7月4日、雨の中での「再稼働反対!首相官邸前抗議!」レポートをお届けします。
次回は7月11日(金)です!
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=4142
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官邸前に向かう電車の中で、紺のTシャツに紺のバルーンスカート、そして緑地に黄色い水玉模様の傘を持ったご婦人が乗って来ました。足元は真っ白いスニーカー!なんてオシャレ!
霞ヶ関に着くと弱い雨が降っていました。
いつもの様に坂を上がって行くと、雨で曇った景色の中に、目が覚めるような真っ赤な薄手のショールを傘がわりに頭からかぶった外国人の方とすれ違いました。ほお~、雨の日の赤って素敵だなぁ~。
官邸前に着くと、赤いTシャツに紺のロングスカートをはい若いた女の子が抗議の列に立っていました。
すごい偶然。紺と赤のミラクルだ!
さて…
今日もまた雨です。よう降ります。最近は、抗議やデモの度に降られちゃ毎回びしょ濡れになってるので、だんだん慣れ&あきらめ気味になってきました。天気予報を見ながら「ええっっ!!抗議の日また雨ぇ~!?」と一応驚いてはみるものの、「はいはい雨ね、ああそうかよ」と毒づいてぶつぶつ言いながら向かうのです。
国会前エリア。18時15分くらい。雨のせいもあっていつもより人は少なめです。とはいえ、国会前周辺には傘がズラリと並び、あとからあとから参加者の方が集まって来ます。
普通、こんな雨降ったら、わざわざこんなとこ来たくないよな…と、頭が下がる思いで見ていると、いつも国会エリアの塀の上で折り畳み椅子を出して座っているおじさんがやって来ました。いつもと同じ様に、小さな折り畳み椅子を出して座ります。するとおじさんは、かばんから真っ赤なお弁当箱と箸を取り出し、傘をさしたままパクパクと食べ始めました。傘を背中に背負うような形で食べています。本当に真っ赤な色のお弁当箱…。誰が作ったお弁当なんだろう。自分で作ったのかな。それとも誰かご家族の方が作ったのかな…。食べにくそうな姿勢で食べ続けているおじさんを見ているうちに、国会前ステージではコールが始まりました。するとおじさんは、いったん箸を止め、食べるのをやめてコールを始めました。そしてコールが終了するとまた傘を背負い、黙々とお弁当を食べ始めました。
今日の様な雨の日は、濡れても大丈夫なようにプラカードをビニールコーティングしてる人がほとんどです。クリアケースに入れていたり、いやはや…みんな準備万端、慣れたもんですわ(-_-)時々、雨の雫がついたプラカードをプルプル振って水滴を落としていました。
六時半過ぎると続々と人が増えて来ました。
と、そこへ、スタッフのT子ちゃんがパープルのお洒落なレインコートを着てやって来ました。かぶっている帽子に付けたNO NUKESバッヂもレインコートに合わせたパープル!T子ちゃんてホントいつもお洒落なんだよなあ~。
(というか…スタッフの女の子みんなオシャレ!ホントに!)
「お疲れ!いいね~綺麗なパープルのレインコート」
と言うと、T子ちゃんはニコニコしながら、
「え!ホントに!?でもコレ私の中ではピンクのつもりなんだけど!」
(いや…どー見てもパープルだべ…)
T子ちゃんとピンクだパープルだと話してると、傘をさした一人のおじさんが「あのう…」と近づいて来ました。そして「えーと…官邸前…は、何処ですか?」。T子ちゃんは「はい、えーと向こう側ですね!ここを真っ直ぐ行って交差点を…」と丁寧に説明。おじさんは「ありがとう」と何度もお辞儀をし、官邸前方面へ歩いていきました。
T子ちゃんは戻ってくるなり笑顔で、
「…てことは、初参加のかただね。」
「うん。こんな天気の日なのにね。でも、ほぼ毎回いるんだよ初参加の人って。」
「らしいね。スゴいよね…」
T子ちゃんは傘が並ぶ国会前エリアをニコニコしながら『スピーチご希望の方はいませんか?』のカードを掲げ、歩いていきました。
官邸前エリアに行こうと舗道を歩いていくと、スタッフのMちゃんとバッタリ。Mちゃんはいつも官邸前エリアのスタッフをしています。
「あれ?今日はスタッフじゃないんだ!」
「うん、今日はただの参加者だよー」
雨やんでくれないかね~と話しながら、二人で官邸前エリアへと向かいます。
とりあえずグミ坂の最後尾に加わり、雨だからちょっと少なめだね~と話してると、カッパを着た若い警官が3人、ニコニコしながら近づいて来ました。そして最後尾に立っている私達に「すいませぇ~ん…もうちょっと前の方へつめていただけますかぁ?これから続々と参加者の方が集まって来ますので~」と嬉しい事を言ってきたので、二人で笑いながら「ああ…はいはい」と言ってちょっと移動。
そしてMちゃんと「あいつら新顔かなー、慣れてない感じだよねー」「チョー丁寧な言い方だったしねー。官邸前初めてなんじゃない?」と、むちゃくちゃ上から目線的な会話。(怖いわ!)
