【2013/11/29】東京・官邸前

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思わず泣かされてしまうことも多いこのレポート。
今回も
「皆さん…この苦しさ分かりますか…!?」
みんな、黙って…ただ黙って…その人を見つめます。中には、うつむく人も。
のくだりで、来ました。
みなさんぜひお読みください!
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ドラムステッカー.jpg
今、国会前へと続く舗道は金色の道になっています。
火曜日、秘密保護法反対抗議に来ました。原発にも大いに関係する法案です。21時半頃、寒さに負けて離脱し、抗議の列を抜けて国会前の舗道に出た時…思わず、あっ…と立ち尽くしてしまいました。道が金色に輝いていたのです。イチョウ並木の紅葉と、道を埋め尽くしてる落ち葉の金色とがライトに照らされ、本当に眩しいほどに輝いていたのです。
街のどんなイルミネーションよりも綺麗でした。
来た時は気づかなかったのになぁ…と思いながら、背中にまだ続いているみんなのコールを聴きながら、金色の道を歩いて帰りました。
なので今日は、イチョウにあわせてレモン色の毛糸の帽子!この帽子、100円…。うはは(^^;でも、レモン色にグレーと白のラインが入っててチョー可愛いのさっ。
てなわけで…今日もまた向かいました、官邸前!
今日は官邸前抗議とほぼ同時刻で、議員会館前で秘密保護法反対の抗議があります。こちらも超重要問題!
ですが、原発も引き続き超重要問題なのです。何一つ解決していないし、何も終わってない。長期戦に入ってますが、続けていかなくてはなりません。
同時刻なだけに、人数的にどうなるかな…と思っていましたが、いやいや、こちらキンカンもちゃんといつも通りの人数が集まり、原発反対の叫びで盛り上がっていました。
官邸前・国会前・ファミリーエリアから響きわたる「原発無くせーっ!!」の叫びと一緒に、議員会館前からは「廃案!!廃案!!」の声が…。なんだか凄い事になってました…(>_<)
国会前エリア。
塀に腰かけたおじいさんが鼻をすすりながら抗議しています。隣のおばさんも寒そう…ショールをかぶって丸まっています。
いや…今日はホントに寒いっ!
可愛いリュックを背負った若い女の子が1人、歩いて来て列に加わりました。ジャンパーに両手を突っ込んで寒そうに歩いてきた男の子も抗議に加わります。若い子達もたくさん見かけるこの頃。
プラカード…かな?を胸元で抱えたおばさんが一人で歩いてきて、みんなからちょっと離れた場所にスッと立ちました。コールが始まるとその場で呟く様に声を出しています。スピーチする人が壇上に上がり「皆さん、こんばんは!」と言うと、静かに頭を下げていました。そのまま、そのプラカードを抱えたまま…1人ずっと立ち続けていました。
声をあげる人、プラカードを高く掲げる人、音を鳴らす人、黙って立つ人…皆、それぞれです。
私は、デモや抗議の時は、プラカードとか持たず、手ぶらでみんなの中に埋もれているのが好きで…(^^;下手すりゃ声も出さずに、ただじっとそこに居るっつう感じです。何故か、それが私にとっての…いちばん居心地のいい在り方なのです。
初期の官邸前抗議の際、スタッフさんが『大飯原発の再稼働に断固反対』と印刷された紙を何枚もコピーして、抗議に並ぶ人達に配ってくれていました。私も何度か「今日はあの紙を掲げてみよう」と、受け取ったりしたのですが…
結局その紙は胸元でギュッと抱きしめる様に抱え続けられ、プラカードとしての役割は全く果たされないまま、しわくちゃのヨレヨレになり、毎回抗議終了後に畳んでバックに入れて持ち帰る…ということの繰り返しでした。そして家に持ち帰ったはいいが、その日のみんなの思いがそのしわくちゃに詰まっているようで捨てることが出来ず、ヨレヨレのソレを部屋の壁にピンで貼り続けていたので…
凄い部屋になってました
うなされそうでした
去年の暮れに、一枚だけ残して、ありがとうの言葉と共に…さよならしました。
さて、国会前では福島県浪江から来た女性が壇上に立ちました。「福島は苦しんでます。福島のあの現場を見た方いらっしゃいますか?あの惨状を…」絞り出すような悲痛な声…苦しさ、やるせなさが滲んでる様な辛い声でした。「何一つ届かないこの苦しさ…。福島県人は本当に苦しんでます。」
「皆さん…この苦しさ分かりますか…!?」
みんな、黙って…ただ黙って…その人を見つめます。中には、うつむく人も。
「この苦しさが分かりますか…!?」
分かるなんて簡単に言えない…みんな何も言えず、凍りついた様に静まり返っています。
「原発はいらないんです!」
何人かが、そうだ…!と叫びます。
「台風がくるたび…原発は大丈夫か、大丈夫だろうか…そればっかり思って…」
泣き声にも聴こえる様な、ホントに辛い辛い叫びでした。“何一つ届かないこの苦しさ”この言葉を何度も何度も叫んでおられました。
青森から来た82歳の女性もスピーチされていました。「私たちも細々と地元でデモや抗議をしておりますが、全然届きません…。皆さん…どうか折れないで、続けて下さい…」
観光バスが国会議事堂の交差点を通り過ぎて行きました。すると何人かが手やプラカードを振ってアピールしています。
何だか、ますます寒くなってきた…どんどん冷えてきたわ…
ファミリーエリアでは自転車隊の人達から差し入れられたホッカイロをみんなに配布。ちょっとした心遣いが心と体を暖めます。
官邸前へと移動。
こちらでもみんな寒そうに、それでも寒風に負けず、声をあげ、立ち続けています。
塀に足を掛けて、時々屈伸しながら立ち続けるサラリーマン。コールしながら舗道を歩いていくOLっぽい女性。
先頭の方では『国民はモノじゃない。安倍さん何がしたいのですか?』と書かれた、長く大きな布を、参加者7人位で持ち、立っていました。
ダラクさんが官邸をじっと見つめながらコールしています。隣ではいつものドラムメンバーがガンガンと音を叩き出しています。つんと冷えた…冷たい空気の中に響き渡る、力強く暖かい太鼓の音。
カートをガラガラと引いた金髪の外国人女性が、コールする参加者の方々を、笑顔でうなずきながら見て、通り過ぎて行きました。
今日は、諸事情で8時までいられず、ちょっと早めに官邸前を後にしました。
コールしている参加者さんの横を下って行くと、グミ坂最後尾の、人もまばらな場所で、杖をついた男性が塀に体を預け…寄りかかりながら立っていました。
財務省の交差点近くでは、車椅子を押した男性とすれ違いました。
身体がままならなくても、家が遠くても、仕事が大変でも、お金が無くても…みんな、未来に生きる誰かの為に、声をあげに来ているんだよな…。
そんなことをつらつらと考えながら、経産省へと続く金色の道を歩いて帰りました。
来週はいよいよ12月に突入です。
師走かぁ~
はえ~
また来週~!
イチョウ.jpg