【2015/02/13】官邸前からお届けします。

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2015年1月16日(金)の首相官邸前抗議のレポートをお届けします!
次回は2月20日(金)です。
詳細はこちら
また、3月8日(日)は
0308 NO NUKES DAY 反原発★統一行動 ~福島を忘れるな!再稼働を許すな!~
があります!
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貼るカイロ.jpg
あまりに寒い金曜だったです。
なので『寒かった』という記憶しかなくアレなんですけど、一応キンカンレポートです。すみません…今回はホントに寒かったという記憶しかない!(泣)
今日は小雪も散らつく様な寒さになると天気予報で聞いていたので、けっこう厚着して出掛けました。
最近は天気予報で『金曜夜は厳しい寒さ』とか『金曜日は底冷えのする様な』とか言われると、「覚悟しとけや」と言われてる気になり…かなり身構えます、はい。会社を出る時、友達がわざわざ家まで届けてくれた『貼るカイロ』をあちこちにペタペタ貼りまくり、一応、準備万端で官邸前へと向かいました。
国会議事堂前駅に着き、3番出口を上がって行くと、グミ坂にスタッフのMちゃんが寒そうな顔をしてカンパ袋を持って立っていました。「お疲れ~」と、近寄ったとたん…
ビュオ~ッッ!!!
ひゃあぁぁ~~~(泣)
待ってましたとばかりに吹き抜けていく、氷の様な冷たい風…
だいたいグミ坂は、まいど風が強くて大変なんだけど、今日の風はまた、冷蔵庫…いやいや冷凍庫の様な冷たさです。
「ぅうわあぁ~~~さむーっっっ!!」
もうもう、イヤだ~こんな日に外にいたくなーいっ!既に心が折れそうな私…(早いだろ)
が…
あれ…?
この、心も凍るような激寒だというのに、気を確かにして周りを見ると、何だかグミ坂は凄い熱気に包まれています。
「こんな寒いのに人多いよね~。やっぱり高浜原発がヤバいからだね」とMちゃんが言います。
そうなのです。今、高浜原発再稼働が勝手に進められようとしているのです。
グミ坂は、寒風吹きすさぶ中、「再稼働なんてゆるさねぇぞ!!!」という、皆さんの強靭な精神で熱く盛り上がっていました。
風はほとんどやむことなく吹き続けています。
けれどそんなことには負けず、しっかり着込んだ参加者の方々が、再稼働反対の叫び声を上げ続けています。
ビュオ~ッ!!と強い風が吹くたび、身を縮める様にして耐えている方。
プラカードを盾にして強風を少しでもよけようとしている方。
全くこんな風ごときにはビクともしない感じで立っている方。
みんな、ホントに本気で…原発再稼働を阻止しようとしているのです。じゃなかったら何でこんなクソ寒い中、好き好んでこんな所に集まりますか…。家でお茶でも飲んでいたいでしょう、普通は…。
いやしかし、ホントに今日はヤバい…寒さハンパない…
国会の方へ移動しようと、熱気溢れるグミ坂を降りて行くと、前方から、傘を杖がわりにして、一人の女性がゆっくりとグミ坂を上がって来ました。一歩一歩、傘を突きながら、時には強い風に煽られそうになりながら、グミ坂を登って来ます。すれ違い様にふと見ると、
あっ…
その人の背負っていたリュックから、猫柳の枝が何本かのびていたのです。
(猫柳だ…)
何だか新鮮でした。
春なんてまだまだ遠いかの様な、寒い寒いこんな日に、春の訪れを待ち望むかの様に、その人の背中で猫柳はゆらゆらと揺れ…グミ坂を一緒に上がって行きます。
束の間、寒さも忘れ、るんるんと揺れる可愛らしい猫柳に目を奪われていました。
ビュオ~~~~ッ
ぎゃーっさむうっっ~~~!!!
(やはり現実は厳しかった…)
財務省交差点の出前、いつも歌を歌っている方たちも、この極寒の中、いつも通りにメロディーを奏でています。
その隣では、やはり似顔絵のおじさんが、いつも通りに絵を並べ、寒そうに身を縮めて塀に腰掛けていました。
こんな日くらい休んだっていいのに。誰も強制してるわけでもないのに、皆さん、もう、ある意味『使命感』の様なものを持って来ているのでしょう。
交差点を渡ると、寄せ書き集めの方たちが、紙が風に飛ばされない様に荷物などで重しをしていました。
国会前へ続く舗道もいつも通りの人達!
