こんくらい持ってっちゃいます!?」
と、3種類それぞれ30枚程をバサッと差し出すと
「あ…それ頂いて行きます…すみませんすみません、ありがとうございます、どうもありがとうございます…」
消え入りそうな声でおじぎをし、渡したチラシを大事そうに抱え、帰って行かれました。きっと、あちこちに配ってくれるのでしょう。ありがとうございます!
8時になりました。
「暑い中お疲れ様でした~!ご苦労様でした~」の声と共に、カンパやらチラシちょーだいやらでバタバタな状況のなか、ほっしーも助っ人に来てくれてワイワイやっていると、その人の波を掻き分けるかの様にして、1人のおばさんが私に近づいてきました。
で、ものすごく真剣な顔をして…
「ねぇねぇ~!あのね、今日、スピーカーの音小さかったのよぉーっ!」
と。(笑)
「そーなんですよ~、何か電池がなかったとかで、音、小さかったですよね―!」
と、人に揉まれながら答えると、更に、泣きそうな顔をして…
「え~!やだぁ~、電池いれといてよ~ぉ!だってだって…音小さいと盛り上がんないんだもん~!!」
おばさんは全く笑ってません。ホントにすがるような顔で言ってるのです。
「りょ、了解しました、必ず電池入れときますね!次回はバカデカイ音で!」
と、親指立ててウィンクしたら、おばさんはやっと安心したらしく、超嬉しそうな顔をして、ニタ~ッと笑顔で帰って行きました。
(てことで、反原連の方々…すみません、スピーカーヨロシクです(^^;)
後で、このおばさんの気持ちを考えた時、ハッとしました。そっか…みんな不安なんだよな…って。自覚してても、してなくても、不安で心細い気持ちで来てる人、凄く多いんだろうな。いや、みんなそうなんだよな。
分かってたつもりでも、分かってなかったのかもしれない。
だからここへ来て、ドラム隊の音がガンガン鳴ってて、スピーカーからそれがバカデカい音で響き渡ってるのを聴くと…安心して、勇気づけられるんだよね、きっと。奮い立たされるんだよ、そうなんだよね…。
ずっと前、ドラム隊の事を『金曜官邸前抗議の心臓、鼓動だ』って言ってた参加者の方がいました。ホントに、そうなんだよね。ドラム隊の人達が、想いを込めて…祈りを込めて…紡ぎだすあの音に、みんな励まされているんだよね。
参加者の方がほとんど帰られ、人もまばらになった頃、目の不自由な男性を連れた女性が、にこやかに話をしながら歩いて来ました。地下鉄入り口前まで来ると、女性が「さあ、着きましたよ。段差があるから気をつけて、はい、ここから階段ですよ。」と。男性が「ありがとうございました、はい、ここでもう…。大丈夫です、ありがとうございます。」と言うと、女性は「お気をつけてお帰りくださいね。今日はお疲れ様でした!」と言って、来た道を小走りに引き返して行きました。
御夫婦か、知り合いかと思ったら、全くの他人同士だったのです。
階段を降りていくその男性の側に、今度はちょうど先に降りていたみわぞうさんが「大丈夫ですか?」と気をつかいながら寄り添い、ゆっくりゆっくり、一緒に降りて行きました。
この官邸前抗議が始まった頃、良く使われた言葉があります。
「名もなき頭数になりに行く」
この抗議の場を無くしちゃいけないと、必死になって繋いできた事を象徴するかのような言葉。
誰もが、抗議参加者の1人ってだけであって、目立たない地味な存在。自分がどうとか…そうではない。誰かのため、何かのために。あの抗議の場を無くさない為に。共に闘ってる人達を見えない力で支える為に。ただの頭数になりに行く。
むのたけじさんの、詞集【たいまつ】に
『もしも自分のためにかがやくなら、燈台は船をみちびくことができない。』
という言葉があります。
誰かを思いやりながら、名もなき1人でここに立ち続けている参加者の皆さんは、必ず《未来》を導くことができると思う…。
必ず。
おっし!
また、来週~~!