するとそんな怖い私達に、今度は背の高いイケメン男子がおずおずと近づいて来ました。そして…
「あの~、すみません…僕、青山学院大学の学生なんですが、ゼミでこの金曜官邸前抗議に参加している方のアンケート調査をしているんですが…お願いしても大丈夫でしょうか…?」
「あ、いいですけど…うちら、参加者というか、コレですけどいい?」
と、私が腕に付けたスタッフ腕章を見せると
「あ…スタッフのかたなんですね!あぁ…いや…でも、スタッフさんでも、スタッフという立場を別にして考えれば原発に反対するという立場でここに来ているということで……」
「ああ、わかったわかった、書きます書きます」
「すみません…ありがとうございます」
《もっと優しく接してあげなさい》(神の声)
イケメン君は大きなバッグからアンケート用紙とペンを取り出して、私達に渡します。
「この原発反対の抗議って…毎週毎週やっているんですよね?」
「そうですよ」
「いつも、この位の人数なんですか?」
「いや、今日は雨だから少ないですね。普段はもうちょっといます。一定数を保って続いていますよ。」
「へぇ…」
「初めて来たの?」(←いきなりタメ口)
「いえ、去年の年末にあった大きな抗議に参加しました。」
「そうなんだ。ねぇねぇ、原発に反対?」
(上から目線始まりましたー)
「ああ~。えーと、うーん…そうですね…原発は…難しいですね…」
思わず、(何が難しいんじゃコラァ!!)と言いそうになるのをグッと押さえ、
「難しいとは…何が?」
と、ピクピクしながら笑顔で質問する私。するとイケメン君は、
「原発が本当に危険なのは分かるんですが…その代替えエネルギーとして、例えば火力発電を考えた時に、コストの問題が発生するわけで…」
「ああ~なるほどね~。やっぱそうくるんだねぇ~。」
「え…間違ってますか…僕」
「騙されてるよ」
「え、そうなんですか?」
するとMちゃんが、火力発電などのコストに関する間違った認識を、実に理路整然と説明し始めます。さすがMちゃん!素晴らしい…私と大違い(-_-)。それを真剣な表情で聴くイケメン君。
それからも何だかんだ上から目線で言いながらアンケートを書き終え、イケメン君に渡すと、イケメン君はありがとうございました!と笑顔で頭をさげ、若干疲れた顔をして去って行きました。(可哀想に…)
しかし、コレが現実なんだよなあ。まだまだ認識不足の人なんて山ほどいるんだよね。それを根気よく説明していくしかないんだよなぁ…。
官邸前エリアのグミ坂も、傘やカッパを着た参加者の方々がズラリと並んでいます。
先頭ブースへ来てみると、いつもの官邸前ドラムチームが、カッパも着ないで雨に濡れながらドラムを叩いていました。先頭ブースを照らすライトに霧雨が照らされ、キラキラと光っています。
反原連のコーラーの人達は流れるようなキラキラした雨を受けながら、真っ直ぐ目の前の官邸に向かって「原発やめろ!」のコールを繰り返しています。
グミ坂のスタッフの女の子に「雨降っちゃったねぇ…」と言うと「うん、でもまあ、この位の雨ならね!」と明るい笑顔。2011年3.11以降、もう何度もズブ濡れを経験してきたみんな…たくましいもんです。いやでも、やはり雨に濡れる抗議は何回やっても嫌ですけどね…(^^;
霧雨が舞う中、今日もたくさんの人達が原発反対の声をあげました。
スタッフさん達は濡れた機材をひとつひとつ丁寧に拭きながら片付けます。
みんなみんな、本当にお疲れ様。早くうちに帰って着替えて暖まってね。風邪ひかないように…。
電車に乗ると、官邸前によく参加してる友達からメールが入りました。
『雨の中ありがとう~お疲れ様!今日は、バリウムが出なくて家で待機してた!』
ああ、もう…
んじゃ、また来週~!!
(てるてる坊主作ろうかしら…)