お二ューな国会前抗議エリアでも、官邸前と同じく、高浜原発再稼働を阻止するために沢山の人達が声をあげていました。
しかししかし寒いね寒いね…(泣)
国会前のドラムチームは塀の上で強風に吹かれながらも勢いよく音を奏でています。国会前も凄い熱気!もう…その姿に、ひとごとの様に感心してしまいます。
「しっかしさみいなぁ~~~!」
見るとドラムチームのいる塀の横に、おじさん2人が身を縮める様にして座って叫んでいました。いや、ホントに寒いです…。
ドラムチームのMちゃんが手を振って近寄って来ました。いつもお洒落なMちゃん!最近は赤い布をバンダナの様にして顔に巻いていてカッコいい!マスク代わりの寒さよけらしいのですが、キマッてます。
Mちゃん、バッグをゴソゴソしながら、
「しょっぱいのと甘いのどっちがいい?」
「甘いの!(即答)」
「じゃ、はいこれ、バレンタイン」
凍える手に手渡されたものは可愛らしいチョコ!
「わあっ!ありがとう!嬉しい~!」
束の間寒さを忘れ、心がホッコリとした瞬間でした。
大学生ぽい若い男の子が、ポケットに手を突っ込んだまま、国会前抗議の列に入っていきました。その横の塀にマフラーぐるぐる巻きにしてマスクして腰掛けてるご婦人は寒さでか泣きそうな顔をしています。
何やらスピーチを聞きながら大学ノートにメモを取っている男性。プラカードを胸に抱きしめる様に抱えてうつむいている女性。
20時になり、いつもの様にサッと抗議が終わり…ガタガタ震えながら官邸前を後にしました。
「今日は寒かったわねぇ~」
「ずっと立ってたから足が凍って動かないわ」
「全く寒くて震えあがっちまったよ」
みんな口々にそんなことを言いながら、駅の階段を降りて行きました。
今日という日もきっと、後に「すげえ寒くて死にそうだった日」として、記憶の端に残るでしょう。
ふと思いました。日本が原発から手を引き、全ての原発が廃炉になって、もう、こうして毎週金曜にここに集まらなくてもよくなったら…
ちょっぴり寂しい気持ちにも、なるのでしょうか…?
この抗議は、暖かな思い出として自分の中に残るでしょうか…?
ええ…きっと、そうなると思います。
今は、行くのめんどくさかったり、早くやめたいって思ったりするけど、きっときっと、金曜ここに来なくなったら、この抗議を、この場所を、懐かしく思うと思います。
それは社会運動が好きだとか、そういうことではなく、こんなに長い時間、何かに対して一生懸命頑張り続けたということ…。それはどんなことでも、きっときっと暖かな優しい思い出となると思うのです。
(生きてる間に暖かな思い出になってくれ)
家に帰ってから、何気に猫柳の花言葉を調べてみました。なんと…
『努力が報われる』
報われます様に…
みんなの、長い長い努力が、必ず…報われます様に…
長い長い冬が暖かい春に変わります様に…
んじゃまた来週~!
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【2015/01/30】官邸前からお届けします。

2015年1月30日(金)は、抗議は中止でしたが、レポートを頂きましたので掲載します。
次回は2月6日(金)です。
詳細はこちら
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中止の紙.jpg
今年はじめての雪の日でした。
官邸前抗議をやるかやらないか、いつものように前日から反原連の方たちがメールで話し合っていました。夕方からは40%の降水確率だったのですが、去年も予報に反して大雪となった事や、とにかく温度が低かったので路上凍結など考え、今回は早目に中止を決めました。
抗議自体、長期化してるし、みんな仕事だ抗議だと疲れてるし、長くしつこく続ける為に、無理をせず中止で良いと私も思いました。
が、昼過ぎから早々と弱い雨に変わった空を見ると「あ~…やれたかも…これ…」と、ちょっとした罪悪感に…(>_<)
とりあえず、抗議中止を知らずにいらっしゃる方々の為に、いつもの様にスタッフさんを2名程、国会議事堂前駅に配置する事になりました。今日は残業も大丈夫そうだし、何となく罪悪感に苛まれていた私は「やります」と即、志願。18時20分頃から19時過ぎ位までグミ坂に立つことになりました。
今、反原連のコアメンバー何人かは台湾の脱原発運動に参加&交流の為、台湾に行っているのです。現地と金曜抗議を結んでの中継もやる筈でした。
18時頃、会社を出ると雨はすっかりやんでいて、辺りはヒンヤリとした冷たい空気に包まれています。急いで地下鉄に乗り国会議事堂前へ向かいました。
今日は反原発の抗議が中止になったので、急遽、別団体の呼び掛けで、後藤さん救出を!の官邸前抗議が開催されることになっています。
改札を出て三番出口目指して階段を上がって行くと、スタッフのTさんが『本日の官邸前抗議は、悪天候の為、中止となりました』という紙を掲げて立っていました。
「お疲れ様です~。」
「お疲れ~。けっこう金曜抗議だと思って来る人いるわ。私はグミ坂から国会の方を見て回るから、Eさんはコレ持ってここで案内してくれる?」
「了解です!」
Tさんが持っていた『中止となりました』の紙を掲げ、階段を上がって来る人に向けて案内を始めました。
早速、大きな太鼓を持って階段を上がって来たおじさんが、私を見るなり、
「あ~…中止かぁ~!」
と、仰け反るように仰いました。
「すみません…そうなんです。雪がけっこう降っていたので大事をとって早目に中止を決めてしまったんですよ…つっても、もう全く降っていないんですけど…」
「そうだよなあ~、朝はけっこう降ってたもんなあ…」
「いや…ホントすみません…そんな大きな太鼓持って来て下さったのに…もうやんでるし…いやホントに…」
「ま、しゃあねぇな!(笑)あ、コレは何か他の抗議やってんの?」
「後藤けんじさんの解放を願う緊急抗議です」
「あぁ…後藤さん…。丁度良かった!コレに参加するわ。ありがと、お疲れさん!」
おじさんは大きな太鼓を抱え、グミ坂を前の方へ歩いていきました。
太鼓.jpg
今度は年配のご夫婦が階段を登って来ました。そして私を見るなり
「え…?」
「すみません…今日は中止なんです…ごめんなさい!」
と、ひたすら頭を下げると、ふくよかな笑顔でご婦人が
「まあまあ、そうだったの~知らずに来ちゃったわ(笑)」
と笑いながら仰います。
「すみません…ホントすみません…わざわざ来て頂いたのに…」
すると、ご主人が笑顔で
「まあ、仕方ないですな。雪、けっこう降っていましたからね~」
「いや、もうすっかりやんでるんですけどね…ほら。やれましたよね、これ。すみません…」
二人は優しい笑顔で笑いながら
「いえいえ、謝らないで下さい。大丈夫だから。」
と言い、後藤けんじさんの解放を願う抗議に参加すると言ってグミ坂へ降りていきました。
官邸前抗議だと思って来る人はけっこういます。ひたすら謝る私…(泣)
四番出口の方へは後藤けんじさんの解放抗議にやってきたスタッフのKさんが、急遽、立ってくれています。
雪も雨もやんではいるものの、空気は氷の様な冷たさ!こんな中、わざわざここまで来たのに中止と言わなきゃいけないなんて…。何だか途中から、私の方が泣きたい気持ちになってきました。
あ…。フウフウ言いながら階段を上がって来るあのおじさん…いつもグミ坂にいる人だ。うわあぁ…。
やっと階段を登りきったところで、申し訳なさそうな顔の私を見るなり、固まるおじさん…。
「え…中止…?」
「はい…」
「わあ~~」
おじさんは笑いながら倒れるふりをします。
「すみませんすみません、ホントすみません!!!」
(もはや、すみません九官鳥のわたし)
「いやいや(笑)アンタが謝ることないよ。そっかあ~中止だったのかあ~」
「すみません…」
「いや、いいって!いつもありがとうな。ご苦労さん!」
…(涙)
もう、アレですよ、これからは大雨で流されようが、大雪で埋まろうが、なにがなんでも抗議はやるぞ…死んでもやるぞっ!(死んだらやれない)って気持ちになりますよ…ホント(泣)。
泣きそうな顔をして立ってる私に、グミ坂に警備で立ってた一人の警察官が近づいて来ました。
「中止のご案内してるスタッフさんて何人いるのかな?」
「3人です。ココの辺りと4番出口付近と、1人国会の方面を見回ってます。」
「そうかあ…。いや、階段の下にもいた方が良いかなって思ってね。わざわざ階段上がって来るの…ほら、大変で可哀想かなって…(笑)」
なんと…階段を登って来る参加者の事を案じてくれたのです。
「あぁ、そうですね!じゃ、あたし階段の下に行こうかな…」
「いや、まあグミ坂から来る人もいるしね、ま、ここで仕方ないか(笑)」…と言ってる間にも、背後で
「ありゃ、中止だったのか」
と呟く声が…。
恐る恐る振り返ると(病みそうですわ、ホント)、1人のおじさんがガッカリした表情で立っていました。
九官鳥の様にすみませんを繰り返すわたし。
「いやいや大丈夫(笑)あ、2月の抗議予定のチラシあるかな?抗議ないならポスティングでもするかな~」
「いやあの…ごめんなさい…何も持ってないのです…重ね重ねすみません!」
「そっか、残念!俺、いつもあちこちポスティングしてんだよ。とりあえず、自分の住んでるマンションには毎月やってる。千枚単位で配り歩いてるんだ。」
「スゴい…」
「まあ、そんだけ配っても、どれだけ効果があるのかって話だけどさ。でもまあ、ちょっとでも関心持ってくれればと思ってねぇ」
「はい…」
「みんな飽きるの早いよなぁ~。まだ4年だよ?あの恐怖をもう忘れたのかって思うよ」
「…」
「俺なんか、みんなに『え?まだ抗議続いてんの?』って言われてるよ。続いてんに決まってるじゃねえか、ねえ?」
「はい…」
「原発以外に後から後から色々問題が山積みだけどさ、とにかく『原発』なんだよ。まずはこれをどうにかしないとダメなんだよ。」
「…」
「まあ、何があっても何を言われてもあきらめずに続けてくしかないよなぁ~」
「そうですね」
「じゃ、帰るわ!たまには早く帰るかな(笑)」
おじさんはそう言って、お疲れさん!とわたしに言うと、今登って来た階段を、また…降りて行きました。
わたしの斜め前で、ずっと何かのチラシ配りをしているお兄さんが「あのぅ…」と近づいて来ました。
「そこのグミ坂で、原発反対のプラカード掲げてる人がいるんだけど…。中止になったの知らないんじゃないかな…」
「えっ、マジっすか!ありがとうございます!行きます行きます!」
見ると、地下鉄出口を出て右に降りた辺りで、3人の女性が暗い中、『再稼働反対』の紙を掲げて立っていました。
「ああ…すみません…!今日はいつもの官邸前抗議は中止なんですよ」
と駆け寄ると、3人のご婦人は、あら!という顔をして
「あ、雪が降ってたからねぇ~そっかそっか~」
「も、すっかりやんでますけどね…。わざわざ来て頂いたのに本当にすみません…」
「いえいえ(笑)。あ、これは何か他の抗議なの?」
「あ、後藤けんじさんの解放をという緊急抗議が…」
「ああ…後藤けんじさんねぇ~ホントにねえ~。じゃあ、せっかくだからこのままちょっと参加するわ」
ご婦人達は再稼働反対の紙をしまい、そのままグミ坂に残りました。
元の位置に戻ると、さっきのチラシ配ってるお兄さんが、また、中止を知らずに来てしまったご婦人に説明をしてくれていました。
「わわ、すみません、ありがとうございます!」
と言うと
「いえ。仕方ないですね。ツイッターとかインターネットを見れない方達は分からないですからねぇ(笑)」
「ホントに…。つーか、すっかりやんでるし…」
「まあ、こればっかりはしょうがないですよ!(笑)」
お兄さんはその後も、自分のチラシを配りながらも、中止を知らずに来てしまった参加者の方に丁寧に案内をしてくれていました。
1人のおじさんが
「やっぱ中止かあ~」
と声を上げてグミ坂を上がって来ました。
「あ、はい~そうなんです、すみません…」
するとおじさんはニヤッとして
「こういう時こそ!と思って来たんだよ。『俺達の意志は固いんだぞ!』ってな。奴らに見せつけてやんねぇと!」
そう言って、拳で空中にパンチをして見せました。
「本当に…そうですよね。」
「わはは。まあ、また来週だな!アンタも風邪引かないようにね。ご苦労さん!」
おじさんはそう言って今来たグミ坂をおりて行きました。
と、入れ替わる様に、また1人の男性がグミ坂を上がって来ました。
「あ…中止なんだ」
「ごめんなさい、雪がけっこう降ってたので中止にしてしまったのです…」
「ああ、そうだよね、けっこう降ってたからね。そっかあ~、ちゃんと確認すれば良かったなあ…。いや、今日は用事あって迷ってたんだけどさ、何か行かなきゃって思って来ちゃった(笑)」
「…」
「いや、ごめん、気にしないで。いいんだよ、お疲れ様!」
そして、男性はグミ坂をウロウロ歩いている警察官をチラッと見ると、
「…ま、たまにはお巡りさんも休ませてあげないとな(笑)」
そう言い、地下鉄乗り場の階段を降りていきました。
後から聞いたのですが、『もし、いつもの抗議が中止になったことを知らずに1人でここに見える人がいたら気の毒だと思ったので、私だけは行こうと思った。』と言って来た方や、『反原連メンバーが台湾の反原発の方と連帯していることを知り来ました』という方々もいたそうです。
国会へ続く舗道には、いつものブブゼラを吹いてるおじさんがいて、「中止は知っていたけど一人でもやりたくて来た」と…。
凍るような冷たい空気の中、すっかり体は冷えてしまいましたが、心はどこかほっこりとあたたかく、小さな光を胸に抱いて、誰もいないグミ坂を歩いて帰りました。
グミ坂は、何だかとても優しく、そして柔らかなものに包まれている感じがしました。
また来週~!
来週は何にも降らないで~
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